東京が拡大していく段階で、淀橋浄水場だけでは上水道を賄えなくなるため、東京市の水道局は、次の作戦を考えた。


・狭山貯水池の造成

・境浄水場の作成(武蔵野市の玉川上水沿い)

・境浄水場から和泉給水所・和田堀給水所までの水道道路の作成

である。


狭山貯水池・境浄水場は、都区内ではないので割愛。


境浄水場から和泉給水所・和田堀給水所までの水道道路について語ることにする。


賢明な皆さまならご推察のことと思うが、この道路、例の井の頭通りである。

境浄水場から和田堀まで10Km以上もほとんど真直ぐな道路が通っている。


思い返してみれば、この井の頭通りも、相当不自然な道路である。

ほとんど真一文字の道路ではあるが、視点・終点に眼だったものがある訳でなし。


そして、古典的な街道でもないし、第一、ちょっと北側に五日市街道が並走している。

そう言えば、他の道路よりも高い「土手」の上を通る感じだし、道路幅も片道1.5車線でかなりな高規格。


もともと、この道路は、自動車のために造られたものではなく、水を通すための「道」なのだ。

どうも都内には、この手の「自動車のためではない道路」というものが、けっこう通っているようである。


さて、この井の頭通り、この下には、今でも太い水道鋼管が埋められており、浄水場からの水が流されているはずなのである。


東京の地下には、地下鉄以外にも相当いろいろなものが通っているようだ。