すずきさんはわたしに、


「紗羅は、本当にとてもいい子で、とても優しい子なのを、俺は一番よく知ってるよ。ちょっと気分のむらが激しいし、怖いときもありますが。紗羅といると、自分までいい人間になれそうな気もするんです。」


といった。


すずきさんは、、、いつもわたしのことを、いい子だ、とか、とても優しい子なんだ、とか、いう。


わたしはいい子でも優しい子でもないし、というかむしろその真逆では?と思うのだけれど、

すずきさんはいつも、そう言ってくれる。


どうしたら許してくれる、今までどおりに笑ってくれる?とすずきさんはわたしに訊いた。


わたし「すずきさんわたしね、子のことが未だにつらいんです。街中で子どもをみてもつらい。一日に何回も考えてしまう。この半年近くずっとそうなの。それにすずきさんがわたしの子にいった言葉は未だに許せません」


すずき「はい・・・」


わたし「わたしの子が、あなたにひどいことを言われて、結果的にわたしが選んだとはいえ、今生きていないのに、あなたの前妻の子、、同じくあなたの子が、生きてそのへんを歩き回っているというのは、わたしにとっては許しがたい事実なの。あなたは、そんなの前からわかってたじゃないかとか、あれこれいうだろうし、倫理的な話とか、それがいいとか悪いとかは、別にしてね。。。」


すずき「はい・・・」


わたし「本当に、おぞましいの。薄気味悪い、事実なの。わたしには耐え難いの。正直何度も心の中では死を祈ってるよ。生理的にいやなの。でもだからといって、手を下すのは、有り得ないのよ。わたしはまだ、犯罪者にはなりたくないの。でも考えるだけなら、自由だもんね。」


すずき「はい・・・」


わたし「すずきさん、わたしがまさかここまで考えてるなんてって思ってるでしょう??ずーっと、考えてたよ。消えてくれないかなーって。もし消えてくれたら、すずきさんとわたしは、ずっとたのしく、笑って暮らせるような気がするんだもの。願うだけなら自由でしょう。何度もいうけど、これが人としてどうなのかって議論は、また別よ。でもこれがわたしの正直な本心なんだよ。でも。。。現実的に手を下せないなら、どうしたらいいと思う?」


すずき「どうしたらいいのかな??何かお前の心の傷が埋まるような・・。何か、代替案があれば、いいんだけど。」


わたし「たぶんね、わたしが無事に子どもを産んで、その子をすずきさんが前妻の子よりもかわいがって、手間も愛情も時間もお金もかけまくって育てて、いつくしんでいるさまをみれば、そうしたらわたしは癒されるかもしれないわね、でもそれには時間がかかりすぎるし、そこまでわたしの精神が持つかどうか、疑問だわね。」


すずきさんは、何か代わる方法がないかどうか、考えてみたいと思う。といった。