
若干、仕事に疲れて、
頭も回らず
映画も見ていない
なら、書くなよ・・・と言われそうだが
書かないと書かないで寂しい。
と、いうわけで
気楽な作品。
これ
見たひといるのかなあ・・。
あの傑作を連発した原恵一が
「もうクレしんでやれることは
やりきった」と
降板した後を受けて
監督したのは水島努。
とにかく
この映画
僕のプログを読んでくれているような
どちらかと言えば
古いタイプの映画ファンは
絶対に
必見ですよ。
はつきり言って
この映画、
古いタイプの映画ファンのためだけのアニメです。
街中で
おっかけっこをしていた
しんちゃんたちが
ビルとビルの間の路地の奥にある
映画館を見つける。
このシーンを観て
「うわあああ・・・」と思わない
40代以上の映画ファンはいない。
そう・・。
昔の映画館は
街にひとつ、
細い路地の奥に突然、
現れたのだ。
そこには
映画ののぼりやポスターや旗があった
異様な色彩だった。
僕は
いまでもなぜか
夢に見る映画館は、
この手の街の映画館だ。
その映画館では
不可解な映画がかかっていて、
それを観た人々は
その映画の世界に取り込まれてしまう・・。
そこは
完全に西部劇世界。
西部の世界ではなく
西部劇映画・・の世界なのだ。
当然、
支配者がいる。
みんながそいつの言いなりになっている。
そして
なぜか
時間が止まっている。
しんちゃんたちより
先に来た仲間たちも
完全にその世界の住人になっていく、
かっての世界の記憶が消えている。
風間くんにいたっては
いつものように声をかけるしんちゃんの
腹に一発くらわせる・・という暴力保安官
唯一の
味方はボーちゃん。
そして
映画マニアのマイク(笑)
あからさまに誰がモデルかはわかる。
本人に許可は取っていなかったが、
公開の後に快諾してもらったそうだ。



悪のロボットとの最終対決のときに
このマイクが
助っ人に連れてくるのが
七人組のガンマン。
モロに「荒野の七人」の役者キャラだが
驚いたことに
うれしいことに
吹き替えている声優たちも
モロ
「荒野の七人」と同じなのだ。
こんなん
喜ぶの映画ファンのなかでも
ほんの一部だ。
それ以外にも
とてもじゃないが、
普通のひとに、いや普通の映画ファンにすら
理解しにくいパロディが満載。
それでありながら
娯楽として一級である・・という
もうクレしんが、
脈々と作り上げてきた
世界観がそのまま踏襲されている。
しかし・・しかしだ
いかんせん
扱った題材がマニアック過ぎた。
とにかく
日本では西部劇映画は入らない。
これはもう常識。
この映画も
興行的には成功せず
再びの
水島監督のクレしん映画への登板はなく
名作を生み続けたクレしん映画は
ここで
終わりをつげた。
悪いけど
いまのクレヨンしんちゃん映画は
見る気も起きない。
とにかく
映画ファン、特にマニアックなオールドファン大必見のアニメだよ。
ほんと!!