大東文化大学での学習会。
仁藤夢乃さんのリアルな話。驚きの中身でした。


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自らの体験から「難民高校生」支援に取り組む仁藤夢乃さんです。
仁藤さんは高校生の時、月に25日渋谷で過ごしていたと言います。父母が不仲の家庭には居場所がなく、死にたいとも思っていたと語りました。

その彼女が初めて信頼できる「当たりの大人」に会ってから、変わって行ったことは、仁藤さんが書いた『難民高校生』に詳しく書かれています。
親や教師は価値観を押し付け、街中には少女たちを買春しようとするオヤジたちがいて、少女たちを言葉巧みにスカウトする裏社会。
少女たちの周りに「はずれの大人たち」のなんと多いことか。
少女たちを食い物にする大人たちのことを、仁藤さんは様々に語ってくれました。

大本にはこのような状況があります。

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この国は、子どもたちにとってこんなにも厳しい社会になっています。
少女たちがJK(女子高校生)を「売り」にするのではなく、その背後にそれを利用する大人(オヤジ)たちがいて、それを「買う」オヤジたちがまたいるからこそ、拡がる現象です。

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下の写真はそれを示します。

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ずらっと並んで、声をかけるJKたち。それを見つめる男たち。
この背後にはスカウトする男たちがいます。

ぼくも一度、秋葉原の街中を歩いたときに、この光景と全く同じものを目撃しました。
こうした少女たちを取り締まるだけでは何の解決にもならないと仁藤さんは指摘します。
仁藤さんに言わせれば「オジサンこそ補導してほしい!」となります。
虐待や性被害に遭ってきた少女たち、貧困や家庭崩壊という現実がある中では、衣食住の提供こそまずされねばなりません。さらに人間関係が失われた少女たちに、人間的な関係性を取り戻すことこそ必要だと強調しました。

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Colaboというサポートセンター立ち上げたのもそうした観点からです。
Colaboによってサポートされ人たちは、親、教師、役所の人間、彼女の体を求めてJKビジネスに誘い込むという周りの「はずれた大人」からの過酷な目に遭っています。

仁藤さんは男子の問題も指摘しました。根っこの所では利用されているということです。

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信頼できる大人に出会っていないこと、このことこそ問題の根源にあります。
学校や家庭がそうしたものになっていない場合が多いこと、このことを問わねばならないと思います。


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「子どもにとって、大人は環境問題!」
少女たちの傷つきから見えてくるのは上のことばだそうです。よい出会いや、良い環境づくりこそ必要だと考えるからです。
目の前の子どもたちに必要なのは、「特別な支援」ではなく、「当たり前の日常」を保証することだということでした。

刺激的で、深い話を聞きました。

(№1528の記事)