●【中国】三峡ダムの設計に欠陥、中国政府高官が初めて認める
 
1 :月曜の朝φ ★:2011/06/06(月) 23:31:08.99 ID:???0
 長江中・下流流域が50年来の深刻な干ばつ被害に見舞われている。各方面が
原因解明や緩和方法の研究にあれこれ手を尽くす一方、「三峡ダムが干ばつを
誘発しているのは」との指摘が国内世論の関心を集めている。議論が活発化
する中、5月31日に中国政府の高官が初めて、三峡ダム工事の設計に欠陥が
あることを認めた。新民晩報などが伝えた。
 
 国家水利部長江水利委員会洪水干ばつ災害減少弁公室の王井泉氏は、
三峡ダム工事の設計段階で、大型ダム完成が生態環境に及ぼすマイナス影響を
十分考慮しなかったことが原因で、ダム完成後、洞庭湖やボーヤン湖の貯水状況
に何らかの影響が生じていることを認めた。今後、ダム貯水量の最適化を図り、
ダム工事によるマイナスの影響を軽減する方針を明らかにした。
 
 王氏は、長江中・下流の大干ばつは三峡ダムが原因とする意見は誤りとの
見方を示したが、三峡ダムが下流水域に悪い影響を及ぼしている事実は認めた。
特に、三峡ダムに最も近い洞庭湖が受ける影響はかなり大きいという。生態系に
もたらされた問題として、下流の水生動植物への影響と、下流域の湖沼の水位
低下と富栄養化現象の2点が挙げられるという。
 
 一部の識者は「干害防止機能に関する三峡ダムへの期待が高すぎることが、
そもそも問題だ」と述べていることに対し、王氏も同意した。長江中・下流の
干ばつがますます深刻化するにつれ、社会の三峡ダム関連議論が再び
白熱化しそうだ。(編集担当:松本夏穂)
 
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110606-00000055-scn-cn  
 
 
 
●今世紀最大の中国の干ばつで枯れ上がる揚子江と中国最大の淡水湖
http://oka-jp.seesaa.net/article/204859693.html  
 
(訳者注) 中国でこの時期に干ばつが発生するのはそれほど珍しくないのですが、最近の報道を見ていると、規模も範囲も「まったく強烈な干ばつ」が中国の広大な地域で進行しているようです。
 
今日はそれに関する記事のご紹介です。
 
poyang.jpg
 
▲ 干上がった中国最大の淡水湖ポーヤン湖。
 
 
干ばつがひどいのはアメリカなども同じで、先日書きました「完全な崖っぷちに立たされた世界の食糧供給」という記事でもふれましたが、米国でもかなりの広範囲で深刻な干ばつが進行しています。
 
これら「農地の廃墟化」というのがどこまで世界の人々、そして、私たち日本人の生活に影響を与えるのかは今はわかりませんが、干ばつが世界的な広さで進行していることは事実のようです。
 
米国のエポックタイムからの記事を翻訳しました。
 
ここから翻訳記事です。
 
China’s Drought of the Century
The Epoch Times 2011.05.26
 
中国で進行する世紀の大干ばつ
 
china-d1.jpg
 
▲ 湖北省の武漢市はこの 60年間で最悪の干ばつで苦しめられている。
 
 
中国の中央と東部地域で進行している干ばつは、この 50年から 100年のスパンで見ても最悪のものとなっており、特に三峡ダムの近くの下流地域は大変な干ばつで苦しめられている。
 
揚子江の水流は極端に減っており、中国最大の淡水湖もほぼ干あがりつつある。
 
この地域の人々の飲料水、生活用水は極端に不足し、米作を含めた農地も無効となりつつある。川を行き来する貨物船は運航できずに止まっている。ま た、この干ばつは農民を苦しめているだけではなく、中国の生態系にも大きな影響を与えている。野生動物の種の絶滅も懸念されている。
 
 
絶滅の危機に瀕するスナメリ
 
揚子江にある Tian-e -Zhou Oxbow 自然保護区は、中国の湖北省の長江流域湿地にあり、ここは絶滅の危機に瀕しているスナメリの聖地だ。
 
5月21日の地元紙の報道によれば、この地を襲っている 50年間で最悪の干ばつが、4月から始まるスナメリの繁殖に大きな影響を与えており、スナメリの絶滅さえ危惧されているという。
 
揚子江の水位はさらに低下し続け手おり、水中の哺乳類たちの健康に関しての深刻な懸念がある。
 
 
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▲ 自然保護区の監視員が 5月20日に保護したスナメリ。目から涙を流しているように見える。
 
 
枯渇していく中国最大の淡水湖
 
中国最大の淡水湖であるポーヤン湖の水位は、 100年で最悪の干ばつの影響を大きく受けた。現在のポーヤン湖の水位は昨年の水位のわずか 10分の1しかない。湖の一部は完全に干上がった。
 
この干ばつにより、ポーヤン湖では多くの水生植物、魚類、カラスガイが消えたと言うのは、28年間、ポーヤン湖で自然保護にあたってきたワン・カオロンさんだ。現在は渡り鳥も消えつつあるという。
 
この地域の米作も危機的な状況となっており、ほとんどの貯水池や湖が干上がっていると、ポーヤン郡の郡政府職員は当紙に語る。
 
「揚子江が干上がり、ポーヤン湖の水位も極端に下がっている。この先、雨が降らなければ、コメの収穫はまったく見込めないだろう。江西省は中国の主要な穀物生産地域のひとつだが、今年はほとんど見込めないだろう」。
 
職員はそう言った。
 
 
また、同じくコメの一大産地である湖南省では、28の郡が「猛烈な」干ばつに見舞われており、12の郡が「激しい」干ばつのもとにあると報告されている。最も激しい干ばつに見舞われた湖南省の新華郡では、稲作地の 90パーセントで植え付けが行えなかった。
 
今回の揚子江に影響を及ぼしている干ばつはこの半世紀の間で初めて見られるものだと揚子江の管理事務所からの当局者は言う。
 
 
干ばつは揚子江の船舶での輸送の問題などでビジネスにも影響を与えている。山東省では水位の低下のため、1,300本以上の貨物船が運河で足止め されている。北京を杭州を結び水路ではボートしか通れず、1,500トン以上の重さの船は通行できていないと、5月24日の地元紙は報じている。
 
 
この5カ月におよぶ干ばつで、30万人以上の人々の飲料水が不足しており、また、10万頭の家畜の飲料水も不足していると湖北省の農務部は報告した。
 
 
中国政府は、5月19日に「三峡ダム建築計画」を発表したが、ダムが揚子江の中下流に否定的な影響を及ぼしたことを認めた。そして、5月20日には、下流の干ばつ状況に対応するため、ダムの放水量を1秒につき、10,000立方メートルまで増加させることを決定した。
 
 
 
●中国の大干ばつのすざましさがわかる写真特集
http://karapaia.livedoor.biz/archives/51669451.html  
 

2010年のもの。去年からずっと100年に一度の旱魃が続いている。
 
 
●アラル海が消えた…20世紀最大と言われる環境破壊
http://labaq.com/archives/51268855.html  
カザフスタンとウズベキスタンにまたがる中央アジアの塩湖、アラル海が消えようとしています。
 
たった数十年前の1960年代には世界4位、琵琶湖の100倍の面積を誇った湖でしたが、綿花栽培などの灌漑用水に大量の水を使用したため急激に水位が減り続け、ついには8割以上が干上がってしまったのです。
 
不毛な砂漠と成り果てたアラル海の姿をご覧ください。
そしてこれが今年撮影された2009年のアラル海。なんとも衝撃的な姿です。
 
黒い線は1960年の姿を表しています。日本でいうと関東甲信越と静岡を合わせた程の面積。
 
分断された北側を小アラル海、南側を大アラル海と呼びますが、南側の縮小は止まらず、存続は絶望視されています。
 
シルダリヤ川からの流入がある北側の小アラル海は、百億円のダム建設によって水位が回復傾向にあるそうです。
冷戦真っただ中の旧ソ連のスターリン時代は、西側諸国に頼らない生産力を得ること、社会主義の素晴らしさを喧伝することなどを理由に、「自然改造計画」として運河・水路の建設が推進されていました。
 
消えゆくアラル海08
当時は科学が自然を凌駕するという、科学万能主義の時代であったことが、無謀な計画に拍車をかけてしまったようです。
 
消えゆくアラル海05
白い部分はおそらく塩。枯れた周辺地域の温度は1.5度上昇したそうです。
 
消えゆくアラル海07
1960年頃のアラル海は海洋の1/10の塩分濃度だったそうですが、1989年の時点で塩分濃度が6倍を超え、生物の大半が死滅したそうです。
 
消えゆくアラル海06
また、周辺地域の住民は巻き上がる砂塵によって呼吸器障害を起こすなど、20世紀最大の環境破壊と言われるようになりました。
 
消えゆくアラル海09
かつては大漁であった湖が、たった数十年で人の生きることのできない不毛の荒野に。
 
大アラル海の再生には、数多の科学者・研究者が助言や取り組みを行いましたが、さしたる効果は出なかったそうです。
 
このことを揶揄したジョークに「これまでアラル海を訪れた研究者がバケツ1杯ずつ水を持参してきてくれていたら、今頃アラル海は元の姿に戻っていただろう」というものがあります。(参照)
 
一度失った環境を取り戻すことが、いかに難しいかをまざまざと示していますが、大きな教訓と出来るのでしょうか。
 
 
 

中共政府がいよいよ三峡ダムの欠陥について一部であるものの認めた。
 
これは相当なことだ。認めざるをえないほどに状況が悪化していると見るべきだな。
 
かつて豊かな湖だったアラル海はたった数十年でそのほとんどが消滅してしまった。
 
問題が顕在化してから様々な復活への取り組みがなされたが全て失敗した。
限界を超える破壊を受けた自然は戻らないのだ。
 
中国の環境破壊も既に限界点を超えつつある。
場所によってはもうとっくに超えて砂漠になっている。
 
黄河流域がどんどん死にかけてきたが、ついに長江までもが・・・
 
中国がこのままどんどん成長し続けると金融界は言うのだが、おいらはどうにもこうにも信じられないね。
 
2015年に訪れる人口ボーナスの終焉と環境破壊によって中国は今後相当に苦しむと思うよ。
プラスでバブル崩壊もあったな(笑)