「キャップストーン」 岩崎陽 2009-010 | 流石奇屋~書評の間

「キャップストーン」 岩崎陽 2009-010

岩崎陽氏「キャップストーン」読了しました。

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キャップストーン/岩崎 陽
¥1,365
Amazon.co.jp
出版元
星雲社
初版刊行年月
2008/05
著者/編者
岩崎陽
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
それに気づいたとき、隣村はすでに全滅していた。それは次には、この村を襲いにやってくる。それは姿を変えてやって来る―。第1回世界で一番怖い小説グランプリ受賞作。<<Amazonより抜粋>>


第1回世界で一番怖い小説グランプリ受賞作。
・・・凄い賞があります。

初めて知りました。

で、本書。

そんなに怖くないです。
ま、怖い・怖くないというのは個人の嗜好だったりしますので、致し方なし。

そういう意味では「ホラー小説」というジャンルの定義そのものも怪しいです。
著者がそのつもりでなくとも、読み手がそう思えばそうであり、
著者が狙っていようとも、読み手がそう思わなければまったく違う。
残念ながら後者はまったく救いようがないわけですが、本書は、「やや前者」といった感じで好感触でした。

文中に「キャップストーン(略してキャップス)」と呼ばれることとなる謎の生き物が登場します。
このキャップスは人を食用としているのですが、この食べるまでのプロセスがなんとも空恐ろしいわけです。
人に化け、人の「決断力のなさ」につけこんで食べる。

架空の話ではありながら、人の浅ましさのようなものをついてくる作品です。

ストーリー展開も面白かったので、著者の別作品にさらに期待したいところです。