23 「アクシデンタルツーリスト(邦題 偶然の旅行者)」 悲しみの底から見つけ出す希望 | ササポンのブログ

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この映画の、画像は、邦題で検索してもほとんどなかった。DVDのジャケ写真ぐらいだ。ほとんどの画像が、原題での検索して習得した。
つまり日本ではほとんど話題にならなかった映画ということだ




原作は、アンタイラーの「アクシデンタルツーリスト」
翻訳も出ていて、僕は映画を観る前に読んだが、これが無類のおもしろさ。近年読んだおもしろい小説のベスト3にはいる。






この小説の主人公は、「アクシデンタルツーリスト」という旅行ガイドを書いている。
このガイドというのが、もう旅行好きには、信じられないような代物。
つまり会社の出張などで、いきなり、どうしても旅行しなくてはならなくなったひと(こんなひとをアクシデンタルツーリストと呼ぶ)が、旅行先でも家にいるのと似た環境でいられるには、どんなものを用意して、どこに泊まればいいのかということが書かれている。




ウィリアムハートが演じる、この男、こんな本を書くぐらいだから、変わっている。広い家でひとりぐらし。とにかくすべてのことを合理的にやらなければ気が済まない。家事から洗濯まですべて合理的にする方法を考えては、悦にいっている。



そんな彼の別居中の妻を演じるのが、キャスリンターナー。しっかりもので、仕事もできる。頭もいい。ただふたりは、ある悲しいアクシデントによって感情的なズレを感じてしまう。

妻は、夫である主人公の悲しみ方が、信じられないという。
あまりにもひどい・・と。
ただ彼は、人それぞれの悲しみたちがあるんだよと・・。

主人公が、もう一人で会うのが、これがまた強烈な女性、
彼女のまわりには、アクシデントの雨あられ、しかしそれをポジティブパワーで対処していく。主人公は、彼女に、どうしようもないバカ犬を調教してもらうが、その訓練の仕方が凄い。犬好きなら卒倒しそうなほど凄い。





彼女を演じるのが、ジーナディビス。適役というか、はまり役というか、しっかりアカデミー賞を取りましたが、それも当然。とてもじゃないが、こんな変だけど愛らしい女性は、ジーナにしか演じられません






そして、彼女の息子がまたアクシデント。呼吸するのも苦しく、食べるものも、制限されているような子。この最大でアクシデントな息子を、ジーナは最高に愛している。

やがて主人公も、そんなアクシデントな親子を愛するようになっていく・・






アクシデントがあるから、人生は楽しい
アクシデントがあるから人生は悲しい。
アクシデントに対処するにはどうしたらいいのか?

それをこの映画は静かに、淡々と、伝えます




この映画の音楽は、ジョンウィリアムス。
本当に、きれいな音楽です。メロディメーカーとしての彼の才能が十二分に、発揮された、見事な音楽です。もし彼のファンで聴いたことがないひとは、絶対にお勧めです。特にメインテーマは、悲しみの底から見つけ出す希望・・というこの映画の雰囲気にぴったりです。