最初から→#1S
前回→#110A
Discostar★Love 4
#111/Side-S
ショッピングあとに立ち寄ったコーヒーショップ。
雅紀は俺のことを気にして
席も奥を確保して、オーダーも引き受けてくれた。
別に大丈夫なのに、と言う俺に
『でも翔ちゃんがオンナノコにきゃあ、って寄って来られるのはいい気がしないから』
なんて言いやがった。
じゃあフィズで囲まれまくりなお前はどうなんだよって言ったら
『それはおれのステータスですから』
なんてさ。
なんだよそれって笑いながらオーダーに向かう背中を見送ったけど
実際、雅紀のヤキモチからの独占欲にニヤケが止まらねェ
手持ち無沙汰で携帯でメールチェックをしていたら
不意に『お待たせ』って背後(うしろ)から耳にキスされて
「ワァッ!」
うっかり声が出て、
携帯を落としそうになった。
『くふふ』と笑う雅紀に照れ臭くて
内側からカァッと熱くなりながらマスクを外す。
「しょぉちゃん、カワイイ♡」
なおもコロコロと笑う雅紀にコノヤロウって思うのに
楽しそうに笑うカオを見てると胸がくすぐったくなる。
「くふふっ」
「何よ、」
ニヤけるのを誤魔化しながらマグを手に肘を立てた。
視線の先、『くふふ』と笑っていた雅紀が穏やかな笑顔に変わり、
俺を見つめながら
上がっていた口角が緩んで薄く唇が開く。
薄っすら紅く染まる頬が
ツヤのいい唇をセクシャルな雰囲気に変えて魅せた。
「そういう表情(カオ)すんなって、キスしたくなんだろ、」
さすがにここじゃな、って、
自分に言い聞かせるように
その髪をワシャワシャとして乗り切った。