ファンブック等の扱いに関して | ばんぶーのブログ

ファンブック等の扱いに関して

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過去の記事でも、「ハンターズガイド等は、解釈の根拠に使わない」という事はところどころで書いていたんですが、それを書いたのがブログの初期も初期なので、改めてその理由に触れる。


端的に理由を言ってしまうと、ファンブック等の情報は怪しくねーか、ってことです。


ご存じハンターズガイドを始め、ハンタ総集編(Treasure)リミックス(幽遊白書)など、色々なところで"原作未出"の情報を掲載するものがある。


ハンターズガイドで言えば、念系統など。

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ノブナガが"強化系能力者"とされた走りである。

原作を普通に読めば、ノブナガは少なくとも"強化系"ではない。


ハンタ総集編(Treasure)でも同様に、登場キャラクターの―必ずしも作中で明らかになっていない―念系統を明示している。

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他になかった情報で言えば、「カストロ=具現化系能力者」ということだろうか。

カストロの念系統は必ずしも明らかにはなってはいないが、ウイングの所見によれば"強化系"である。

作中での"心源流拳法・師範代の説明"とその流れを汲めば、「カストロ=強化系能力者」とするのが妥当ではなかろうか。


リミックス(幽遊白書)では、

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(ジャンプリミックス 幽遊白書其之八 魔界の扉編②より)

「ネテロ=強化系能力者」だとか、

精神力、戦闘技術、身体能力、念能力、奇抜さ、知力の6つの要素を5段階で評価した各キャラデータが掲載している。


―さて、簡単にファンブック関連の状況を追ったが、果たしてどのように作っているのか。

ハンターズガイドでは樹想社という編集プロダクションから14人も参加している様なので、その関わりが少ないとも思えないが、部外者(読者)視点ではどの部分を担当しているのかどの程度参加しているのかは結局のところわからない。


個人的には「作中の描写を元に勝手に補完しちゃってるところ多いんじゃないの」とは思うものの、仮に「編集部から拝借した資料」を元に作っているとしようか。


そこで最大の疑問。その資料はどの段階のものなのか。

1から100まで決めて週刊連載を始める人なんてそうそう居ないわけで―藤巻対談でも触れていたように―普通、一次的に「大まかに決め」二次的に「(具体的な展開を考えながら)肉付け」する。


幻影旅団という敵キャラを大まかに考えた時のノブナガは、「幻影旅団の特攻隊員」程度にしか決められておらず、「特攻隊員=強化系(仮)」程度のものだったのではなかろうか。


つまり、もしハンターズガイド等が「編集部から拝借した資料」を元に作られているとしても、そのデータは相当初期の物のように思われる。

作中描写(=作者の検討の結果)から言えば、ノブナガは明らかに強化系能力者ではないからだ。


続いて、リミックスで掲載されているようなデータ(数値)関連。

データ(数値)というと、それだけで客観的なものに感じてしまうが必ずしもそうではない。

どのように算出したのか、何を基にしているのか、それが大切であって何の検討もなしにその数値を信用できるハズもない。


そもそも作者の検討(肉付け)前の大枠の設定にしても、あまりに抽象的過ぎる上、色々おかしい。

特に違和感を覚えたのが"奇抜さ"だ。

何をもって測っているのかイマイチわからないのだが、ピトーやプフやコムギが5(MAX)で、ユピーが4。メレオロンが3なのだとか。


検討前の大枠の段階でも王や護衛軍は性質上「飛び抜けて強い」と位置づけられる。

そして、討伐隊(ハンター達)は純粋な意味での力では及ばないからこそ"上手く"戦う必要があり、その1つとしてメレオロンの「奇抜さ」が鍵になっていたのではないのか。なぜ、そのメレオロンの「奇抜さ」が3なのか。


また、コムギの奇抜さが5とはこれ如何に。知力が5ではないのか。

コムギが軍儀以外では何もできないから、「奇抜さ」に振ったのだろうか。

しかしその発想ならば、それこそメレオロンの奇抜さ3はおかしいだろうに。


加えて、仮にリミックスのステータスの全てを全面的に正しいとしても、全体的に劣っているゴンは全力のピトーに結果的に勝利した。

つまりは、能力や制約と誓約次第ではひっくり返る、要は念での闘いが揺蕩っているという原作主義に立ち戻るわけで、このステータス表自体なんら意味を持つ様に思えないのだ。


ファンブック等の情報を「全て正しい」とすればおかしい部分は出てきてしまうし、自分の解釈に「都合のいいところだけ根拠に使う」というのも個人的に好ましくない。

―そんな理由で当ブログでは、ファンブック等の"原作において未出の情報""怪しいから使わない"というスタンスを採っています
(「ファンブック等」と適当に括ってますが、"原作"以外を包括的に指しており、アニメも含んでいます)


ただ暫定的な例外を2つ想定している。

1つ目が、作者から出た情報

ワンピなら「SBS(質問を募集するのだ)」、ハンタなら0巻での「一問一答」、トリコなら「動物&食材リスト」…など。


"原作"の情報と言うとちょっと違うのだが、一応の"正式解答"であるため使用可としている。

ジャンプフェスタなど、ファンを目の前した"生の発言"もそれに含めてよいと思われるが、(作者自身の)十分な検討を経ていないリップサービスの可能性もあるだろうから―考える時間的余裕が存在する―単行本収録情報にはやや劣るか、とは思っている。


2つ目が、原作で明らかになっていないキャラの名前

ハンタで言えば、ゾルディック家の高祖父(=マハ←ハンターズガイドより)とか、クラピカの師匠(=ミズケン←アニメより)など。

こちらは単純にそのキャラの話をする時に不便であるため。


しかしながら、あくまで漫画家さんは「"漫画で"表現する方」なので、この2つの例外も"原作"で情報が更新されれば(特に既存情報と反する場合)"原作"情報を優先する。



―ちなみに「ファンブック等の情報を使ったらダメ」というわけではなく、単純に「使う前提の人」「使わない前提の人」話がうまく噛み合わない、ということです。


とまぁ次の記事に関連して、今後ありうる"反発"への"お断り"記事でした。

以上。