書評 しょひょう : 田村秀男『日本再興』(ワニブックス) :宮崎正弘 | 護国夢想日記

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 日々夢みたいな日記を書きます。残念なのは大日本帝国が滅亡した後、後裔である日本国が未だに2等国に甘んじていることでそれを恥じない面々がメデアを賑わしていることです。日本人のDNAがない人達によって権力が握られていることが悔しいことです。

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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 
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 孤立無援、窮地に陥った習近平がスガるのはスガ政権だが
  スガ本人がスガるのは、二階、公明党のパンダ・ハガーという大矛

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田村秀男『日本再興』(ワニブックス)
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 「消費税は天下の悪税」「脱中国は世界標準」。

 

 この二つが本書の基調をなしている。

 

したがって景気回復こそが国を護り、コロナ恐慌から脱出するには増税ではなく減税だ。

 

なぜなら日本が強いことが世界に安定をもたらすからだ、とじつに分かりやすい。

 

 田村秀男氏は、経済ジャーナリズムで孤軍奮闘中。

 

なにしろ政府もシンクタンクもメディアも、嘘八百の経済政策を囃し立てている。

 

 コロナ災禍という非常事態に「財政均衡論」など糞の役にも立たない。

 

その誤謬をつく田村節は、大手主流メディアからは黙殺されがちである。

 

とくに日銀・財務省、経済官僚たちは、消費税増税、緊縮財政で日本経済を沈没に導いた主犯たちであるにもかかわらず、田村氏の「破邪顕正の剣(つるぎ)」を厄介者扱いしてきた。

「健全財政」などという美名のもとコロナ禍で対応した「真水」が60兆円足らずだった

 

これで効果があるという期待はとうに消えた。

 

 ミニコミながらも「林原チャンネル」は田村秀男講座が全開。

 

そして講義録をやさしく平明に編集し直したのが本書である。

 

 かねて評者(宮崎)も、日本の赤字国債は国民の預貯金である1800兆円を担保としているのだから、まだ800兆円ほど赤字国債を起債してもなんら問題はないし、

 

景気回復の妙薬として、国債をばんばん発行し、通貨供給を増やして日本経済を再生せよと唱えてきた。

 

他方、アメリカの国債は純粋に赤字である。

 

 田村氏は言うのだ。

 

 「あと1000兆円の国債起債は可能であり、デフレ経済という元凶を断ち切れ、消費税は撤廃せよ」。

 

 経済成長はこころを豊かにするのである。

 

「第二の敗戦」とも言えるバブル崩壊以後の日本経済は右肩下がり、2020年度のGDPは、おそらく500兆円を割り込む。

 

最盛期に535兆円まで伸びたGDPが490兆円ていどに転落するだろう。

 

 誰の責任なのか?

 

政治家が経済再生に政治生命をかけていないからだ。

 

このままでは「資本主義近現代史上、他に例を見ないほどの日本の凋落」なのである。

 

 幸いにして地方で頑張っている高齢者が居る。

 

地元の産品をネットで売り始めた。

 

清流を求めて観光客が増えたところもあるが、人口が増えているのは首都圏の四都県(東京、千葉、神奈川、埼玉)と愛知県、福岡県、そして沖縄県である。

 

ほかの地方自治体は人口が減っている。

 

産業がないからだが、これも「脱中国」で日本企業が祖国へ復帰し、地方に工場を建てると解決する。

 

 無策無能を続けていると、日本国家という共同体の衰退、滅亡にも繋がりかねない。

 

 ノーベル経済学賞を獲得したサミュエルソンは「需要と供給さえ覚えれば、オウムでさえも博学の経済学者になれる」と言ったが、さしずめ「日本の政治家、官僚、経済学者、メディアの主流派はオウム以下です」(16p)

 

 そればかりではない。

 

日本国債が暴落すると言いふらす一群のエコノミストたちがいる。

 

莫迦につける薬はないが、それを重奏してラウドスピーカーの乗せるのがテレビの討論番組とかの付和雷同、軽佻浮薄な輩たちで、フィクサーは財務省官僚あたりだろう。

 

 財務省は改革の方向性は分かっていても、興味がない。

 

「政策を実施するための財源がない」と言い訳しているし、「少子高齢が進む日本の経済成長率が低いのは仕方がない」と言い訳ばかり。

 

 ところが現実に「世界で一番お金が余っている」のが日本なのだ。

それゆえに米ドル交換停止になる恐怖心を抱く中国が、最近日本の国債の買い増しに走っているではないか。

 

 チャンスがめぐってきた。

 

 「コロナショックこそが日本経済を復活される千載一遇の好機だ」19p)。

 平明な文章だが、パワフルな日本経済再生論である。

 

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