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2016年05月10日(火)

似合う/似合わない 人生

テーマ:Weblog
ツイッターには似たようなことを呟いたんだけど、人には人によって「似合う人生」というものがあると思う。
もう少し雑に、わかりやすく伝えるなら、しっくりくる人生というか。
Suck a Stew Dryというバンドは、お客さんは0ではないけど、そもそも0だろうが10だろうが100だろうが、表に立つということ自体が、自分にとっては「似合わない人生」だなと、思う。

音楽をやっていると、色んな人に出会う。

これは僕の主観だけど、音楽をやっている人の中でも、やっぱり「信念」みたいなものがある人が強いなと思う。
誰かを救いたいとか、成功したいとか、愛されたいとか、どんなものでもいいのだけど、その「信念」みたいなものがあるかないかでは、かなり違うように思う。
残念ながら僕には、それがない。

音楽を作っていて、色々な言葉をいただけるようになった。
同時に、たくさんの違和感を抱えることになった。
「ボーカルなんだから~」「音楽をやっているからには~」と言ったバイアス(圧力のようなもの)や、
「救われました」「勇気付けられました」と言った感謝の言葉。
そういったものを向けられるたびに結局、僕にあるものは違和感ばかりだった。
僕はそもそも、歌い手として何かを伝えたいという気持ちに欠けているし、自覚も責任感も思いやりもない。
違和感の原因は、誰かに貰える期待や言葉や想いその他と、自分の人間性とのズレなのだと思った。
「貰えるだけいいだろ」という人もいるけど、「一生懸命バイトをして、やっともらえた給料が全然知らない国の知らないお金で日本では交換も使用もできないものだった」みたいな違和感である。

ある時期、曲を作るときに僕がしていたことがあった。
それは、本当は明るい内容じゃないのに、パッと聞きはそう聞こえるようにする、というものだ。
例で言うと「僕らの自分戦争」という曲がそうなっている。

あの曲は明るい曲ではない。
(これを読んでいる人がどれくらい居るのかは分からないけど、ひとまず「私は分かってたよ」みたいな人があまり現れないことを願う。)

「受け取り方は聞き手の自由だ」という考えは持っているけれども、それにしても明るく解釈されることが多すぎて、さすがに自分的にも曲として違和感を持つものになってしまった。
セルフライナーノーツみたいになってしまうけれども、「僕らの自分戦争」という曲のテーマは「怒りと無力」だ。
何に対する怒りかと言われれば、歌詞にも書いてある通りで、何かをやろうとしている(もしくはやっている)人に対して、「○○のパクりだ」とか「○○の二番煎じだ」とか、そういう言葉を何の考えもなしにぶつける人たちに対してだった。
自分が頑張って越えた壁だって、他の誰かが簡単に越えてきたものだったりして、あなたが一番にそれを始めたわけじゃない。
自分で切り開いたように見える道だって、そこを先に歩いている人なんていくらでもいるんだから、それはあなたが一番にやったことじゃない。

つまり「何にでもパクりだの何だの言うあなただって、日常的になにかのあとをついていってるんだから、あなたも何かの二番煎じだし、オリジナルなことなんてほとんどない」という歌だ。

「大多数のあなた=オリジナルじゃない」

けれども結果的にはパッと聞きを明るくしたことによって、「希望の方に向かっている」みたいに書かれたり言われたりしたことが多くて、本質というものは隠してしまったら本当に隠れてしまうんだな、ということがわかった。
それはそれで良いのだけれど、性格上言わないで居られる人間じゃないので、言いたくなってしまった…のでブログで今こうして書いている。

「8時の電車で向かわなくちゃ」という歌詞も、決して自分が向かいたいからじゃない。
「朝の電車」という「ルーチン」(繰り返される日常)の代名詞とも言える存在に、自分もまた流されるように毎日のように乗らなくてはいけないという、高校大学の頃に抱いていた嫌悪感、焦燥感を込めている。
「いつか見つけられるといいなぁ」という歌詞も、「見つけにいくぞ」という明確な意思じゃなく、他力本願というか、自分には見つけにいく力がないということを表している。
「信じなきゃってほどではないんだけど」という歌詞も、それは自分に信じる力がないからだ。

改めて、歌詞を書いておきます。
(変換は歌詞カードと違うかもしれません)

僕が身につけるモノは誰かが作った作りモノ
僕が思いつくコトも誰かが先にやったコト

捻り出せる限りのオリジナリティを武器にして
見えない敵に向かい 何度もそれを振りかざした

僕らの自分戦争 いつまで続くの
曖昧な僕を形作る物は一体何なんだ
ああ いつの間に自分なんて何処にも居なくなって
僕は何も手にできないままで
誰になりたいんだろうなぁ

僕が目指すべき道は誰かが作った通り道
僕が立ち向かう壁も誰かが先に越えた壁

精一杯見つけ出した自分史上最高の答えも
「それって何番煎じなの?」って
知らないヒトに言われていた

じゃあどうしよう

僕らの自分戦争 いつまで続くの
曖昧な僕を形作る物は一体何なんだ
ああ いつの間に自分なんて何処にも居なくなって
僕は何も手にできないままで
誰になりたいんだろうなぁ

僕らの自分戦争 いつまで続くの
曖昧な僕を形作る物は一体何なんだ
ああ いつの間に自分なんて何処にも居なくなって
でも僕は僕で僕のままで
誰になれるわけじゃないな
僕らの自分戦争 このまま続けよう
信じなきゃってほどではないんだけど
いつか見つけられるといいなぁ

8時の電車で向かわなくちゃ
8時の電車で向かわなくちゃ



こういう歌詞を書くことによって、本質が伝わる人には伝わればいいし、伝わらない人にも届いたらいい、なんて、きっと考えていた。
でもそれって、いつの間にか自分でも気づかないうちに、僕が上に書いた「似合わない人生」を送るためにやっていたことだったように思う。
「成功しなくてはいけない」とか「愛されなくてはいけない」とか、知らないうちに考えていて、自分の本質と外れていたのかもしれない。
そもそも自分はそういう人間じゃなかったのに、そういう人間になろうとしていたのだと思う。

僕はいつかきっと、ひっそりと暮らしていくのだと思います。
「夢はなんですか?」と聞かれても「とくにない」のだから。

それが僕に「似合う人生」だと思うから。




Suck a Stew Dry
篠山コウセイ
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