創業準備期から関与させて頂いておりました、
株式会社マルキタ星野笑店
の星野勇介社長が逝去されました。
享年44歳。
余りにも早い、そして突然の死に、言葉が全く浮かびません。
でも、数々の思い出・記憶が薄くならないうちに、
足りない脳味噌を絞り出して何とか書き残したいと思います。
私が税理士事務所を開業して1年目の頃、
突然「脱サラ創業したいので相談したい」という一通のメールが届き、
そして氏は私の事務所を訪れました。
氏が携えてきた事業計画書の内容は、
「男向けのプリン製造販売」という斬新なものでした。
私はそれを読み、「これは必ず成功する」と直感しました。
その後は計画内容を煮詰め、融資を受ける金融機関との事前協議、
法人の設立登記など様々な準備を同時並行で進めました。
商品名は「侍のプリン」と決定しました。
そして待望の第一号店がオープン。
オープンと同時にお店は長蛇の列。
私はその報告を聞いて驚きましたが、
誰よりも一番驚いたのは星野社長自身だったと思います。
その後、侍のプリンは多くのマスコミ媒体で取り上げられ、
瞬く間に道内市場を席巻しました。
今や侍のプリンを知らない札幌市民は殆どいない、
それほどまでに著名なブランドに成長しました。
そして道外市場においても、JR関東圏での駅構内販売、
デパート物産展での出店など、徐々にその知名度を上げ、
そしてプリンに続く新たな商品として、
ロールケーキやスポンジケーキ、チーズケーキ等の分野に進出、
スイーツ専門店「ドルチェ・ド・サンチョ
」第一号店を昨年オープン、
円山クラス第二号店を今年6月にオープンさせたばかりでした。
まさにこれから、という矢先に今回の訃報。
氏ご自身も志半ばで無念でしょうが、私も無念でなりません。
私が関わってきた数多くの創業支援案件の中でも、
最も成功した事例の筆頭です。
創業準備中の頃、氏と二人三脚で走り回った記憶は、
今でも私の脳内に焼き付いております。
そして創業後は、顧問税理士として、そして会計参与として、
甚だ力量不足ではありましたが関わらせて頂きました。
本日のお通夜にて、
奥様、ご両親、そしてお子様方の後ろ姿を拝見し、
私は本当に氏のお力に、そしてご遺族のお力になれたのだろうか、
否、と明らかな力量不足を痛感しております。
もっと時間があったならば、あれもできた、これもやろうと思っていた、
しかし時は既に遅し。
氏が還らぬ人となった事実は動かしようがありません。
あの時ああしておけばよかった。しかし時計の針を逆に回すことはできない。
これは職業会計人としての私の率直な反省の念です。
僅かな短い期間ではありましたが、
氏の一挙手一投足が、世間の注目を集め、旋風を巻き起こしました。
氏の志は、必ずや誰かが継いでくれることでしょう。
これで終わらせてはなりません。
氏の明快なコンセプト、
「良質な道産食材で製造した美味しい商品を全国に提供する」 は、
絶対に間違っておりません。
このコンセプトの灯りを灯し続けること、
それが氏に対しての、何よりの供養になることでしょう。
合掌。
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