何故キルアはドラゴンダイヴを知っていた?
※記事更新('21/9/8)
10年以上振りだが、たまたま目に付いたので記事更新。
「何故キルアはドラゴンダイヴを知っていたのか」
という疑問の答えは36巻(No.372)で示された、
要請型の操作系能力で用いられるケースが多いと言われる“記憶補正”かと思われる。
キルア自身がその原因に見当を付けていた様に、恐らくアルカ(ナニカ)の処遇を巡ってゾル家の中で意見が割れ、家族内指令(インナーミッション)により、イルミ(アルカ軟禁賛成派)とキルア(反対派)が争った結果、
当時のキルアが勝てるハズもなく―イルミに“矯正”されることとなったのだろう。
アルカ(ナニカ)の記憶を封じるついでに、キルアの闇人形計画(?)にはまだ邪魔であったため念の記憶を縛ったのか、
アルカ(ナニカ)の力が“念”故に念の記憶も縛る必要があったのか
は不明だが―、
1.キルアは幼少時に念を習得しており、
2.当時何らかの機会にゼノのドラゴンダイヴを見ていたがイルミの針で記憶の一部を封ぜられ、
3.その針を抜き取ったことにより記憶を取り戻していたため、降り注ぐ龍の雨を見て解答を得た
―ということかと思われる。
↑記事更新ここまで。
↓以下は、あまり変化していないが当時(27~28巻の間頃)の考え。
東ゴルドー城に、ゼノの龍星群(ドラゴンダイヴ)が降り注いだ時、
唯一その答えを得たキルア。
『これはジイちゃんの"龍星群(ドラゴンダイヴ)"!!?』
何故、キルアはそれを知っているのか、という話。
◆何故キルアは龍星群を知っていたのか
①念習得後、ゼノの仕事を手伝い、その際に見たため。
②念習得(天空闘技場)以前から元々知っていたが、イルミの針で記憶の一部を封じられていた。
①念習得後、ゼノの仕事を手伝い、その際に見たため
最もストレートな解釈。
『あとはどんな応用技にするかをじっくり決めるだけ』
と、ヨーヨーが手元にない事を示すような発言をしていたが、
『結局これにした』
とヨーヨーを手にしていた。
キルアによると、これは(恐らく)ミルキ特注の品らしい。
12/29にGIに出て、1/7の試験開始まで待機。
キリコへのゴンの土産話が7日7晩続くハズもないだろうし、その間に今後の備えとしてミルキに連絡を取ったり、何らかの手立てを取っていた可能性は時間的にも十分ある。
しかし、いかせんキルアには金がない。
(多少の変動はあるだろうが、ゴンとの賭け対決で持ち金ゼロ)
(恐らく)ミルキが"無料"でヨーヨーを作ってくれるとは考えれない。
材料費、加工費、手数料といった感じで、それなりの対価は当然の如く発生しそうだ。
自称"かたぎ"で、"元"殺し屋のキルアがミルキと同じ手法でお金を貸してもらう事は難しそうだが、
キルアに甘いゼノならば、
『仕事の手伝いをしてくれたら小遣いやるぞい』
くらいはありそうだ(無条件の小遣いはなさそうな予感)。
その中で、ゼノが龍星群(ドラゴンダイヴ)を使っていたならば―
キルアの
『これはジイちゃんの"龍星群(ドラゴンダイヴ)"!!?』
は納得できようか。
状況的にも十分可能性の範囲内にあり、一番しっくり来るのだが―
強いて言うならば、その"アニキ特注のヨーヨー"がいつ作られたかには言及されていない。
そのため、昔、アニキに何かの機会に作ってもらったヨーヨーを、ゾル家で飼っているペット(?)に運ばせただけかもしれない。もしその場合だったとすると、上記の『習得後に見た』説が通じなくなってくる。
(ヨーヨー代を支払うための"お手伝い"で見た、という流れのため)
そこで、一応他の解釈がないか探ってみる。
それが②のパターン。
①に比べると厳しい、というか、だいぶ描写の外に入り込むので(≒妄想)、解釈の仕方としてはあまり好ましくはないのかも。
②念習得(天空闘技場)以前から、キルアは知っていた
なんて言うと、かなりぶっ飛んだ感じになるので、「そもそも論」から固めていく。
何故、ゾル家の跡取りたるキルアが念を習得していなかったのか。
(5男(?)のカルトは念習得済み。)
早くからその眠れる資質を見出され
才能だけなら長いゾル家の歴史の中でもピカイチ
とまで評されるキルアならば、早くから念を覚えさせた方が、より強くなるのでは?
と感覚的に思うところがある。
しかし、その一方で、念を覚えさせる事のメリットに対して、デメリットもかなり多いように思われ、それを考えると覚えさせない事にも理はありそうだ。
まず、キルアに念を覚えさせる事のメリットだが―どうも、強くなるに絞られてしまいそう。
オーラを纏うことで(纏)、若さを保てるというのは、あくまで肉体がピーク前後に達してから、メリットになるものだろうから、肉体が未だピークに達していない段階では、むしろデメリットになりうる可能性がある(特に上寄り能力者の場合)。
反対に、キルアに念を覚えさせる事のデメリット。
①"英才教育"の妨害。
②未熟な発の発現防止。
③逃亡の危険性の増大
→①"英才教育"の妨害。
"英才教育"とあえて表現しましたが、特に"拷問"系の訓練を指してます。
色々な痛みがありますけど、その外的刺激に対して"念で耐えたら"意味ないですよね。
それをわかって、自ら拷問訓練を受ける者ならまだしも、
その訓練の意味も理解できないような子供の場合、迫りくる恐怖に対して無意識的に、反射的に構えてしまう事は当然あろう。
が、それでは訓練の意味がない。
→②未熟な発の発現防止。
まず、自らの念系統と相性の悪い発を生み出す可能性がある。
また、虐待を受けている児童と近しい、圧迫した生活環境にあったキルアが生み出す能力は、およそ戦闘向きではない可能性が高い。
生み出したとしても、その後"使わなければいい"、"忘れてしまえばいい"とも考えられるが、
「初めての恋愛(彼女or彼氏)」などを例に考えてもらえばわかるだろうか。
相手が好きであればあるほど、相性が良ければ良かったほど、忘れられず、心のどこかに残る。
念の場合も、逆境で生まれた能力であればあるほど、より意識の合致があればあるほどに、意識の中に強く残る。
カストロのダブルを、メモリ不足の顕在化と表現するならば、メモリ不足の潜在化(内在化)と言えようか。
→③逃亡の危険性の増大
出すだけ出してみた、という感じだが、目覚めた能力が"逃走に特化"した能力だった場合、ゾル家の鳥カゴから逃げられる可能性もあろう。
①~③、まとめると「キルア闇人形化」計画の阻害、と言えるだろうか。
『闇人形・キルア』が、ボマーの爆弾の様に念のコンボを用いたモノならば、より強い肉体に早く育った方がいいだろうから、上記プラス成長の阻害(?)も入るのかもしれない(※「老化を抑える」と「成長を阻害する」は意味合いが違うため、そこは留保が必要かも)。
で、そろそろ本題。
なるほど確かに、キルアに念を覚えさせないことには
―英才教育=闇人形化計画の妨害になるため―
利があると言えるかもしれない。
しかしながら、状況的にキルアが念を習得していないのは逆におかしいわけで。
念を覚える方法は、ゆっくり起こすか、無理矢理起こすか。
キルアの周囲には念能力者が多数おり、拷問訓練などで殺さないように加減(絶)をするなどはまだわかるが、通常生活の中で纏すら行わないは考えられない。
念(能力者)に囲まれて生活をすれば、自然と目覚めても何らおかしくない。
あるいは、帰宅したキルアをミルキが鞭で叩いたように、無理矢理起こされる事も十分あるだろう。
つまり掘り下げて行けば半ばキルアの念習得は当然なのだが、作中の結論としては天空闘技場で念習得となっている。
その行間解釈として、『イルミの針』を用いたのが、この
念習得(天空闘技場)以前から、キルアは知っていた
である。
図らずも念を習得してしまったキルアであったが、上述のものを一例として、まだ望ましくはないことだった。
クラピカやナックルのように、対象者を「絶」にするのではなく、行動を縛ると共に"念に関する記憶"をも封印するものだったならば(もしくは、記憶を縛る事で行動を制限している?)―、
幼い頃にドラゴンダイヴを見たことがある、で処理することができる。
それも別段、"過去に見ていた"で処理しなければいけないわけでもないため、ヨーヨー入手が現在であろうと、過去であろうとも、流れとしてキレイな方に合わせることが可能。
と言った感じで一応、流れとしては悪くはないように思われるのだが、"描写の外"に入り込み過ぎるのは"妄想"と紙一重。
そうゆう意味では微妙なのだが、「念習得とそれの抑制」自体はしっくり来る、かな。
◆結論
①念習得後、ゼノの仕事を手伝い、その際に見たため。
②念習得(天空闘技場)以前から元々知っていたが、イルミの針で記憶の一部を封じられていた。
好みの問題かと。
①、②共にまだまだ派生させる事もできるだろうし、別の考えもあるだろう。
何にしてもキルアがドラゴンダイヴを知っている事自体に特別"おかしさ"はないと思われる。
個人的には②が好みだけど、一般的にウケる(?)というか説明が面倒だから①というのはアリかもしれない。
現実世界で漫画の話をする事はないんですけど、
"なんでキルアはドラゴンダイヴ知ってたのかねぇ~?"
なんて話になった時、
"あれはだね、イルミの針によってだね…"
みたいに、嬉々として話し始めたら冷たい目線が返ってくるのは目に見えてますからね。
今週のジャンプが発売延期になったのと、H×H欠乏症にかかっていたので、H×H関連の記事を挙げました。
正直、本当はそろそろ28・29巻収録分も扱ってしまいたいところ。
ただ切り抜きしてまで持ってる人なんて少数でしょうから、出るまで待ちましょうか。
以上。