「ジャガーになった男」 佐藤賢一 2008-034 | 流石奇屋~書評の間

「ジャガーになった男」 佐藤賢一 2008-034

佐藤賢一氏「ジャガーになった男」読了しました。

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ジャガーになった男 (集英社文庫)/佐藤 賢一
¥680
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出版元
集英社文庫
初版刊行年月
1994/01
著者/編者
佐藤賢一
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:4点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
伊達藩士・斉藤小兵太寅吉は恋人を捨て、冒険を求めて、支倉常長遣欧使節に加わった。着いたイスパニアはすでに全盛期の栄光を失っていたが、一人のイタルゴ(戦士)と意気投合し、共に戦場に赴くために、帰国する使節団と訣別する決心をする。壮大なスケール、波瀾万丈の歴史ロマン。第6回小説すばる新人賞受賞作に大幅加筆、600枚の長編となったロング・バージョン。<<Amazonより抜粋>>


史実の空白部分の埋めるような物語というのが好きです。

ただ読み手が、肝心の史実そのものを十分理解していないとその辺りが半減しちゃうのも事実です。

先に謝ります。ごめんなさい。

伊達政宗の大いなる野望に夢を馳せ、一人の武士がスペインで大暴れするという物語なのですが、前述のとおり、この辺りの史実をしっかり理解していないとただのフィクションになってしまいます。

物語そのものはストーリー性も高く、ラストもきっちりと「武士らしさ」があって良かったのですが、私自身にとってはやっぱり「ただのフィクション」以上のものではなかったのです。

「ただのフィクション」としても面白かったのですけどね、やっぱりそこに前提知識があるとないとでは、土俵が違うよねと思うのです。

ということで、読み手の博識を問われる一冊。そして、深く反省する一冊となってしまいました。

歴史の空白好きで支倉常長遣欧使節について詳しければ、この物語は相当、はまるんじゃないかと思いました。

改めて、はい、ごめんなさい。