H×H29巻 感想その2(能力関連) | ばんぶーのブログ

H×H29巻 感想その2(能力関連)

29巻感想その2。

28巻時にスルーしたものも一応やろうと思う。

ピトー関連と、ゴン関連はまた別項目で扱うので、ここでは除外。


気になったのは以下の3つ。

・卵男

・ハコワレ

・王の能力


◆卵男(ミサイルマン)

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能力者:ウェルフィン

念系統:操・具


①「対象者(ねらい)」を定め

②「質問・命令(タマ)」を込め、偽った者・逆らった者をがいた場合

③攻撃が開始される


※一度発射されれば命中するまで対象者を追い続ける。


④命中すると、体内に反抗心を糧に成長する「黒百足」が植えつけられ

⑤命令に背いたり、ウェルフィンに危害を加えようとすれば

⑥激痛を与えながら最後は体を突き破り命を奪う


※殺意は最高の反抗心で、"恐らく"一瞬で即死レベルまで黒百足は育つのではないか、との事。


前述の『発の纏』と考えるため、念系統は具と操で、AOP分散の遠隔操作型(リモート)。

性格的にも、能力的にもウェルフィンは具現化系能力だろうか。


―その攻撃が命中して生きている者はいない

奇遇な事に、私もケンカで負けた事がないんです。

ええ、幼稚園の頃と小学校低学年の頃に合わせて2回しました。


ウェルフィンは、過去にどれほどの死地を乗り越えたのか―?

と言えば、さほど戦闘経験はない。

逆らった部下、あるいは追手のハンターくらいだろう。


つまり、そんなに説得力のある言葉ではなかったりするのだが―

元々、操作系能力は、条件さえ満たせれば=型にハメられれば、基本的に各々が最強になりうるのだ。


そのため、別に「ミサイルマン最強」というような文脈ではない。

「当たったら最強」だとしても、如何に相手をハメるか、その戦略込みで強い弱いが言えよう。

(実際に、能力の性質上後手に回るため、護衛軍や王相手に勝てる能力ではなかった。だから従っていた。)


では「当たった」前提で考えて見る。

それ自体が「害意」をもたらすものであるから、無敵の具現物ではない。

つまり「ウェルフィンの込めた念」×「制約と誓約」によって、強められた『黒百足』という事である。


と言う事は、その『極めて強くなった黒百足』よりも、高い攻防力を持つ者ならば、防げるのか―。

理論的にはそうなる。


ただし卵を産みつけるのは、(キメラアントが持つような)硬い甲殻や、強い筋肉ではなく、内臓の様な印象を受けるので、

―生物的に、内臓は鍛えられないように思われるが、

「内臓(AP)+SP」≧「{黒百足(AP)+SP×MP」

が成立していたならば、の話である。


当然それが成立しうるかはわからない。


これまでの登場キャラクターの中で、王(食事後)は最強の攻防力を誇るであろうが、どうなのだろうか。

気になるところとしては、「黒百足」の成長の仕方である。


「反抗心を糧に成長する」

と言うが、黒百足の攻撃力のMAX値が、誰に植えつけても同じなのか否かは、デカイ。


例えば

「怒り・憎しみ」=3pt

「攻撃意思」=6pt

「殺意」=10pt

というように、初めからある「黒百足」のMAX値(固定値)に、相手が抱いた反抗心を糧に順々に成長していくのか


あるいは

モタリケの「殺意」の栄養=1pt

王の「殺意」の栄養=10000pt

というように対象者の反抗心(力)栄養に応じた成長なのか。


前者のタイプだったら、王とウェルフィンの力の差を考えれば、無理"かも"しれない。

後者のタイプだったら、王も倒せるだろう。


ミサイルマンがどちらのタイプなのか、それは結局のところわからない。

しかし、オーラを貸すことができるならば借りることもでき、貸す事ができるならば与える事もでき、反対に奪うこともできるだろう。

すると、相手の栄養を奪って成長というのも出来うるだろうから、後者タイプだと個人的には思っている。

つまり、卵をうみつけられたら王にも効く。


◇能力の性質からみる解除法

そもそもウェルフィン自身は「交渉のための能力」と言っているが、相手に拳銃を突きつけた状態を『交渉』とは言えない。

とりあえず、実質的には対象者に一方的に命令や質問に従わせる能力だが、形式的には「交渉」の形を取っている


解除方法がわからない=意識的に設定していないことから、ウェルフィンの潜在的な意識にその解除方法が隠されているのだろう。

すると、この「一方的な交渉」を崩すこと、

・ウェルフィン自身が負けを認める

・相手の交渉を受ける(自身の情報を相手に与える)=情報と得るのは自分だけでなければいけない

などが関係しているのかもしれない。


◆天上不知唯我独損(ハコワレ)について

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能力者:ナックル

念系統:放・操・具


①オーラを他人に貸し付けることができる

②貸し付けたオーラにはトイチ(10秒につき1割)で利息がつき、ポットクリンが利息含む総借り入れオーラを相手に告知

③相手は利息含む「総借り入れオーラ」を相手に返さねばならず、その合計値が体内に残っている潜在オーラ(POP)を超えた場合は、30日間強制的に「絶」状態になる。

同時にポットクリンはトリタテンに変身。

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※補足

・ポットクリンへの攻撃は無意味(無敵)

・利息は小数点以下、四捨五入(ゴン戦、ユピー戦の計上より)

・「ハコワレ」で撃つ場合、債権者はダメージを与えられず、利息含む借金が残っている限りにおいて、債務者も債権者にダメージを与えられない。

・有効範囲(利息が増える範囲)は債権者(or術者)を中心として半径100m。

・有効範囲から債務者が出た場合、利息増加は止まるが利息アップまでの時間は記憶されている。

・ポットクリンがついていれば、債権者(or術者)は債務者の大まかな位置(かなり正確かも)を把握できる。

・利息カウント前に複数回のオーラを貸し付けた場合、能力発動の時間に沿って利息が加算される。


◇貸し付け・返済オーラ量について

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まとめてみると、

◇ナックル

210(→ゴン)
180(→ゴン)

180(→ゴン)

310(→ヂートゥ)

280(→ユピー)

310(→ユピー)

288(→1/7プフ)


◇ゴン

150(→ナックル)


◇ユピー

327(→ナックル)

6108超(→ナックル)(未遂)


最も注目すべきは、ユピーへの全力パンチ。

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280

310


ですよ。

状況的に「神の共犯者」状態での攻撃ですから、文字通り全力で「硬」で攻撃する事ができるハズだ。

ひょっとすると、ユピーの変則的で素早い攻撃に対応するため(回避のため)に、相当に警戒をして「硬」ではなく「凝」での攻撃の可能性もあろう。

(いくら緊張等の要因を考慮したとしても、ナックルレベルならば高速のオーラ移動をもって対処できうるだろうから、個人的には「硬」での攻撃と考えておかしくないと思っているが)


★相手に貸し付ける、返済するという計算はどうされているのか?

①オーラ量(SP)

②攻撃力量(AP+SP)(防御力無視)

③ダメージ量((AP+SP)-(AP+SP))(防御力考慮あり)


いくつか考えられるが、

返済が終わってないない限りにおいて、相手から受けるダメージを返済に充てる事で無効化している事から、相手の防御力等を無視した②の攻撃力の印象を受ける。


―が、あまりに低い。


恐らく、能力に対する制約と誓約「天上不知唯我独損(自分一人が損をしている事を誰も知らねぇ)」と言う通り、ナックルの貸し付けにのみマイナス補正が入っているのだろう。

(能力名はナックルの過去、能力を思いつくに至った経験を指しているかもしれないが)


ユピー戦においては、それでもなお低い印象を受けるが、次に述べる話題に関連しているため、一旦保留。


◇範囲の減少について

ハコワレの有効範囲は債権者(術者)を中心とした「半径100m」であるハズが、

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「半径50m」に減少していた。


①個数反比例
②コンボによる変容

この2つは可能性として十分ありうるだろう。


①個数反比例

キレイに数値が1/2になっていたので、それに該当する計算方法としての「個数反比例」。

個数反比例のルールがあったならば、この時点でプフに1つ付けており、このまま王にもつけるなれば、総個数は2倍になっているから、範囲は1/2倍になる、ということだ。


たしかに理論上は非の打ちどころがない印象はある。

が、単純にプフのをはずせばいいじゃないか、という印象は受ける。

(もちろん、ナックルがあまりの王のオーラにテンパっているというのはあるだろうが)


②コンボによる変容

「神の共犯者」とのコンボにより、「ハコワレ」は相手により強いルールを強いる事となった

その反動、効果に対するリスクとして、能力の変容が起きている可能性がある。


その可能性の1つとして「有効範囲100m」が「有効範囲50m」に減少したと言う事は考えられうる。

(→念 系統別①(操作・放出) 参照)


そして、さきほどのユピー戦での全力パンチの貸し付けオーラ量の少なさも、コンボ状態だったため、普段からあるマイナス補正にさらにマイナス補正がかかっているのかも―しれない。


事前に検証は終えている―そのナレーションの意味と考えれば、①よりは遥かに説得力があろう。


◇ハコワレの債権者は選択可能?

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『ゴン…そいつ、"ハコワレ"で撃っとくか?』

『万が一奴が逃亡しても場所がわかっし、反撃してきたらオレのポットクリンが盾になれるぜ』


「ナックルがピトーを殴って、ピトーがナックルに反撃する」

というケースならば、これまで通りだが、そこに第三者(ゴン)はどう関わるのか


これを受けて、能力説明の段階で、あえて能力者(術者)ではなく「債権者⇔債務者」と表現したのだが、ハコワレは「オーラを貸し付けて利息を発生させる能力」で、ポットクリン(トリタテン)はそれを告知する取立人のような立ち位置に過ぎず、誰が(の)オーラを貸し付けるかは選択可能なのかもしれない


そうならば、ハコワレでゴンのオーラを貸し付けが出来、ナックルの文言も意味が通る。

むしろこれ以外に文脈上なさそうだ。


◆王の能力について

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獲物のオーラを食べることで、自分のものにできる、つまり

食べる程、強くなる


食べる事でMOPが増す、特質系の能力とみて良いだろう。


さて気になるところが、
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このユピーのサイコガン(仮名)の再現について。


つまり、王は食べた能力者の「発」すら手に入れる事ができるのか、否か、という事だ。


私の解釈としては

兎にも角にも、相手の「発」を自分のモノにする強い能力の割に、条件が緩すぎる


内在的に、

・自分で殺さねばならない

・出遭って何秒以内に殺さねばならない

・相手の「発」の「名前」と「内容」を知らねばならない

など、複数個の何かしらの条件があるのかもしれないが、王はユピーの能力を食事の時点で知らない。

さらにそのような制限があった場合、護衛軍がレアモノを殺して王に献上した場合、王はそのオーラを自分のモノにできないかと、言えばそんな事はない。

実際にプフとユピーよるお食事会では、王は何もしていないが能力は問題なく発動している。


そして元々、他者の「発」は他の者が使えないか、と言えばそんな事もない

例えばゴンのジャジャン拳。


「練」→「硬」の全力パンチ、は他の能力者にはできないものなのだろうか。

むしろ、この程度の発ならばある意味で誰でもできる。

(念系統の相性、意識の合致などで、精度・強度・威力まで同じものになるとは言わないが)


さて、ユピーのサイコガン(仮)は他の能力者に真似できないものなのだろうか。

できないと言えばできない。

腕自体を砲台とし、恐らくオーラを腕の中で、筋肉(?)をポンプのように使い圧縮して打ち出しているような能力なので、人間の腕ではできない。


ただし、同じように自由度の高い「変形」を使える者ならば、どうなのだろうか。


つまり、王の能力は、女王の『摂食配合』の『王版』なのだろう。

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キメラアントの女王は、異なる他生物を食べる事でその生物の特徴を次世代に反映することが出来た。


この例では、カブトムシカマキリを食べる事で、

カブトムシの固い甲殻と、角、羽

カマキリの鋭い鎌と、機動性に優れた体躯や足、羽

を合わせ持った「カマカブト」という新生物を生み出す事もできる、という事を示している。


そして、キメラアントの兵隊達が普通の生物に比べ、ほとんどの訓練なしに凄まじいオーラを持っていたのは、女王の特性の1つに元となった生物のエネルギー(オーラ)すらも、次世代に反映できるから、と考えられる。


この例では

カブト(5)

カマキリ(4)

とすると、

カブトカマ(7)

ができているのだろう。

(制約と誓約や、女王自身が消費しているエネルギーもあるだろうから単純加算ではないと思われる)


それを王に当てはめて考えると、王は得たモノを次世代に反映させる必要性がないため、それを自分に活かしているのだろう。


よって、王の能力は

①食べた生物の生命力(オーラ)を自分のモノにすることができる(単純加算ではないと思うが不明)

②食べた生物の生物的特徴から優れたモノを自らのモノにする事ができる

という2要素をもったモノと解釈することができる。


これにより王はユピーの持つ「魔獣の特性」を得たのに加え、ユピーと精神を共有する状態にあったため潜在的にユピーの記憶を引き継いだものと同義で、

自分の後ろから追ってくるポットクリンに対する攻撃を考えた時に、ユピーの記憶と共鳴し、無意識的に体現したの"かも"しれない。


ただし、王のこの変形能力は元からあった、という可能性もある。


王は食事以前に、この変形能力を使って翼を生やして来なかったが、

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東ゴルドー侵入時点で、もっと言うと誕生直後から肩甲骨のあたりにその『翼』を意識させるモノが存在している。


王自身、

『種全体の惜しみない奉仕の末たどり着いた賜』

と言う様に、女王が王のために用いた生物の種類は凄まじいものだろう。


王の外見からその中でも「蛇」が特に現れているが、少なくとも『陸・海・空』の生物は使われているだろう。

(個々の生物の記憶はもはや残滓とも言えないほどに霞んでいるのだろうが、その生物の記憶が潜在的にある事で、空を飛ぶことも容易であったのだろう)


そして、蟻達が魔獣を何匹捕まえたかにもよるのだが、魔獣というレアな生物的特徴を王に使わない手はないだろう。

つまり、ユピーに使われた魔獣と同種のもの、あるいは同一の魔獣の特性が王にも元々組み込まれていた可能性は高い


というのは、もはや1つの生物として完成された「王」が食事の度に自分がもっていない生物の特性とは言え新たに組み込みのは「危険」かつ「大変」なのだ。


その新たに取り入れる生物の特徴が特異であればあるほどに、遺伝子レベルでのいわば「進化」を要する。

その振り幅が大きければ大きいほどに、生物としての「安定性」を欠く蓋然性は高い


そのため、

「食べた者の生物的特徴を取り入れる能力」

があるかには、留保が必要なのかもしれない。


◇王の能力・簡易まとめ

王の能力は、食べた生物の

①生命力(オーラ)を自分のモノにすることができる(単純加算ではないと思うがわからない)

②生物的特徴から優れたモノを自らのモノにする事ができる

と、女王との対比から考えられるが、②には留保が必要だろう(個人的には②は否定)。


このあたりは派生的な細かい解釈が可能なのだが、王のサイコガン(仮)の再現はユピーとの精神の共有による無意識的構築」が濃厚かと思われる。

よって食べた者の「発」を使える、という能力は王にはないと思われる。


◇精神の共有について

現在の王と、ユピー・プフの精神共有状態について。


王の能力として本来的にこうゆう状態が起きうるのだろうか


女王が食べた者の精神を次世代に反映している事から、王の体内でも似たような事は起きているだろう。


が―、

方や、強い肉体と、強い精神を持つ王が、

肉体を持たない、もはや残留思念に近しいものに打ち負けるかと言えば、

それは難しいだろう。

(反対に言えば、その残留思念状態で勝ちうる者がいれば、もしかするとできるのかもしれない)


さて、今回の状態では、

王は肉体的にも瀕死で、意識混濁(不明)状態。


そこに肉体的にも万全の状態の"生きた細胞(ユピー・プフ)"が、半ば強制的に体内に送り込まれた。

王の肉体の欠損がひどく、二人の細胞の多くが文字通り王の血肉となったものの、正に「踊り食い」で魚が腹の中で動くが如く、ユピーやプフの細胞がまだ完全に馴染み切っていない(生きている)状態が、現在の精神の共有状態になっているのではないだろうか。


・王が瀕死の重傷だった(意識不明or混濁)事

・ユピーにしてもプフにしても、生物としての特性だったり、能力だったりと、増殖・分裂やそれに類する力を持っていた事、加えて蟻としての類稀なる生命力をもっていた事

・また、未だ二人の細胞が馴染み切ってない事


これらが合わさった事で、偶発的な起きた一時的現象だと私は考えている。

以上。

その3(カイトの生死とピトーの能力) について。