◎ サベイランス 2007年/カナダ/98分/
監督・脚本:ジェニファー・リンチ
出演:ジュリア・オーモンド ビル・プルマン ライアン・シンプキンス ぺル・ジェームズ
<<2008年度ニューヨークシティ・ホラー映画祭 最優秀監督賞・最優秀女優賞受賞>>
<<2008年度シッチェス国際映画祭作品賞受賞>>
ひさびさに癖のある見ごたえのあるスリラー映画を見た。
製作総指揮をテレビドラマ『ツイン・ピークス』で一躍有名になった鬼才
デヴィッド・リンチ、監督・脚本をその娘ジェニファー・リンチという、
リンチ父娘のタッグで送っている。
ジェニファー・リンチがメガホンを取るのは『ボクシング・ヘレナ』以来、
約14年ぶりとのこと。
いなか町に連続殺人事件が発生し、そこに二人のFBIの中年男女の
二人組が乗り込んでくる。いなかの警察署の警官はそのFBIに反発
する。
そんな非協力的なムードが漂うなかで、FBIの二人は、事件の目撃者
である一人の8歳の女の子・ステファニーから情報を得ようとする。
ステファニーは、家族を目の前で惨殺されている。
その一見、弱々しげな女の子は事件の秘密のみならず、FBIの二人
の秘密までを指摘する。
女の子がそんな指摘をした後で、FBIの女性に甘えた風に抱きつく
場面がある。その抱きつかれたFBIの女性は、困惑げな表情で、そう
そうに女の子をつき離す。
こちらの予想を上回り、思わぬ展開を見せてくれるストーリー。
実はこの映画は、巨匠黒澤明監督の『羅生門』の一節を「リンチ流」
にアレンジしたという。
ぼくはこの映画の異色で不思議な世界を堪能した。
ところで、ニューヨークシティ・ホラー映画祭で、この映画が賞をとって
いるのがよくわからない。この映画は独特な怖さを持ってはいるが、
ホラーなのか?
PR:サベイランス ジェニファー・リンチ監督