(1)から(79)までのあらすじ
自動車修理工で、日本人を母親に持つコリン・マイケルズは、2年前に6年間いた裏社会から足を洗い、兄と慕う青戸勲(通称・イサオ)が家族と住んでいるマイアミへ転居した。
コリンは、友人、恋人で元スパイナーのデビット・ネルソンと充実した生活を送っていたある日、イサオが頭部を撃たれ、意識不明の重体で病院に運ばれる事件が起きた。
イサオは看護師として真面目に働いていたので、犯人の目星が全く付かなかった。
担当のニック刑事は、コリンが昔に裏社会にいたから何か知っているかと詰問し、コリンは落ち込んでしまった。
その時、イサオの親友でコリンの兄貴分でもある、ブライアン・トンプソンが、コリンの目の前に現れた。
彼はボディガードとして、世界中を飛び回り、英国で人権派弁護士を護衛し、弁護士を襲撃しようとしたロシアン・マフィアを倒した一件があった。
それから数ヶ月後、別荘で休暇中のブライアンは、マフィアの残党から報復を受けた。
たまたまその場に居合わせたイサオの助けもあり、返り討ちに遭わせたものの、マフィアのボスの末弟・ミーシャが生き残り、ブライアンとイサオを狙っているとも知らされ、コリンはショックを受ける。
コリンとブライアンが2人きりで話をしている現場を目撃したデイビットは、激しい嫉妬に駆られた。
コリンは、デイビットを説得していく内に、イサオとブライアンと出逢った17年前の夏の出来事を話し始めた。
コリンが14歳の時に父親が病で倒れ、命を助ける為にさる金持ちの愛人になった事、その辛い状況から救ってくれたのが、イサオとブライアンという事を。
告白を受けたデイビットは、コリンと共に、イサオを守ることを誓う。
その翌日、忍者の血が流れているイサオの父親・猛が日本からやってきた。
警察を定年まで勤めた猛だが、イサオに似て穏やかな男性であった。
コリンは、デイビット、猛、そしてイサオの妻・サラと共に、犯人を追うが、その過程で、コリンは猛の身体能力に驚く。
そんなある日、事件の目撃者が姿を消してしまった。
コリン達が目撃者の行方をようやく見付けた時、謎の集団が襲ってきた。
彼らは、病院に入院中のイサオまで狙ってきた。
ここで猛は、息子を守る為に封印していた忍術を使い、デイビットと力を合わせて、イサオを守り抜いた。
FBIの捜査で、彼らは警察の秘密結社であり、マフィアの生き残り・ミーシャに雇われていたことが判明した。
結成当初の秘密結社は、法律で裁けない悪を倒していたが、数年前から殺し屋稼業に転落していたのだ。
捜査を進めていくと、警察の秘密結社がブライアンとイサオを襲撃する前に、別の男が邪魔をし、彼らの前にイサオを撃ち、混乱に陥れたことも分かった。
コリンは、別の男がイサオを撃ったのは、秘密結社から守る為だと分かり、その男の冷酷なやり方に寒気が止まらなかった。
襲撃後、イサオは意識を取り戻し、徐々に回復していった。
イサオは撃たれた当時の記憶が飛んでいると話し、犯人の糸口は見えないでいた。
それでも、笑顔を取り戻したイサオの姿を見て、コリンの心は少し軽くなった。
皆が安心していた頃、秘密結社内でクーデターが起こり、新しいリーダーとなったルドルフは、幼馴染みで元刑事のシェインと組織の立て直しを図る。
その最中、秘密結社の若手が暴走し、コリンを誘拐した。
怪我を負い、窮地に立たされたコリンを助けたのは、若手の一人であるビリーと、秘密結社のメンバーと噂されていたニック刑事であった。
病院に運ばれたコリンだったが、皆の温かい看護もあり、久しぶりに安らぎの時間を得た。
怪我も癒え、退院したコリンは、その足でニックに会いに行き、彼の愛犬・ロボと出逢う。
一方、秘密結社とミーシャは、襲撃の対象を、ブライアンとイサオの他に、コリン、デイビット、そして猛に広げ、全米中から殺し屋を集め、着々と準備を進めていた。
殺し屋達の中に、日本人の山本がいた。
彼はニックと通じ、その上、コリンがイサオとブライアンと出逢った同じ時期にコリンと会ったこともある、曰く付きの男であった。
山本は秘密結社を嗅ぎ回り、ルドルフとシェインの考え方に大きなずれがあることを察し、利用し始めた。
リハビリ中のイサオを看ている猛は、彼らの動きを感じ取り、胸騒ぎを覚えていた。
こうした状況の中で、コリンはデイビットと共に、警察の秘密結社と秘密結社を混乱させた男の追跡を再開する。