●「復興優先」の言葉で原発問題は消えない―福島が示した「非民主主義国家、日本」ル・モンド紙(4月28日)
 

http://franceneko.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/428-b962.html  
 
ル・モンド紙は4月28日、群馬大学教授でフランス近現代史の教鞭をとる松沼美穂助教授の寄稿文を掲載した。
 
松沼助教授はその中で、政府や東電を批判する日本のマスコミが、福島原発事故の前夜まで多額の広告費と引き換えに原子力発電所の安全性を宣伝して いたことを批判。財界も政府も「経済の復興を」「仕事に戻ろう」と経済のみ優先し、現在50以上ある稼働中の原発を今後どうするのかという問題に向き合っ ていないと指摘している。また、今後も新たな地震の発生が予想されること、政府の原子力関係者が技術面でも信用の面でも十分でないことから、福島で起きた のと同様の事故が繰り返される可能性があると述べている。
 
フランスでは東北大震災以来、泣きもせず愚痴も言わずに坦々と仕事に戻って行く日本人の「品位」を評価する動きが広がっている。しかしこの「品 位」は、福島での原発事故を「自然災害だから」受け入れなければ仕方がない、という態度に基づく「品位」だ。また、どこまでも経済成長のみを追求する日本 のシステムは、(福島周辺の住民や原発作業員を初めとする)人々の権利を尊重せず、(福島原発事故の責任を取らないことによって)世界中の人々をも馬鹿に している。(日本の)権力は、無能で無責任な嘘つきたちの手の中にある。これが、65年間続いてきた「日本の民主主義」の結果である。
 
日本は自ら変わることができない。福島原発の事故以来、海外機関が発表した情報と日本発の情報の食い違いの度合いには、大きな衝撃を覚えるばかり だ。今回福島での事故との関連で明るみになった多くの人為的なミスは、許すべからざるものである。フランスを初めとする各国政府の政治家や世界の財界関係 者は、原子力業界と強く結び付いている。だからこれらの人々が原発を支持し、日本人の「品位」に感嘆するのも無理はない。世界中の市民は、この恥ずべき事 故から教訓を引き出さねばならない。
 
http://www.lemonde.fr/idees/article/2011/04/27/attention-un-deuxieme-fukushima-n-est-pas-exclu_1513460_3232.html  
 
 

この手の文章が日本のマスゴミからは発表されないのが今の日本の惨状を生み出した要因であろう。
 
上記のような内容をおいらはこれまでに何度も日記で書いているが、大手マスゴミからこうした意見は見たことがない。
 
驚くことに早くも地震も原発も被災地以外からは忘却が始まっている。
忘れることは良い事だ。記憶や複雑な感情などを身につけた人間が、自分を守る能力として手にしたのが忘れると言うことだ。
 
忘れると言う能力を身につけなければ人間の寿命は遥かに短いものだったろう。
 
しかし、今回のような悲惨な出来事は忘れる前にすることがたくさんある。
二度と同じような悲劇を生まないための仕組み作りだ。
それをやってから忘却の作業を始めるべきである。
 
原発問題もこのまま真剣に考えることなくなあなあでやると、100%、絶対に、必ず、再び同様の事故が発生するだろう。
浜岡原発で同じことが起きれば東京は間違いなく人の住めない土地になる。
 
福井で起きれば関西地区がダメになる。
 
だが今の日本人にはそう言う未来を想像すると言う力が驚くほどに失われている。
 
福島原発のようなことが再び起こるかと問われれば、おいらは今のままなら100%起きるだろうと言わざるをえない。
 
 
>これが、65年間続いてきた「日本の民主主義」の結果である。
 
 
ずしーんと心に来る重たい言葉だな。
65年かけてやって来た結果がこれか。
情けない話だな。