182 「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦」 最初のタイトルは「青空侍」 | ササポンのブログ

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最初から文句いっちゃなんだけど、
この映画の実写化ってどうなのよ・・・。


この映画のストーリー、
実際には
よくあるパターンだよ。

要するに
「戦国自衛隊」に
戦国悲恋を絡めたわけで、
その手の時代劇なんか
もう腐るほどあるわけで・・・。

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その世界で
しんちゃんはじめとする
野原一家が活躍するからいいわけで・・。

なんていうのか
ハリウッドも日本も、
安直なリメイク・ラッシュだなあ・・。

そんなん観るんだったら
BSで、昼間にやってる昔の時代劇、
観たほうがいいよ。

あ~あ、昔はよかった。

と、いうわけで
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦、です。

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わ~い、わ~い、
ガッキ-だあああい!!

・・・・・。


ある夜、
野原一家は全員そろって
時代劇に出てくるような格好をした綺麗な"おねいさん"の夢を見る。
次の日、
しんのすけが幼稚園から帰ると、
シロが庭を掘り返していた。

その穴から見つけた文箱の中には、
「おらてんしょうにねんにいる」と読める汚い字と
ぶりぶりざえもんの絵が描かれた手紙が。
埋めた覚えはないのに… と訝しがるしんのすけだが、
「おひめさまはちょーびじん」という一文を見て朝の夢を思い出し、
"おねいさん"に思いを馳せながら目を閉じる…。

ウィキさんより
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綺麗なおねいさんの寂しそうな顔に
心魅かれた
表面はスケベ
内面は純情な、女好きのしんちゃん
おねいちゃん、廉姫(れんひめ)のいる天正二年に
念力だけでタイムスリップしてしまった。


そこにいたのが
井尻又兵衛由俊(いじり またべえ よしとし) 。

しんちゃんから「オマタのおじさん」と呼ばれたこの男、
敵からは鬼の井尻と呼ばる豪傑。

ただ
空を眺めるのが好きで「青空侍」とも呼ばれていた。

そして
当然の如く
心密かに、廉姫を思っているし
廉姫も・・。

しかし
身分の違うふたりが結ばれることはない。

この辺のストーリーに
新鮮味などまるでない。
もう本当に、見事なまでに
よくあるパターン。

もちろん
それは
脚本、監督の原恵一もよくわかっていた。

では
この映画において才人、原恵一はなにをやりたかったのか?

それは
ちゃんと時代劇をやりたかったのだ。

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竹の束で作られた矢弾防ぎの盾が、
遠距離からの鉄砲の弾ははじき返すが、近距離から撃たれると貫通してしまう

火縄銃を乱射するのではなく、
鉄砲隊として班列をなして合図とともに射撃し、
新たな弾を打つ準備をする間は護衛の弓衆が護る


投石による攻撃


騎馬隊の奇襲を防ぐための槍衾としての槍の使用、槍による合戦


兵のランクによる、武器の所持の違い


このアニメには
最近では、
実写映画や大河ドラマでさえも
あまり見られないような綿密な描写がなされている。
また、戦場での白兵戦も単なるチャンバラではなく、総合的な組討術の所作が考証されている。
ウィキさんより


つまりは
原監督は、昔、日本で大量に湯水の如く作られていた
時代劇をやりたかったのだ。

それは
しんちゃんという縛り
アニメという縛りがあっても出来ることを
証明したかったのだ。


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この映画の工夫はまだある。

戦国時代の人間が
現代人の野原家を受け入れる過程を
不自然ではない形にするには
どうしたらいいのか?

それを不自然にしたら
ただの出来の悪い、
最近の実写時代劇になってしまう。

そこで持ち出したのが
食い物である。
カレーである。

この至極、うまいカレーを差し出すことで
完全に相手を信用させてしまった。

このカレーという選択が
また見事であります。

その時代になく、
それでいながら
その時代に食べてもおいしいもの。

これを考え付くのはなかなか難しい。
原監督、やはり只者ではない。

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タイムスリップの理由や
戦場における近代殺人マシーン、車の活用は
「戦国自衛隊」である。

ただ
格闘における、健康器具(あのびょんびょんうねるやつ、名前、知らない)の活躍は
痛快至極である。



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どうしても
最近は
アニメを例に挙げて
実写映画をけなすというパターンが多い。

最近、
元気で出来のいい日本映画が多い・・と。
客も入っている・・と。

確かに
僕は、
そんなに観ていないので大きなことは言えないが
たまに見ると
なんか
ひどく雑に見えてしまう。

上戸彩の「おっにょれええええ!!」の気の抜けた叫び声とともに
繰り出される、へたくそな殺陣による大量殺りくを観るにつけて
もういいや・・日本の実写時代劇映画・・と思ってしまう。

そして
挙句に、
このアニメの実写化である。

丁寧に作ってください。
ちゃんと誠実に作ってください。
じゃないと、
時代劇の世界観というのは
崩れてしまいます。

原監督ほどちゃんとやれとはいいません。
所詮、
才能というか、センスが違い過ぎるわけだから・・。

ただ
このアニメを辱めるようなモノだけは作らないでください。

僕は、
絶対に観ませんけど・・・。




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