ご無沙汰しております。

最近、近隣の地域おこし協力隊や

それに関係する方々との交流が多く(視察、懇親会、イベント等)

心の中で、今後の地域おこし協力隊に関する

考え や 想い が、溢れて仕方ないので

ブログを書きます。

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そもそも

地域おこし協力隊ってなんぞや?


少子高齢化や過疎化が深刻な地方自治体に

国から特別交付金の形で補助金が与えられ、

都市部の「地方に興味がある若者」を3年間

実際に住むためのフォローをしてくれる

総務省の事業

といった説明になるでしょうか。


仕事の内容は、

自治体のニーズ・地域の要望・協力隊員の特色や考え

によって各々異なるため、割愛しますね。


食の安全問題、TPP、大震災、原発、経済の変化。

様々な要因が、地方に目を向け

協力隊になろうと思った動機に結びついていると思います。



一般的に、新たな試みを始める時には、

ノウハウやツールの探究、実験等が必要になってきますよね?


地域おこし協力隊も、

・ヨソ者一人、見知らぬ土地で何ができるのか?

・行政のプランは何なのか?

・地域の本当に望むカタチとは何なのか?

みんなが 模索 している状態なので、


活動内容がバラバラでも、

当然、大きなリスクを避けるための

ある程度のレベルで 柔軟なノウハウ が

必要になってくる。と、僕は考えています。



僕自身、大江町では初めての地域おこし協力隊でしたし

悩みましたし、次に続く、続いてもらう協力隊のために

ノウハウについては、長い時間、考えてきました。


今回、いよいよまとめてみようと思った最初のきっかけは

朝日新聞の記者さんが

僕の活動を記事にまとめてくれたことにあります。

http://www.asahi.com/articles/CMTW1411070600001.html


それから、他の協力隊の方と話す機会などが急に増え、

自然と、書き起こす気持ちになりました。


地域おこし などという、正解の無い問いに、

断定する言い方はできませんが、

その答えのヒントになるようなことは挙げられます。






僕が考える 地域おこし協力隊のノウハウ


#1  to 行政の方


① サポート体制の3本柱(人材)

【担当者】

・仕事という枠以前に、町おこし、町の未来について
 関心の強い行政職員の確保。

 →地域おこし協力隊は、強い熱意をもって応募する人がほとんどです。
  その想いを共有できない担当者とは、

  「自分とは話す土俵が違うのだな。」と、ここで一度、心を折られます。
  利益をとりに仕事で田舎に来たのではありません。町の将来を一緒に考え、
  行動する人を増やすために、活動しています。担当者は一番近い存在なのです。

  もちろん、多くは本当に熱心な行政職員の方ばかりですが、特性上、
  
  予算の確保、行動に伴う責任問題(先進地視察含む)、そうした「制限」を話す際に、

  説明の少なさから、意識のギャップを感じてしまうことが多い。

  細かい取り決めも、冷静に、丁寧に、話し合って(対案を提示する等)、

  お互い理解に努める姿勢が、本当に守られているかチェックしてみてください。

  予算の仕組み、研修の情報等、情報共有は足りてますでしょうか。

  協力隊員が嘱託職員(雇い主は行政)であったとしても、

  地域住民と行政という2方向からの指示の間に

  立たされて生活しているという現状に理解を示していますでしょうか。


【地元のリーダー】

・いわゆる人徳者、リーダー、そうした人材の確保と、事前の十分な説明会。

 
 →田舎の集落なんぞ、派閥や様々な人間関係があることは百も承知です。
  
  隊員の活動方針と、地域の考え方、そこに障害はあるか?
  
  日中の活動だけでなく、夜の打ち合わせ掛け持ちは日常茶飯事。

  歓迎の意からお酒のお誘いも頻繁。ご近所さんという関係上、

  協力隊活動とプライべートの線引きが曖昧で、

  町内の土日のイベントには何らかの形でほぼ関わっている。

  基本的に「休み」という概念が曖昧です。
  
  そうした際に起こる食生活や体調管理、「断り方」等の相談。

  協力隊が仕事ではなく、良い意味でも悪い意味でも「人間生活」で

  地域に入っているからには、地域の理解は重要です。


【ワカモノ】

・例えるなら青年部や、スポーツサークル、都会的視点を持った若者の存在。


 →地方に来て驚くのが、交流世代年齢の変化。若い人だからこそ話せる趣味の話しや
  
  若者らしいアイディア討論会、ひいてはイベント運営の仲間。
  
  年齢が少しでも近い。それだけで大きなリフレッシュができます。

  集落内に閉じこもっていると、若い世代との交流が劇的に減少します。

  おいしい食べものや、良い精神状態から良いアイディアが生まれるように、
  
  少し気分転換するチャンスは中々貴重です。

  特に、近隣の地域おこし協力隊との情報交換・交流等は非常に刺激になります。

  まさしく「同じ土俵の上で話せる。」とはこのこと。




② 受入れ目的の明確化

  ノースキルからでも到達しうる(研修等組み込んでも)現実的な範囲で、
  
  ゴール設定が必要になります。例えば、初めての受入れなら

  「課題と解決方法のリサーチ」とか、「地域の高齢者の自信を育てる」とか、

  数字的にみえなくても、水面下での気運上昇。波及効果を狙った環境づくりで構いません。

  行政が想定している課題認識と地域の認識にギャップがあったりすることはあります。

  しかし、行政が受入れ側の地域と話し合いを重ねながら、いきなり大きな結果を求めず、

  (ご自身なら、できると思いますか?)建設的で確実に前進できるレベルで、

  活動方面・分野設定、活動内容の仕分けや線引き、

  若しくは、週半分ずつ業務発注と自由活動、

  等を明確化する必要があります。でないと、

  隊員も、地域住民も、行政職員も、困惑する事態になってしまいます。

  なんでも屋 をする中で、ヒントを掴むケースもありますが、

  なんでも屋が終始3年間では、

  キャリアアップも、個性も、引き継ぎも、最も難しい選択になりえます。

  特に、町の特色や売りなど自治体の方向性は、

  町全体で話し合って決めることが理想ですが、

  時に、協力隊が行政と住民の間を取り持って、

  能動的に、提案を重ねていくことが可能です。

  危険なのは、「タダの労働力」として視られることです。

  情報収集、人繋ぎ、そうした目的の無い

  発展性の無い 使われ方は、協力隊が「補助人材」であることを

  理解できていません。

  



#2   to 協力隊

※人から言われるのではなく、健康的な頭で、常識的に考えたり、

 俯瞰的に見てみたり、

 活動をしていく中で、気付くべき、あるいは失敗することで身になる

 学びもたくさんあると思います。なので、本当にヒントだと思ってください。


① 自分の武器(目玉)は何か?

  屋号 という言葉があります。「お前は何屋なんだい?」と地域の人も知りたがります。

  特に、専門分野を持っていたわけでも無い。趣味もズバ抜けたものは無い。
  
  何が得意かと聞かれても困る。その場合でも望みは幾らでもあります。

  一つ一つ、惹かれたもの、思いついたものに挑戦してみればいいんです。

  イベントでも作品でも、何か カタチ になると、アイデンティティが確立するし、

  自信も生まれます。大事なのは、選んだら続けることです。

  「それ、地域おこしなの?」気にすることはありません。

  奇案でも、回数を重ね、チャンネルが増えて厚みが出てきた際に、初めて
  
  評価の対象 になります。迷うなら変えて良し。ただ、本当に覚悟があるか?

  その一点が重要です。

  考えがまとまらない。でもこんな風にしていきたい。そうした時に、

  軸 があると、全てが安定してきます。

  ブログの情報発信で、十分です。

  (内容が個人視点なのでオリジナリティ溢れてます。

   そこからスタートする試みもたくさんあります。続けることです。)


② 考動すること(造語です)

  ある問いが頭から離れない。誰に聞いたら良いのかわからない。

  きっと○○が悪いんだ。そうなったら要注意です。

  あなたの頭の中、心の中は健康でリラックスできてますか?

  もし、できていなかったら、あなたは怠けているかもしれません。

  一人で戦場に立っているんです。行動しなかったら倒れます。

  本当に、

  十分な情報量をリサーチしましたか?

  全て丁寧に紙に書きだして、頭の中を整理しましたか?

  頼ること を、怠けていませんか?

  この人はこう。決めつけてませんか?

  あなたの言ってることを他人が聞いた時、どう思い感じるか、考えましたか?

  一体何人に掛け合いましたか?

  「敵」ではなく、うまく利用できないか?考えましたか?

  本音、素直、ぶつかることを恐れていませんか?


  少しキツイ問い方ですが、悩みながらも学びは必ず生まれます。

  上記のものを網羅して駄目だったら、あなたは本当に疲れていて、

  一度、現状から離れる必要があります。

  (矛盾しますが、普通これが網羅できるようなレベルなら、悩んだりしません。
   
                             必ず解決できます。)

 
  
③ 完璧、即効性を求めない。

  3年で何か結果を。そう考えるのは良い姿勢でも、実際に上手くいくのは稀です。

  誰かが言った一言が、時間をかけて人を気付かせることもあります。

  強い波ほど、ゆっくり準備があります。

  3年という期間は人工的で、反自然的です。

  最速で動いた結果が3年後までに来るかはギャンブルです。

  そもそも何もかも円滑に進むような案件なら、

  初めから過疎化で困ったりしません。

  ただ風が向いてくる仕掛けを怠ってはいけないと思います。

  

最後に…
 ノウハウについて

  僕が長文並べた内容は、主に経験則からです。

  事情の異なる地域が多い中で、一体どれほどノウハウとして

  捉えられているのか、正直わかりません。

  言及しようとして諦めたものも多々あります。
  
  やはり、その地域で先輩として活躍されている協力隊員の
  
  お話が一番参考になるのではないかとも思います。

  文章にしたことで誤解も起こるかもしれないですが、

  少し踏み込んでみた文章は、たくさんあっても良いのかなと思い、

  ブログ公開でアップしますね。

  関係者の方々、よろしければ忌憚の無いご意見お待ちしております。