浅川 マキ " MAKI Ⅳ " (1974 EMI)
浅川 マキ というと筆者が思い浮かべるのが昭和40年代前半におきた大学紛争など当時の人々がトガッていたそんな時代、 場所は当時の新宿あたりを連想するのですが彼女が歌う曲は男女間の関係 / 水商売の裏事情 / 死 / タブーとされる内容など歌を聴くだけで当時の昭和の時代背景が見えてくる。 彼女のイメージは闇の歌手というイメージであるが上京するまでは地元である石川県の町役場で国民年金の係りをしていたそうである、 これも意外な話ではあるが上京してからはあのアングラ劇団 「天井桟敷」 を主催していた天才劇作家 寺山 修司 に見出され彼のプロデュースでデビューアルバム 「浅川マキの世界」 をリリースし世に衝撃を与えたのである。 さて この "MAKI Ⅳ" ですが 浅川マキ の通産4作目にあたるライブアルバム、 録音は 神田共立講堂 での実況録音でメンバーは 山下 洋介(p) 稲葉 国光(b) 森山 威男(dr) 坂田 明(as) という強力なメンツ、 彼女のアルバムは初回からずっと一流ジャズメンがバックを固めることで有名なのですが各アルバムを聴いてみると彼女は決してジャズシンガー的ではなくシャンソンとフォークの要素を兼ねそろえた独特な唄いまわしであるがバックのジャズメンの演奏が入るとそれはまさにジャズに変化するのが摩訶不思議である。 彼女の音楽は他に類を見ないワン&オンリー、 毎回伴奏者がジャズメンであるだけに伴奏にも感情が深く入り込みその作品群は独特な深い闇世界になる。 この "MAKI Ⅳ” の中でも 寺山修司 が書いた曲 「戸を叩くのは」 を披露しているのだが 浅川マキ というシンガーには 寺山修司 の書く詩がとてもよく似合う、 寺山修司 は 浅川マキ に何曲か曲を提供しているのだが彼女ほど 寺山修司 が書いた詩を見事に歌い上げるシンガーも他にはいない。 彼女は2010年にこの世を去ったのだが彼女が居なくなった穴は大きい、 寺山修司 が残した作品をシンガーとして歌い上げられるのはいまではあの カルメン・マキ ぐらいしか思い当らないのは筆者だけではないと思う。 このアルバムは 寺山修司 が見出したシンガーのドキュメンタリーであり日本のジャズ界でも伝説的に語り継がれる名盤である、 このコラムをご覧になって興味を持って下さったなら是非このアルバムを聴いてみて下さい、 当時の空気を空想体験できますから。
(記事・写真) by Will.D
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