「石川五右衛門(上)」 赤木駿介 2007-005 | 流石奇屋~書評の間

「石川五右衛門(上)」 赤木駿介 2007-005

1月4日~6日まで旅で出ておりまして、それに同行した文庫本でございます。
新幹線の往路で上巻、復路で下巻を読了しました。

ということで、文庫書き下ろし作品「石川五右衛門(上)」読了しました。

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赤木 駿介
石川五右衛門(上)
出版元
光文社
初版刊行年月
2005/07
著者/編者
赤木駿介
総評
19点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:4点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
武田勢の襲来で今川方は総崩れ、駿府の町は猛火につつまれた。五右衛門の父は、御宝物庫から名物・千鳥ノ香炉を運び出すが、途中、野伏りに襲われる。父と妹の死。五右衛門は、千鳥ノ香炉をお屋形さまに届けるべく旅立った。その後、旅宿「松風」の主のもとで修業し、成長を遂げる五右衛門。やがて、父と妹の仇討ちを果たすべき時が近づいてきた。 <<Amazonより抜粋>>

新説の石川五右衛門物語といった感じでしょうか。
詳しくはあらすじの通りなのですが、上巻は父と妹の仇討ちをするところまでです。

ちなみに石川五右衛門 と言えば「生きたまま油で煮られた戦国時代の稀代の盗賊」なわけですが、本書はそこの記述が下巻の最後にのみとなっています。
で、この処刑シーンばかりが目立つ石川五右衛門の半生を描いたのが本作品であり、そういう意味では、非常に面白い作品なのかも知れません。

上巻は「少年編」といったところです。
少年五右衛門は、父の遺言に従い「千鳥ノ香炉」をお屋形さままで届けるために旅に出るわけですが、この道中でいろんな人に出会い、いろんな事件に巻き込まれたりするわけです。
さしずめ、この辺りはRPGな感じなのですが、個人的にはもっといろいろあっても良かったのになぁと思いました。

スキルポイントが徐々に上がっていき、次々と強い相手と戦っていくような「古き良きRPGな世界」を期待してしまったので、ちょっとあっけなく目的が達成されて残念な感じです。
(ま、勝手に期待しているこちらの問題なのですけどね)

と、思ったらちゃっかり遺言以上の目的である「仇討ち」まで実現させちゃって、「あらあら、やるじゃん五右衛門ちゃん!!」といった感じで下巻につづくわけでございます。