イタリア・ワイン作りの一年~1月は、山火事から始まる!?~ | アラフォーハイジのアルプスBIOライフ

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自然と生きる ハーモニー

伊アルプスでのド田舎生活が教えてくれたのは
”本質を生きる”ことでした

北イタリア アルプス地方での
ワイン作り。
その現場を 現地在住、
実際にワイン作りに携わっている
ヒロコンタディーナが
レポートいたします♪

季節ごとのブドウ畑の様子、
時期によりするべき
ワイン仕込みの作業、
そして 楽しいだけじゃない
厳しい現実も…

ワインがもっと味わい深くなる情報を
提供してまいりますねっ



1月…

植物の冬眠期である真冬ですが
ブドウ作りへの準備は
すでに始まっています。

クリスマス・新年気分もすっかり落ち着き
“日常”モードに戻った
1月中旬から下旬にかけて

この地方で見られる
「風物詩」があります。

それは

あれ、

山火事・・・!?

山と煙


冬の澄み切った
青く高い空の下、
枯れ上がったブドウ畑から
煙が3本 立ち上っています。

アップ

↑ アップの図

…乾燥による 自然発火…!?

いえいえ、大丈夫。

これは、人為的な“山火事”です。

この時期になると
ブドウ畑を管理する農夫たちが一斉に
「枝の選定」を始めるのです。

冬の 草木が冬眠している間に
枝を整えるのが
自然管理の基本原則。

切り落とした枝を
まとめて燃やしているのが
この煙…
というわけです。

この時期
斜面になった
段々ブドウ畑のあちこちで

ゆるゆると煙の上がっている様子が
観察できます。

もう、こちらに来て
5年目になる今では
この光景を見ると

あぁ、今年も始まったな…
という気持ちを
感じるようになりました。

なんか、
戦(いくさ)開始の

『のろしを上げる』

じゃないですけど

「今年も いいワインを造るぞ!
自然よよろしくな!」

という
農夫の決意
自然を目覚めさせる儀式
のような感じがして
好きなのです。


みやぎっ子としては
正月後の恒例行事

「どんと祭(どんとさい)」

を連想させる風景でもあり

懐かしくも思ったりします。
(かぁちゃーん!)



…ただ、イタリア特有の
「アレ?」な点としては

一応、燃やす際は
自治体の許可を
取らねばならないそうです。

どの農夫に聞いても
そう言います。

しかし…

「じゃあ、どうやって許可を取るの?」

と聞いても
答えは決まって

「さぁ…」


これだけの数の煙が
全部 許可をとっているわけが
ないですよね。

・決まりがあるのは知っている
・だが 誰も守らない
・誰も 真相を知らない

正に、なんでも“煙に巻いてしまう

イタリアらしい一面を
年の初めから痛感させられる


ちょっと 目にしょっぱい煙でも
あるのでした。

モクモク!

↑山を少々登った地点より
煙を見下ろす。
煙の背後に広がるのが
Tiranoの町。

あぁ、町がまさに
煙に巻かれております…

ハタトモ

↑最近よく会う、どなたか農夫さんの愛犬。
オスなので、尻尾をフリフリしながら
必死でついてきます。

ぬいぐるみみたい♪

チュッ

↑ チュッ★

…でも、決してそれ以上は許さない
貞潔 ILA(イーラ)でありました。