173 「投名状 (邦題 ウォーロード)」  弐 安心上路! | ササポンのブログ

ササポンのブログ

映画、音楽、アニメにドラマ
そしてサントラなブログ
ひとを観ていないものを観ます

ササポンのブログ
この映画のレビューを読むと
人物の造形が浅いとか
描き込み不足とか言う
批判があった。
・・・・・。
ふぅ・・・。
だいじようぶですよ。
今日は
穏やかに行きますからね。

あのね・・
こういう戦争や戦闘、闘争を中心とした映画というのは
まったるい人間描写というのは
邪魔なんです。
よくある家族のエピソードとかそういうやつね・・。

じゃ、どうやって
その人物の描写をやるかと言えば
もう行動以外ないわけです。

位が高ければ命令によって
兵隊なら
戦場でどんな動きをしたかによって
その人間の性格を表現するわけです。

これが
歴史戦国映画の基本であります。

なんか
最近の日本の観客は
ちゃんとセリフでしゃべってくれないと
その人物の性格がわからないみたいですね。

その人物の行動も、
その人間のそれまでの歴史や性格の表現であることを知ってほしいと思います。

さて、ここから
物語の本筋。

ここからは、
観てから読んでください。

ペタしてね

ササポンのブログ


ジェットリー演じるパンと
義兄弟の契りを結んだ
アンディラウ演じるアルフ

パンが軍人として
盗賊上がりのアルフに対して
軍人として生き抜く術を教える。

それは
時には
人間としての信義に外れるようなこともある。

それに対して
激しく反発するアルフ。

そんなふたりの間に入って
「まあまあ」となだめたり
「こっちのほうが正しい」
と判定するのがこのひと


ササポンのブログ


金城武演じるウーヤン。
この3人の関係は
よくあるパターンで、
個性的な二人の間に
観察者的なひとりをいれて
観客にその対立をわかりやすくする。

「プラトゥーン」もこのパターンだ。

そういう意味では
ウーヤンの役は
中立であって
無個性に見えるが実はそうではない。

このウーヤンが、
ふたりの男を観て、
その男たちのどこに賛同して
どこに反発するか・・。

それが
この映画での監督の意思です。

この監督が
観客に対してなにを訴えたいか・・。

それがこのウーヤンの視線によって観客に語られる。

そして
そのあまりにも残酷なパンの決断が
ウーヤンの怒りとなり、

そして
兄弟を殺めた兄弟は、必ずこれを殺すこと

パンとウーヤンの対決は、
この映画のクライマックスふさわしい名シーンです。

ボコボコにやられるウーヤン。
しかし
立ち向かっていく姿・・。

辛さに顔をゆがめながら
確実にウーヤンを叩きのめすパン・・。

とても、とても痛い・・・
身体も、心も痛い、格闘です。






ササポンのブログ
ササポンのブログ


しかし
さらにこの物語に複雑な心理を持ち込んでいるのが
シュー・ジンレイ演じるリィエンだ。

こういってはなんだが
やはり
恋愛描写に関しては
ジョンウーと比べて
ピーター・チャン、一枚も二枚も上手(うわて)である。

「レッドクリフ」のリン・チーリン演じる小喬と比べると
はるかにリィエンは、現世に生きる女である。

容姿的にリン・チーリンには劣るシュー・ジンレイが
どんどん美しくなっていくさまは
やはり女として
生きていくその逞しさゆえであろう。

このリィエンが
生きていくために
パンとアルフを量りにかけるさまは
残酷だが
それまでの彼女の人生も見えて
悲しい・・。

ササポンのブログ


この映画には
いわゆる遊びとか無駄はありません。

ひとつのセリフ、
ひとつの仕種、
すべてに意味があり、
すべてに感情があります。

それを読み取ることが
この映画を何度でも見る楽しみです。

もしDVDが発売されたら
また感想を書くと思います。
しかし
オリジナルバージョンが観たい・・



ササポンのブログ
ササポンのブログ
ササポンのブログ
ササポンのブログ
ササポンのブログ