TさんのGSCへの投稿した件などを拝読し、以前書きかけていた(リアルな自分の)親父について、この際、記しておこうと思った。
長くなりますので、ご興味のない方はスルーしてください。
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3年前のこと。80歳を超えた親父に食道がんが見つかった。
ちなみに、自分が罹患して2年後のことだ。
また、親類の中でがんになったのは、父方、母方含めて、自分と親父だけ・・・。 だから、がん家系って感じは全くしない・・・。
親父は、80歳を越えているが、身体も頭も元気だった。
少しばかりの庭と畑いじりがおそらく主な趣味。家の外の事も勢力的に行っていて、元職のOBの役員やら町内会長やら、ずっとやり続けている。
主治医から示された治療選択は以下の二つ。
1.手術
2.化学療法+放射線療法(ケモラジ)
どうしたらよいか?
自分の経験(オペと化学療法)、そして食道がんのオペを経験した先輩の話などを勘案しつつ、また、知り合いの医療関係者にもアドバイスをもらい、次の助言を行った。
年齢は80歳を超えているが、身体状況はすこぶる良好なので、オペにも耐えられると思うので、どっちを選んでもよいと思う。
ただし、下記の事をよく考えて、親父が選択する。
手術を選んだ場合。オペは心配いらないが、術後の食事リハビリには3か月必要。 (実はこの時点で食事管理の困難さをナメテいた・・・。)
ケモラジを選んだ場合。化学療法と放射線療法を組み合わせて実施するので、3か月程度の入院が必要。両治療の副作用はほぼ100%出現。
親父は、同じく3ヵ月かかるなら・・・と、手術を選択した。
自分の化学療法の副作用も知っていたので、最初から手術に決めていたようだ・・
手術、その後の経過も順調で、二週間ほどで退院。
退院後はその後のフォローを考慮し、3ヵ月を目途として小生の家から通院することにした。
手術を選んで良かった!(退院直後の家族の感情)
が、
そこからが苦労のはじまりだった・・
自分の直腸も、親父の食道も、管(消化管)を切って繋ぐときは機械縫合が主だ。
管の端と端にリングを取り付け、それをパチンとくっつける様なイメージ、と自分の主治医が言っていたが・・・
親父の食道縫合に使ったリングの内径は35mm・・・
常識的に考えて、35㎜の食塊は飲み込まないので、十分な内径のハズだ。
が、
詰まる。
詰まったら最後、飛び跳ねても、かなり無理な前傾姿勢をとっても出てこない。その度に病院に行き、詰まりを通してもらう。
流動食的や刻み食的な工夫をしても、けっこう詰まる。
元々、”食べること”が大好きだった親父だが、徐々にその意欲が低下し、オペ後に減った体重がさらに減り始める。
そうすると、欝々としたり、怒りっぽくなったり、精神的にも悪循環も始まる。
オペから3ヵ月。体重は少しずつ減りつづけ、親父の姿は見るからに精気がない・・・ 一日、ほぼ横になっているだけだ。
その後の食事の管理を甘く見ていた・・・手術を選択したのはQOLを落としただけだったのか?? (オペに対するかなりの後悔)
3ヵ月経過した夏のある日。
明日帰る。いろいろやることもあるから。
といって、実家に戻っていった。
”何かしらの覚悟”はあったように感じた自分は、帰ることには反対しなかった。(また、戻らなければならない大きい理由の一つは長くなるのでここでは省略・・・)
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それから3年。
親父は、軽度認知症のお袋と共に、元気に暮らしている。
立派。
今になってみれば、
手術を選択したことは、よかったと言える。
しかし、
食道がんに罹患した80歳を超えた年配の人に相談を受けたら、、、手術は勧めないだろうな・・・。
治療の選択は、病状、年齢、一般状態(コンディション)、家族を含めた環境・・・様々なことに影響される。
だから、出来るだけ広く偏らないように情報収集を行うことが重要だと思う。そして、自身の立ち位置がどこにあるかも意識しつつ、最後は自身で選択する。
そうありたい。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。