もう一つのマジすか学園 第4章17話 | 指オタクオリティー

もう一つのマジすか学園 第4章17話


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~首里城とちゅり~

バブウのカンチョウですっかり和やかになった首里城達とチームBBQだったが、

その後、バブウからトムがちゅりに敗北した報告を受けついに1年戦争が決戦を迎える事になり、

それぞれが今、自分達に出来る役割を全うするために動いていた。

そんな中、本部とされる1-Aの教室にBBQと首里城はいた。

「なあ首里城」「ん?なんや」「ちょっと聞きたいんだけど、いいか?」「ああ、ええよ」

「今回の1年戦争が終結して首里城がトップを獲ったして、その後の考えってあんのか?」

「まずラッパッパやろ。その為に1年で戦争してるんやから」「ああそうだな。なら聞くけど

首里城・・・お前の知り合いが現ラッパッパ部員なんだろ?その人に弓引く気あんのか?」

「よお~知っとるな」「ああ~ライバルについては調べたからな。で、どうする気だ?」

「その人とはヤラんで済むならヤリたくない。私の狙いはテッペンやから部長のおたべはんと

タイマン張れればそれでええと思ってる。それじゃダメかな?」「首里城・・・」「ん?なんや」

「マジ女でラッパッパとヤルのは順番があるんだよ」「順番?」「ああ~順番だ。私等が1年戦争を

しているのもその順番だよ。1年の代表格にならないと階段さえ昇らせてもらえないって事だろ」

「ああ~そうやな」「階段を昇った先にいるのがラッパッパ部員、その先は四天王、で、本来は

副部長だけど今はいないから、ここで部長なんだよ。私等1年はこの戦争を制してようやく挑戦権を

手に入れた段階だよな。その先にシードは無いぞ」「そおか~飛び級でおたべはんとは出来ないって

ことやな。それなら仕方無いな。立ちはだかるならツブすだけや」「本当に大丈夫か?」

「ああ~大丈夫や。信頼してくれ」「分かった。それと他にあるんだけど」「他?なんや」

「例の武藤の件だけど頭は誰だか分からないけど、どうやら武藤の弱みにつけ込んで操っている

みたいなんだよ」「弱味?なんやそれ」「うん。その弱味は何だか分からないけど、ちゅり達が

その事で動いているらしいんだ」「そおか~ちゅり達を見張ることは可能?」

「ああ~可能だよ」「なら見張らせて動きがあり次第、こっちに知らせて欲しいんやけど」

「分かった。そうする」「ところでBBQ」「ん?どうした」

「ちゅりってどんな奴なんや?」「ちゅりか~あいつは熱くてストレートな奴だよ。多分なんだけど

首里城と同じようなタイプかな?と私は思っている」「私と?」「うん。なんとなくだけど」

「私と同じタイプか~やったら負けられへんな」笑顔で首里城が答えるとBBQは手を高く出し

「当たり前だ。私等の大将だからな」と言って2人はハイタッチした。



「トムどの子だ?」ちゅり、ヅカ、トムの3人の目の前を真面目な女子中学生達が

放課後という時間を楽しそうに歩いていた。3人が探しているのは「来た!あれだ」

まわりの生徒より少し背が低く髪はロングで大人しそうな子が歩いてきた。

「名前は田野優花。中3だ」「田野?苗字が違うじゃん」「ああ~私達が小さい頃、

両親が離婚したんだ。私は母親、優花は父親に引き取られたんだ」「なるほどな~ヅカ」

ちゅりはヅカを自分の横にこさせ「あの子を当分の間、見張れるか?」

「登下校ぐらいなら大丈夫です」ヅカはトムを見つめ静かに答えた。

「うん。それなら後は何とか出来るか?トム」ちゅりもトムを見つめた。

「うん。大丈夫だけど・・・やっぱり悪いよ」「今更、何言ってんだ。お前の妹を守って、

なおかつお前も自由になる。その為の戦いだろ」ちゅりは真剣な表情でトムを見た。

「そうだけど・・・ありがたいけど・・・やっぱり私等、姉妹の問題だし・・・」

「お前が私を信用してくれるって言ったんだぞ!私はそういう奴は仲間だと思う。

仲間が困っていたら手助けするなんて当たり前だ。損得なんて考えて仲間になった訳じゃねえ。

妹の事は私等に任せろ。後はお前を自由にするだけだ」

ちゅりの言葉に今まで誰かに心を開くなんて過去に今出ぐらいしかいなかったトムは涙しそうになった。

「ちゅり、ヅカありがとう」「バカ、まだ何も始まってねえよ」「そうだけど・・・」

トムが涙ぐんだのに気付いたちゅりは急に恥ずかしくなったのか言葉を少々荒げた。

それが照れ隠しであると気付いているヅカが

「トム、それで敵は今のところ妹さんに何か仕掛けてきた事はあるのですか?」静かに微笑んだ。

「そうそれだ。大体、お前ほどの奴が何で言いなりになってたんだ?」ちゅりは不思議そうな顔をした。

「入学式の後、ある奴に呼び止められたんだ。ソイツと私でタイマン張ったんだけど私は負けたんだ。

その後に『お前がEの頭になれ。そして私の言う事を聞け』って優花が写っている写真を出された」

「写真?」「ああ~でも普通の写真だったら私も突っぱねたけど優花の後ろにヤンキーが写っていて、

家の近くや学校の近くでの写真ばかりだった。『こっちはいつでも襲えるぞ』って事だと思ったよ」

「なるほどな。汚ねえ真似しやがって」「それを今出に打ち明けたら私に付き合ってくれたんだ」

トムはそう言って今出の退学の元凶になったヅカの顔を見て

「でも、ヅカを恨む気なんて全然無いから。自分が弱かったのが全て悪いと思っている」

「スミマセン。でも、お2人はあーでもしないと止まらないと思ったんです」

ヅカはトムを申し訳なさそうな顔で見た。

「いや気にしないでくれ。私達が喧嘩で負けただけだ」

トムはヅカの目を真っ直ぐ見つめた。

「うん。なら妹はヅカに任せて私等はその汚い奴とヤロう」

ちゅりはトムの肩にそっと手を乗せた。

「でも問題もあります」ヅカはちゅりの顔を見た。「問題?何の問題だよ」

「いいですか、その汚い奴とトムがタイマンを張ったのが入学式後だったとしたら、その写真に

写っているヤンキー達は一体誰かって話になります。その時点でE組は落ちていない訳ですから、

その汚い奴の兵隊はマジ女にいないはずです。そう考えればその後ろに更に黒幕がいる可能性も

あります。例えE組のソイツをやったところでトカゲの尻尾切りだったら今後も同じ事をしてくる

可能性もありますよね」「う~ん。そう言われればそうだな。元を断たなきゃダメって事か」

「そういう事です」ヅカは大きく頷いた。


つづく

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マジすか学園スピンオフ まとめ その2