阿者言無,鼻者名間,為無時間,為無空間,為無量受業報之界
「悲しいから憎むのか
憎むから悲しいのか」
なかなかの名コピーであります。
パート1の前日談であるところのパートⅡ。
脚本がよくできていたという評が多いが、それは前作の縛りがあっての、この作品ということで、独立した脚本としてみれば、やはり前作よりは劣るのは仕方ない。物語の骨格はほぼ「ゴッドファーザー」だ。
と、言っても、他の映画と比べれば、抜群におもしろいことに変わりない。
ストーリーは、前作の主人公であるところのこのふたりの若き頃の話である。
それにしても、香港映画の強引さにはびっくりする。
いくら若き頃とはいえ、まったく別の、ほとんど似てない俳優を、若き頃として使うとは・・。
無名でもいいから、もうちょっと似てる役者使えばいいのに。
まあ、「男たちの挽歌」の続編で、死んだチョーユンファーの兄弟としてまたチョーユンファーが出てきたのよりはましですが・・。
ただこのⅡのメインは、若い二人ではなく、
ウォン警部を演じるアンソニー・ウォンと、
マフィアのボス、サム役のエリック・ツァンである。
この中年のおっちゃん、ふたりがいかにして、
憎しみ合うようになったかという話。
この映画の冒頭で、
ウォン警部は、サムにお前がボスになればいいと
言います。
それに対して「器じゃない」と笑い飛ばすサム。
しかし、運命は止まることなく、無間地獄に突入。
サムの女で美人さんに、若き日のアンディ、エディソンくんがそそのかされて、現在のボスを暗殺。
エディソンくん、やっぱり女に弱い。女でしくじる()
そんな時に
出てまいりますのが、このひと
このひとの名は、フランシス・ン!!!
思わず、最後に力が入ってしまう、一度聴いたら、忘れても言える名前
フランシス・ン!!!
とにかく、この映画の彼は、かっこいい。
素敵!!!
もう彼が出てきただけで、
画面全体がかっこよくなる。
死んだ自分の父親を思い、食堂で、
酒を掲げる彼は、もうかっこいい。
このひとがこんなに眼鏡が似合うとは思わなかった。
物語は、この三人の憎しみの過程を追う。
元々は
心優しいサムが、生き残るために、非情になっていくさま。
ウォン警部が、
それに対して
本気で、憎悪していくさま。
若い二人は、
そんな憎悪の渦の中に、どんどんと巻き込まれていく。
この映画の唯一の欠点というか、監督の計算違いは、
ンさんだろう。
ンさん、演じるところのマフィアの跡目が、
もうやたらに魅力的で、
完全に物語を支配してしまう。
とてもじゃないが、
若い二人では太刀打ちできない。
香港映画界というのは、
かっこいい中年俳優が
たくさんいる。
また、そういうひとたちが、
嬉々として色々な役をやるので芸の幅が広い。
とにかく、このⅡに関しては、ンさんの魅力に尽きる・・ということです。
恒例のおまけ画像
これもンさん。