海砂になりたい衝動がある。
わたしは、
最近まで、
もしかしたらいままでで一番暗いところに浮かんでいた。
温度の欠けた、
記憶だけの場所。
そこに温度をくれた人たちがいる。
わたしの大好きな人たち。
あたためられた。
現実に引きずり込まれ、引き戻されたわけではない。
わたしが勝手に、
誤解して、
満足を得たのかもしれない。
特に何人かの人には、
キーワードをもらった。
今日だって、
またあたためられた。
その人のことはほとんど知らないのに、
心底respectしていて、
大好きな人。
ことばの力を再確認させてくれた人。
わたしもいつか、
あんなふうに誰かにhappyをちぎってあげられたら。
成長したい。
成長したい。
そう思っていたから、
たまたま話していて「成長したね」といわれて、
舞い上がってしまった。
カルダモンチャイは冷めなかった。
言葉の温度で。
彼は言った。
「過去を、小説にでもしてみない?」
冗談だと思い、
受け流したら、
どうやら本気みたいだった。
わたしは過去を、
特に恋愛遍歴を、
自分の汚点だと感じているが、
そんなわたしの体験談を、
読みたい人がいるかもしれないと。
そして、
わたし自身の助けになるかもしれないと。
文章を書くことは嫌いではないが、
日本語を使うことが苦手なので、
少しためらった。
でも、せっかくのアドバイスなので、
軽い気持ちで、
ここを起こした。
もしかしたら、
過去を消化して、
昇華できるかもしれない。
社会復帰(―わたしは再び恋愛をすることをいまはこう呼んでいる)したい思いもある。
カルダモンチャイから、
いつもと違う香りがした。
わたしの、ここでの名前はSpica。
少しだけ、
気まぐれに、
ランダムになるかもしれないけれど、
過去の恋愛と、
もしかしたらわたしのあらゆる部分を、
書いてみようと思う。