『古本食堂』読みました。

(2023/10/18第三刷発行)

 

『三千円の使いかた』

『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』

 

に続いて、3冊目の原田ひ香さん。

 

 

「わたしは本の番人になる」

かけがえのない人生と愛しい物語が出会う!

小さな古書店が舞台の

美味しい料理と優しい人間ドラマ。

 

目次

第一話 『お弁当づくり ハッと驚く秘訣集』

     小林カツ代著と三百年前のお寿司

第二話 『極限の民族』

     本多勝一著と日本一のビーフカレー

第三話 『十七歳の地図』

     橋口譲二著と揚げたてのピロシキ

第四話 『お伽草子』

     とあつあつカレーパン

第五話 『馬車が買いたい!』

     鹿島茂著と池波正太郎が愛した焼きそば

最終話 『輝く日の宮』

     丸谷才一著と文豪たちが愛したビール

〈特別対談〉片桐はいり×原田ひ香

 

 

 

東京神田と聞けば、古本屋さん。

行ったことなくても、

星野道夫さんが、シシュマレフ村に行くきっかけとなった

神田で出合った〈ALASKA〉

 

神田は古本屋さんの町…とインプットされています。

 

物語は、

その神田で古書店を営んでいた滋郎が急逝し

北海道、帯広から妹の珊瑚が、整理のため上京してくる。

時々、店に通っていた姪の美希喜も、珊瑚の手伝いをすることに。

美希喜は、国文科の大学院生。

就職のこと、研究のこと…色々と悩んではいるが

今一つ、定まらないときを過ごしている。

 

 

神田の町、古書店の他にも

美味しそうなお店の名物、

 

「ボンディ」のビーフカレー

「揚子江菜館」の上海式肉焼きそば

白いビーフストロガノフ

世界一美味しい豚肉料理グリヤーシ

ビアレストランの「ランチョン」

 

実際に神保町で、人気のあるお店なんですね。

もし機会があったら、行ってみたいな。

 

 

 

作家さんの名前や、著書名が出てくるけど

バルザックや、ユゴー

世界で一番短い手紙のこと。

私には、さっぱり…だったので

そこは自分の無知さが、残念なところ。

 

本居宣長先生のことも、知らなかったけど

 

本居宣長先生がいなかったら

「源氏物語」はこの世に残っていなかったかもしれない。

江戸時代に本居宣長が研究を重ね、たくさんの書物を残したことで

それまで以上に源氏物語に脚光が当たり、それが今に残っている。

 

今、大河ドラマ『光る君へ』を観てるけど

こういう作品を、私が鑑賞できるってことも

古くからの貴重な書物を、現代に至るまで残してくれたお陰なんですね。

 

 

進路を悩む美希喜に、大学の先生が言った言葉。

平安時代、他にもいろいろな物語があったという記録がありますが

そのほとんどは残っておりません。

だから今、ここに残っているものは、末永く残していかなくてはならない。

研究者は、自分の名前を残そうとか、自分の研究で世間や学会をあっといわせてやろうなんて

考えなくても、それを後世に残すという小さな輪であればいい。

 

古本屋さんは、学者と同じように

本や物語といった文化を後世に残す、そういう輪です。

 

古代から続く、細くて小さな鎖、輪…

それがここにつながっている。

 

 

中之島図書館を訪れたときのよう…。

 

私は、古典など解読できないけど

古典籍や古地図が、残されていなかったなら

 

大好きな高田郁さんの本も読めなかったわけで。

 

どんなことも、今につながってるってこと。

 

古本屋さん…

昔は近くにもあって、よく通ったけど

最近は見かけなくなった。

 

本屋さん自体がなくなってるもんね。

Amazonのせいだね。

 

大阪で古本屋の町って

昔は、上本町に行ったけど

天神橋筋商店街にも、何軒かある。

それから、阪急のかっぱ横丁あたり?

 

また、覗きに行ってみたいな。

どんな本が置いてあるのかな。

 

 

 

 

 

6月には、続編『古本食堂 新装開店』が出るそうです。

楽しみにしておこう☆