181 「うる星やつらビューティフル・ドリーマー」 共同幻想が、幻滅と変わる時・・・ | ササポンのブログ

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映画、音楽、アニメにドラマ
そしてサントラなブログ
ひとを観ていないものを観ます

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劇場版、一作目で感性の違う原作者が
気にいるうる星を作らされた押井守が
同時上映の実写映画
「ショベンライダー」のあまりの自由奔放なメチャクチャさに
ショックを受けて、
怒り狂った末に作り上げた劇場二作目

時間ギリギリまで混迷した現場を
逆に利用して
脚本とは
まるで違う、この映画の絵コンテを提出。
唖然とするプロデューサー。

しかし
タイムリミットゆえに
プロデューサーは拒絶できず
そのまま製作に入ったという。

それゆえに
押井印が100%凝縮された傑作となった。


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この映画も
様々なところで語られて
様々な見方がなされている。

特に
僕らの世代、その前後の世代
この映画が封切られたときに
一番感受性豊かな時期を過ごした

特に
オタクな男が
この映画を語りだすと
正直
普通の人には
うざい。

小理屈をこねくり回す
簡単に言えばいいのに
自分のことを賢く思慮深いと思わせたいがゆえに
難しく言ってしまう。

まるで
ウンチク番組における
某お笑い監督、シナガワ先生のような
嫌さ加減が炸裂する。

なぜそうなるかと言えば
押井監督自体が
そういう人であり、
作る映画も
そういう映画だからだ。


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それなら僕がそういうことはしないで
いつものように
なるべく簡素な言葉で
時には
脱線したりしながら
読んでいる人が
観たくなるように
その映画の素敵なところを書くのか?

書きまへん。

ま、頭が悪いので
難しい単語は並べませんが
うざい
小理屈的な文化論になることは
確かです。

気づいていますか?

ここまでの文章自体が
回りくどくて
うざいでしよう。

とても
品川ってるでしょ?


一応、
この文章は思い切りネタバレします。
ペタしてね


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なにゆえに
この映画がそれほどまでに
熱狂的に支持されているかと言えば
映画自体のおもしろさも
もちろんあるが

この映画の世界観がもろに
オタク人間肯定
内向的現実逃避人間肯定の
世界観だからだ。

物語は
シンプルである。

文化祭前日という一日から
抜け出せなくなり
右往左往する
登場人物たち。


この物語の世界観は
SF小説の「狂った宇宙」パターンである。

いま、そこにいる世界が
誰かの
インナースペース、妄想である・・。

つまり彼らがいる文化祭前日という世界観が
ビューティフルなひと
つまり
ラムのドリーム、夢であるというオチ。

これ自体は、またそれほど
斬新ではない。

それこそ
SFの世界ではよくあるパターンである。

ただこれを見事なエンターティメントとして
仕立て上げた、その力量に
普段、アニメなんて・・・とバカにしている連中までもを
驚愕されたのだ。

この映画を観たSF好きな友だちが
「途中で、一体、なにが始まるんだ・・と思いながら観た」という
感想を漏らすほど、
そこにはいまではいささか、乱発気味となった
濃密でマニアックなSF世界が展開されていた。
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昔話『浦島太郎』で竜宮城に行ったのが一人ではなく村人全員だったら?
そして何十年後に帰ってきたとしても、
誰一人としてそれに気付かなければ「過去」という概念は存在しないのでは?

さて、
僕が
この映画に熱狂した最大の理由は
文化祭前日という設定である。

一度でも
あの文化祭前日の興奮を経験した人間なら
この日々が
永遠に続けばいいという思いは
よくわかると思う。

あれは
完全なる非現実である。
学校という空間に
同級生たちが
寝泊まりしながら
模擬喫茶店という非現実に遊ぶ。

これだけでもうすでに
ワクワクしてしまう。

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しかし
楽しい時間も、
それが永遠にリバースされれば
悪夢に変わる。


ディズニーの短編アニメで
永遠に同じクリスマスの日々が繰り返されるというのがあったが
これも
最後には悪夢のような世界になっていく。

もちろん
どちらの登場人物たちも
その世界から脱出しようとするのだが
うる星の場合だと
脱出する理由があまりはっきりしない。

この世界をラムのために作り上げた夢邪鬼(むじゃき)に対する嫉妬から
その世界を破壊した・・ということなら
明快であるが
それをはっきりとは見せていない。

ただもう
勢いと、やけくそで
現実に戻ってしまった。

ラストをなんとなく恋愛ぽくごまかしているが
自分たちの楽しい時間を壊して
現実に戻った理由は明らかにされない。

それどころか
ラストも実は現実ではないかも・・という暗示をしている。


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つまりは
現実に帰還セリ!!と叫びながら
現実に戻ってはいないのだ。

つまりは
押井守も、
またそれをいまでも支持する人間は
いまだに
文化祭前日の模擬純喫茶から
帰ろうとはしないのだ。



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無造作に食料が提供されるコンビニ。
あたるの家にだけに提供される電気、水道。

そこに気の合う仲間たちだけで寝泊まりする。

それをリアルに描けば
徐々に悪夢になっていくのは必然。

それは
現実という必然。

そして
押井守も、それを支持する人々も
そんなことはわかっている。

わかっていながら
あえて
そこから抜け出そうとしない。
ビューティフルな夢の中にいたい。

これに共感するか
甘えと感じるかは
それぞれの判断にある。





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この映画とPerfume現象を重ねていた文章があった。
アイドルを好きになるという行為は
もう明らかに
文化祭前日の中にいたいという願望に他ならない。

だから
今回ののっちの恋愛報道は明らかに
一部の熱狂的なファンにとっては
あたるが吹き鳴らした進軍ラッパだったのだ。

「いざ、現実に帰還セリ!!!」と叫びながら
吹き鳴らした進軍ラッパ

そして
夢を食べる豚のお尻のマーチャンライティングは消え、
文化祭前日という共同幻想は
豚によって食われてしまうのだ。

それでも、
まだ彼らは
他の文化祭前日に逃げるのか
それとも
くそもつまらない現実に戻って
普通の人のように
Perfume世界を楽しむのか・・。

正直
無責任かもしれないが
とても
おもしろげに僕は観ている。

共同幻想が、幻滅と変わる時・・・
君は限りなく自閉していくのか?







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