夢と愛のブロードウェイで、
ヒット作を連発していたスティーヴン・ソンドハイムが、
そのワンパターンの世界観に、
反発するように作り出した悪夢世界を、
「ビックフィッシュ」「チャーリーとチョコレート工場」で、
ヒットメーカーに返り咲いたティムバートンが映画化。
アメリカの二大エンタメ世界で、
権力を手にいれたふたりの才人が、
その内なる毒のマグマをぶちまけた!!・・としか言いようのない、
もう血糊血糊の悪夢ミュージカル。
とにかくもう、
どろどろ、びゅーぴゅー、
血が出るわ出るわ、
その血を浴びながら、
デップが、歌いあげるソンドハイムの楽曲が、
もうすばらしい。
夢と愛を表現するために使われていた作曲テクで、
血の悪夢を華麗に表現する。
これをもうゲラゲラ笑いながら、
映画に仕立て上げるティムバートン。
とにかくやりたい放題、血撒き放題。
血の紅を美しく見せるために、
周りの風景から、極端に色を抜き、
くすんだ色にするという徹底ぶり。
復讐のむなしさとか、
人間の罪深さとか、
そんな物語のテーマなどどうでもいいんです。
この映画、
賛否両論というよりは
否定する人のほうが多い。
「猿の惑星」以上のバートン映画の失敗作と
言いきった人もいる。
いままで、
執拗に
バートン映画の評を書いてきた
僕にとっては
この映画こそが
バートン映画・・と言い切って・・いいのかい?
いいんです。
このなあーーーんにもない
ただの血糊びゅーびゅーこそが
バートン映画なんです。
喉を切られて血がびゅーびゅー、
その死体を地下に落として、
首がもげっ・・。
そしてデップが
愛妻ヘレナが、
アランリックマンが、歌いあげる。
つまりこれは、趣味の悪いスプラッタ映画なんです。
その趣味の悪さこそが、ティムバートンの本当の姿なんです。
この映画に関して
ストーリーの分析とか
人間における復讐の意味とか
どーーーたら、かーーーたらとか
分析すること自体が☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
とても
意味がない。
血まみれのデップが
世界最高峰のミュージカルコンビが作り上げた
楽曲を歌い上げる。
その風景が
美しい・・・。
神々しい・・。
キャアーーーーー
デップさまあああ、ギザウルワシイイですうううWWWWW
それだけです。
血の赤というのは
なぜか
人々の心を怪しく疼かせます。
血が赤なのは
どうしてでしようか?
赤が官能的なのは
それが
血の色だからです。
そして
それは
命の色です。
死の色です。
それを画面一杯にまき散らして
悦に入る・・。
バートン、もう完璧な変態です。
それも趣味の悪い変態です。
ティムバートンや、アルモドバル、デビッドリンチ、そしてランスちゃん。
いずれもみんな趣味の悪い変態です。
映画がなければ、
恐らく変態性欲が暴走の末に、
施設行きでしよう。
ところが、これを映画は、芸術にしてしまうのです。
どばとば血飛沫が、美しいのです。
まあ、この変態風景を、
喜んで、
げらげら笑いながら見ている僕も、
やはり変態なのです。
さあ、みんな趣味の悪い変態たちの悪夢に酔ってしまおう
ちなみに趣味の悪い変態の親分は、
ロマンポランスキーです。
なんせポランちゃんは
私生活がスウィーニートッドですから。