もう一つのマジすか学園2 第7話番外編その2
「おいおい、お前等そんな餓鬼イジめて楽しいのか?用があるのは俺じゃないのかよ」
ヲタは少女を取り囲むヤンキー達に向かって言い放った。
言われたヤンキー達は全員振り向いて「そうだよ。お前だよ。今日は逃げんじゃねえぞ」
「はあ?逃げてねえよ。お前等ザコなんて怖くねえからな」
「ほお~言うね。ならお望み通り相手してもらおうか」「ああ~いいぜ。その前によ」
ヲタはそう言いながら少女の前に行き「俺のためにゴメンな。もう帰って良いぞ」
「でも・・・」「お前には関係無い話だ。帰れ」ヲタは少し語気を強めた。
「そうだぞ。今から私等にヤラれる姿を見せたくないからそう言ってんだ。考えてやれよ」
ヤンキーの1人がそう言うと全員が爆笑した。
「今度会ったらギター聞かせてくれよ」
ヲタは精一杯の強がりで笑顔を作り、震える手で少女の背中を押した。
少女が小走りでその場を離れた事を確認したヲタは「じゃ~やるか!うぉぉぉぉ」
叫び声を上げながら1人に突っ込んだ。
最初の1発目は運良く相手に当たったがその後は倒されて殴る蹴るのフクロにされてしまった。
自分の頭を守るかのように両手で後頭部に押さえ、体はこれ以上、縮まらないくらい
両膝を顔の前まで持っていき殴る蹴るの暴行に耐えた。
抵抗しない相手にツマらなくなったヤンキー達はヲタに唾を吐きかけ
「明日そのツラ見たら、またフクロにすっからな!」笑いながらその場を去って行った。
「何だよそれ!ソイツ等どこのモンなんだよ。くっそ~ヲタのことボコりやがって」
昔話に大歌舞伎は興奮していた。「いや・・・そんなに興奮されても」ヲタは困り顔だった。
「だってよ!ムカつくじゃんソイツ等。仕返ししてきてやるよ。どこのモンなんだよ」
興奮する大歌舞伎の肩を優しく叩き、学ランが「もう仕返しは済んでるよ。だろ?」
「ああ~倍返ししたよ・・・いや。されたかな~」ヲタは苦笑いしていた。
ヲタがフクロにあった次の日、昨日の公園の前を通りかかると少女がベンチに座っていた。
「昨日は悪かったな」ヲタが笑顔で話しかけると少女は驚いた顔で
「大丈夫ですか?」「ん?何が?」「何がって顔・・・絆創膏だらけですよ」
「ああ~これか。まあしょうがねえよ」「何で・・・逃げれば良かったやないですか」
「逃げる?」「はい。私の事なんかほっといてくれても良かったのに・・・」
「そう言う訳にはいかないだろ。そもそもお前には関係無い話だったし」
「せやけど、そんなんなるまで・・・」「って泣くなよ。まああれだ正直に言うと逃げようと
したんだよ。でも違うヤンキーに怒られた」照れくさそうにヲタが言うと
「何で怒られなあかんのですか?」「だからお前には関係無い話だろ。巻き込まれた訳だよ。
その当事者の俺が逃げようとしたんだから、そりゃ~怒られるよ」
「その怒った人は知り合いなんですか?」「いや知らない」「知らない人に怒られて喧嘩
したんですか?」「まあな。ソイツの言ってる事が正しかった。それを気付かされたから
俺も良かったよ。あのまま逃げていたら後悔してたと思う」「そやけど・・・」
「まあ~お前は俺の事を気にしなくて良いよ。元々は俺が原因なんだから。
それより関西弁しゃべれるじゃん。そっちの方が良いぞ」「茶化してますの?」
「違うって。前の事は知らないけどそっちの方がお前らしいかなって思ったよ」
「ほなそうしますわ」少女も笑顔で答えた。
「うん。そうしろ。お前って笑顔の方が数倍可愛いぞ。そう言えば名前聞いてなかったよな?」
2人が笑顔で話していると「おいおい!昨日言ったよな~そのツラ見せたらヤルぞって」
昨日のヤンキー達がヲタの背後から声をかけてきた。
(くそ~昨日の今日で・・・どうする・・・謝っちゃうか・・・)ヲタは少しビビっていた。
「まあ脅かすなよ」リーダーらしき人物がヲタと少女を交互に見た。
「まあよ私達も鬼じゃねえから抵抗しない奴を殴っても面白くねえんだよ」そう言いながら
ヲタの肩に手を回し「有り金全部寄こせよ。それで勘弁してやるよ」ニヤケながらヲタを見た。
「あっ有り金?そんなのねえよ。調べてくれれば分かるよ」「はあ?無いだと。なら痛い思い
でもするか?」「痛い思いって・・・」「じゃ~よ。その餓鬼のギターを貰おうか」
「そうだな。面倒だけど売ればソコソコになるか」「おい!餓鬼そのギター寄こせよ」
ヤンキーの1人が少女の前に立った。
「おいヤメろよ。そいつは小学生だし関係無いじゃんか・・・」
ヲタが反抗しようとするとリーダーらしき人物から殴られてしまった。
「確かに関係無いな。でも私等ヤンキーだぞ。悪者だかんな~正義の味方でも呼ぶか?」
リーダーがそう言うと全員が爆笑した。
つづく
もう一つのマジすか学園2 第7話番外編その3
もう一つのマジすか学園2 第7話
マジすか学園スピンオフ まとめ