112  「ゾンビ」 これはホラー映画じゃないのかもしれない・・ | ササポンのブログ

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迎春ゾンビ祭り!!  


ゾンビの家元の登場であります。
それにしても
新年から
ゾンビの画像なんて検索するもんじゃないな・・
汚いわ、
死んでるわ
引き裂いてるわ
こんなもんまで出てくる。
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LDで観たことあるひとなら知っているかもしれませんが
ゾンビ別にチャプターが入っていて
これは「坊さんゾンビ」だったかな・・
あと看護婦ゾンビとか
お医者さんゾンビがありました。

とりあえず
この映画評は、
汚い、残酷な画像がありますので
苦手な人は
ご注意を・・。
まあ、かなり抑え気味ですが・・
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冒頭から
乱暴な所見を言わせてもらうが
ロメロというひとは
アクションとか
ホラーなシーンの演出が
あまりうまいひとではない。

最近では
それなりに標準点までいっているが
この映画の頃は
もう完全に
自主映画並みのである。

どれだけ
低予算でも
ホラーやアクション演出は
出来るし、
才能があるひとは
たとえ8ミリ映画でも光っている。

石井總互の8ミリ版「高校大パニック」や
ウェスクレーヴン「鮮血の美学」
サムライミの「死霊のはらわた」
スピルバーグ「激突!」などなど
とにかく
ホラーやアクションは
構図、カッティング、そして間によって
どれだけでも増幅させられるもので
製作費などは関係ない。

それらの諸作品と比べても
この「ゾンビ」というのは
どこか
ほのぼのとは言わないが
のんびりしている。
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この映画で提示され
ゾンビという化け物の雛型となった
あのとぼとぼとした歩き・・
両手を前に出して
ヨロヨロとする姿は
あまりにものんびりしている。

暴走族たちに殴り倒されようと
蹴り倒されようと
ただのろのろと歩いているだけ・・・

とてもじゃないが
怖がらせようという演出ではない。

僕が
アクション演出がうまくないと言った
根拠に
このゾンビをライフルや拳銃で撃ち殺すシーンがある。

擬音で表現すると
パアアン、ぱたん
パアアン、ぱたん
なのだ。

画面に向かって拳銃を構える。
のろのろ、ゾンビ
パアアアん
パタンとゾンビが倒れる。

ほとんど
夜店の射的である。

こんな演出、
自主映画の素人でもやらない。
せめて
銃を構えるところぐらい
もっとかっこよく迫力で撮る。

ところが
この映画のロメロは真正面からなんの工夫もなしに撮る。
これだけなら
この映画は凡庸なC級映画になったかもしれない・・。
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なにゆえに
この映画が熱狂的なファンを生み
何度もリスペクトされ
ゾンビ映画の、
いや
ホラー映画のクラッシックとなったか・・。

それもやはり
あのゾンビののろのろ動きにあったのだ。

のろのろ動くから
生きている人間は
次第に油断してしまう。

ほとんど標的のように撃ち殺せるので
油断してしまう。

ところが
その油断の間に
彼らはなぜか集まってくる。

あっという間に
集団になってしまう。
集まってぽああああ・・とくる。

このゾンビが集まってくる
いつの間にか・・が怖いのだ。
集まってくる過程のシーンを表現していないので
いつの間にか
ばああああああ・・とくるのだ。
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これがまた新鮮に怖い。
足の速い奴等が
ドドドドドと来るのもそれなりだが
のろのろとしたやつが
いつの間にか
集まってばああああ・・と来ると
なんか新鮮な怖さがある。

そして
さらに
こいつらが
のろのろの死んだやつのくせに
手の力と
顎の力が異常に強い。
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まわりに恋人とか家族がいないことを確認してから
是非、やってほしいことがあります。
自分の手が噛んでみてください。
痛いというぐらい噛んでください。

かなり力を入れても
皮膚はなんともないでしょ?
当たり前です・・。

ところが
このゾンビのやつらひと噛みで
肉ごとごっそり噛み切ってしまう。
はつきり言って
とてつもない顎の力である。

そして
その手で
腹の肉をも引き裂いてしまう。

異常な力です。

これらはみんなこのひとのせいでしよう。
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特殊メイクのトム・サビーニ。
このひとのあまりに過激で極端なメイクのせいで
のろのろ、よろよろの死にぞこないたちが
鉄の顎と、
黄金の腕を持つ
食人マシーンに変わってしまったのだ。

ロメロの演出による
のんびりと
サビーニのメイクによる
がぶりぐちょぐちょ・・によって
この映画は異様なテンションとなった。
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この映画の前作、モノクロの「ナイトオブザリビングデット」ほどじゃないが
ロメロの持つ社会的なメッセージも含みつつ
ただやはり
観ている人は
なんともいえない異様なテンションに釘付けとなってしまう。

ロメロは
キングの原作の映画化「ダークハーフ」で
えらくホラー演出がうまくなっていた。

ところが
そのうまさは
他の映画監督をぶちぬくような
うまさではなかった。

ホラー演出の天才
ウェスクレーブンなんかと比べると
やはり
それほどでもない・・・となってしまう。


もしかしたら
これは前から考えていたことだけど、
この映画や「ナイトオブザリビングデッド」は
ホラーじゃないのかもしれない。

なら、
なんなのか・・と問われると
これはもう
ロメロの映画としか言いようがない。
逃げているように聞こえるかもしれないが
どうしてもホラーに観えないのだから仕方がない・・。

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ところで
蛇足だが
あのアメリカバージョンのラストで流れる
間抜けな曲はなんだ!!
僕は
あんなに間抜けな曲は聞いたことがないぞ!!

間抜けにもほどがある!!
スーパーでも流れていたので
スーパーで流れるような曲として作ったのだろうが
あんな間抜けな曲スーパーでも流さんぞ!!

ska-n-tasticさんのサントラ評によると
このジャケのCDに入っているらしい。

しかし
あの間抜けさは度が過ぎる。

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