もう一つのマジすか学園 第4章16話 | 指オタクオリティー

もう一つのマジすか学園 第4章16話


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~仲間~

1-Eの教室は騒然としていた。

本来いるはずのない、ちゅりとヅカの2人が教室の中央に腰掛けトムが来るのを待っていた。

「なんであいつ等がココにいるんだよ?」「バカ。お前こないだトムが負けたの知らないのか?」

「え?そうなのか。今出は退学しちゃうし・・・大丈夫なのか私達は」「そりゃ~あいつ等次第だろ」

ちゅりとヅカとは距離をあけ、囲むようにE組の生徒達は小声で話していた。そんな時、

「あれ?2人してどうしたんだ」トムが教室に入ってきた。

まだちゅり戦との傷が癒えていないのか顔中は絆創膏だらけである。

「おはようございます」ヅカは立ち上がりトムにお辞儀をした。

「あっおはよう。で、何だよ2人して」トムはそう言いながら2人の前の空いている席に座った。

「今後について話し合いに来ました」「今後?」トムが不思議そうな顔をすると、ちゅりは

「ああ~今後だよ。トムが私の仲間になったって事はEとBが私達。AとCDが首里城達。

もう2組しか残ってないだろ。と言う事は1年戦争は決戦だからな。でよ、その前に上枝は?」

「かっ・・・上枝はヅカにヤラれて以来、学校に来てないんだ」

「連絡先知らないのか?」「ああ~実を言うと私もアイツの事よく知らないんだ」

「だろうな」「ん?なんで『だろうな』なんだ?」「あれからヅカに調べてもらったんだよ」

「調べるって?上枝のことか」「ああ~上枝ってマジ女の生徒じゃないぞ。知ってたか?」

「え?そうなのか・・・いや、何となくそうかな~とは思っていた」

「それを踏まえて聞くけどよ、お前マジ女に一体何しに来てんだ?」ちゅりは真っ直ぐトムを見た。

「そっそりゃ~自分がどこまで出来るか試しに来たんだよ」「そうか。ならココの本当の頭は誰だ?」

「だから前にも言った通り私だよ・・・私なんだよ」「トム。私の目を見ろ」

そう言われたトムは真っ直ぐちゅりの目を見た。ちゅりは少し前屈みになり

「これから私が言う事の答えは頷くだけで良い。分かったか」

ちゅりが何をするか分からないトムは下を向き軽く頷いた。それを確認したちゅりは優しく小声で

「私はトムを信用している。頭を賭けた戦いで本気で喧嘩したからな。トムは私等を信用して

くれてるか?」トムは下を向きながら頷いた。「うん。ありがとう。さっき上枝の事を調べたって

言ったろ。その時に分かった事がある。トムお前自身の事だ」それを聞いたトムは顔を上げた。

「まだ終わってないぞ。下を向けトム」ちゅりは再び優しく小声で言いトムの肩に手をそっと置いた。

「お前自身の事は話したくないなら、しなくても構わない。ただ私等は仲間であるお前が苦しんで

いるなら助けたいし力になりたい。それは分かってくれ」

トムは机の上に置いた自分の拳を握り締めて頷いた。それを見たちゅりは軽く深呼吸して

「いま、ココに本当の頭はいるのか?」トムは一瞬戸惑ったが首を横に振った。

「分かった。そいつはマジ女の生徒でE組の奴か?」トムは頷いた。

「そいつが何を狙っているのかトムは分かるか?」トムは首を横に振った。

「分かった。ありがとうなトム。妹さんの事は私等で何とかしよう」

そう言ってちゅりはトムの手の上に自分の手を優しく置いた。

トムは涙ぐんでいるのか顔を上げられず、ちゅりの手を握り返した。



夏休みも目前に迫ったある日、センターは苛立ちながら歩いていた。

その原因は先ほど、昭和に言われた一言が心に引っ掛かっていたからである。

センターはネズミが止めるのを無視してチームフォンデュを誘ったヤリ方で

チームアンダーの面々のところに行っていた。

「夏休み明けに一緒に来てくれるだけで良いからよ」

「はあ?なんだその話・・・センター、マジで言ってんのか?」

「当たり前だろう。ラッパッパを獲るって話だぞ。マジ女にいてこれ以上のマジが他にあるか?」

「お前さーそう言ってて何とも思わないのか?」

「何ともって何だよ?」「ゲキカラさんに本当の仲間を連れて来いって言われたんだよな?」

「ああ。だからお前等を誘ってるんだよ」「おい待てよ。私等は本当の仲間って言えんのか?」

「本当かどうかは分からないけど仲間に違いないだろ?」「仲間ね~本当にそうかな?」

「仲間じゃないなら、この場で殴り倒しても良いんだけど」「それが本音か?」

「本音?」「ああ~ヤリたきゃヤレよ。私等は腐っても鯛でいたいんだよ」

昭和がそう言うとアニメとジャンボも一歩前に出てきた。

「鯛?なんだそりゃ」「さあな自分で考えろよ。言っとくけどな先代部長の優子さんだったら

センターお前ぶっ飛ばされてるぞ」

昭和がそう言うとセンターは右拳を放ったが顔面スレスレで止めてアンダーの面々に背を向けて

歩き去っていった。「くそー本当の仲間って何なんだよ。どうすれば良いんだ・・・」


つづく

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マジすか学園スピンオフ まとめ その2