日本酒王子のマリアージュ -2ページ目

日本酒王子のマリアージュ

日本酒であなたの笑顔つくります! 日本酒専門の酒屋「さくら酒店」代表の軌跡

9月23日は秋分の日でした。

決して動かすことのできない祝日。

天文学的にほぼ昼と夜の長さが同じになる日。

 

みなさん、お彼岸というのもご存じでしょうか?

「彼方の岸辺」と読み解くと

三途の川のこちらがわとあちらがわと連想できますね。

 

一年の中で2回(もう一つは春分の日前後)

こちらがわとあちらがわが一番近くなり

あの世とこの世が繋がりやすい期間。

 

その真ん中にあるのが

春分の日と秋分の日です。

 

そんな大きな意味のある日

2017年の秋分の日に

13回目となる賛否両論酒会を行いました。

 

 

 

実はこの日

賛否両論 名古屋さんで3年半勤められ

第一回目の賛否両論酒会からずっと

就き切りで私のお酒の会のサービスの担当をしてくださっていた

ゆうきさんの卒業の日だったのです。

 

 

花束に

メッセージを添えて

 

 

 

雨の日にはつくることのできない

特別なマカロンとともに

 

 

 

 

 

お客様がしてほしいことを

すぐに氣付かれて先に行動されるところは

正にサービスマンとしての鑑とすら言えました。

 

また、細やかなお心遣いとして

毎回、必ず

さくら酒店のロゴマークを模した折り紙を折ってくださいました。

 

今回は

「最後ということもあって、これまでの感謝の氣持ちを込めて

もう二つ作りました。」

「『感謝』の花言葉を持つダリアと

お酒ができたことに『感謝』を表す杉玉です」

 

「新酒ができてすぐは青々とした杉玉ですが

今回は13回目ということで時間を重ねた感謝の意味もあって

茶色の杉玉にしました。」

 

 

こんなスタッフさんがいらっしゃった賛否両論さんは

ほんとうに素晴らしいです。

ゆうきさんが卒業されても

志の高い素晴らしい方があとを継がれて

ますます素敵なお店になられるのは言うまでもないと

改めて感じました。

 

 

店舗を統括されている料理長の丹下さん。

 

本当にいつもありがとうございます。

 

遊び心と新しいアイディア

お客様にお喜びいただけるように

一緒にいつも挑戦しています。

 

【ご飯もの】

 

「今回のメインはこれじゃないですかね?」

 

通常の献立のときにはしないような方法を用いて

特別に炊いていただいた〆のご飯もの。

 

これにもお酒を合わせました。

 

【先付】

 

 

合わせたお酒たちは

先ほどのカードにも書いていましたが

この7種類

 

 

 

前もって献立を決めたうえで頭でまずは組み立て

そのお酒を持ち込んで前もって同じ料理と合わせてみる。

そこで微調整を加えたり

時には大きく銘柄や出し方を変えたりして

本番を迎えています。

 

【揚物】

 

合わせたのは日輪田でした。

 

「この組み合わせは本当に完璧だね」

 

【椀物】

 

松茸を普段よりもたくさん入れてもらいました。

 

 

【造り】

 

「こんなふうに造り醤油だけじゃなくて

いろいろと面白い醤油を作って出すところはほかに知らない」

 

そんなお声を聴くと

嬉しくなりますね、丹下さん!

 

 

【八寸】

 

この一品一品すべてに合うお酒というのはなかなかないですが

究極の食中酒『伯楽星 秋津地区特上山田錦29%』を。

 

「ワインでペアリングというのは良くあることだけど

日本酒でここまでピタっと合わせるような会は初めて」

 

 

【焼物】

 

幽庵地と合わせて香ばしい『竹雀 山廃純米ひやおろし』を。

 

日本酒が大好きな紳士からは

「このお酒が一番好きだな」

 

 

【蒸し物】

 

お燗酒にした『六十餘洲 純米』を。

 

何十年も名古屋の飲食業界をひっぱってこられているある方から

恐れ多いお言葉をいただきました。

 

「近藤君は業界の宝だな。」

 

そのご期待に添えるよう

これからも素直に、まっすぐに

日本酒を通して

文化を

価値を

発信してまいります。

 

 

 

伝える側と受け取る側の

 

料理人とサービスマンの

 

日本酒の造り手と酒屋の

 

酒屋と飲食店の

 

そして

 

関わるすべてのかたたちの

 

 

距離が近づいた

秋分の日の酒宴。

 

 

ご参加くださいましたみなさま

ありがとうございます。

 

 

 

14回目はまた

新しい出逢いが待っています。

 

 

みなさま、大変長らくお待たせしました。

 

伊勢志摩サミットで提供酒リストにも載り

同じ蔵元の純米大吟醸がランチミーティングの乾杯酒にもなり

 

世界最多出品数を誇るブラインドでのテイスティング大会

SAKE COMPETITION 2017年の純米酒部門で

堂々の第一位を獲得。

https://sakecompetition.com/?page_id=1906

 

そしてパリで行われた初めての日本酒コンクール

KURA MASTER 2017純米酒部門で

最高賞であるプラチナ賞を獲得したお酒。

http://kuramaster.com/ja/concours/comite-2017/laureats/

 

賞を獲ったお酒だから飲んでほしいのではありません。

有名で手に入りにくいから美味しいのではありません。

かたくなに生産量を守り

手造りにてこつこつと質を追求する酒造りをする姿勢を

このお酒から感じてもらいたいのです。

 

出来るだけ多くの方に味わっていただけるよう

本数は制限させていただきます。

 

お問い合わせくださいませ↓

http://www.sakurasakeshop.com/inquiry/index.html

 

 

三重県鈴鹿市【清水清三郎商店】SHIMIZU

『作 穂乃智 純米』

ZAKU HONOTOMO Junmai

 

「作」の純米3部作(酵母違い)の中でも

香味のバランスが最も優れたタイプです。

ライチを思わせる心地良い果実香と穏やかな甘みのアタック

後味の軽やかさも相まってバランスの良さが光ります。

酒名の通り

飲み手に安らぎを与えるような

優しい米の味わいを表現しています。

 

10℃前後に冷やして

小ぶりの白ワイングラスにそそぎ

アスパラ肉巻き、豚肉の山椒味噌焼き、

鮑のステーキ、じゃがいものニョッキなどとともに。

 

蔵元紹介↓

http://www.sakurasakeshop.com/maker/detail/detailG000000005_6.html#B000000073

 

 

 

 

 

フランス料理において

スープというのは

魚料理や肉料理などのメインの前に提供されて

ガツンとしたメイン料理を食べる準備を整える

という役割をしているのだと

シェフから聴きました。

 

でも今回は

これにも津島屋を合わせてしまおう!

ということで

やっちゃいましたよ。

 

【スープ】しめじのクリームスープ

 

⑥津島屋 播州産山田錦 純米 瓶囲い 25BY

 

約3年9か月熟成させたタイプで

今回のラインナップの中では一番熟成したもの。

 

5月の大阪天満宮で行われた

「上方日本酒ワールド」で特別に使用したものです。

 

上方日本酒ワールドの記事はこちら↓

https://ameblo.jp/sakurasakeshop/entry-12272720481.html

 

あれから更に5か月超寝かして

より丸みと旨みが出てきていましたので

55℃超のお燗酒にして合わせました。

 

 

「まさかスープと日本酒を合わせるなんて!」

「しめじの旨みと津島屋の旨みが本当に良く合ってるね」

 

「してやったり!」です♪

日本料理のなかで、

お椀物や鍋など

出汁のあるものをお燗酒を合わせることは良くあっても

フランス料理のスープと日本酒を合わせることは

ほとんどありません。

 

冒頭にも言いましたが

スープはあくまでも

メインのための助走、だから。

 

だけど、この組み合わせも日本酒の懐の深さを感じてもらえたな

と思います!

 

―マリアージュのコメント―

とろんと円やかなスープの甘さと酒のトロミ、穏やかさが同調。

ほくほくとした米の旨みをお燗にして引き出して、温度も合わせる。

しめじのアミノ酸をより引き立てるような下支え系。

 

そしていよいよメイン。

 

【メイン】活きオマール海老のソテー ソースアメリケーヌ

 

⑦津島屋 石狩産吟風 純米 瓶囲い 28BY

 

このオマール海老

生きたままカナダから空輸されたもの!

ソースにはオマールエビの殻を煮詰めた「アメリケーヌ」で。

海老の味噌も凝縮されて

濃厚な旨みがたまりません。

 

ぷりっぷりのオマール海老の身の弾力と旨味に虜です。

 

じつはこちらのメイン

3年半前の第一回美酒会のメインでお出ししたこともあって

私の中ではかなり感慨深いお料理。

 

合わせるお酒は

北海道さんの酒米である「吟風(ぎんぷう)」を使用した

純米酒を一度加熱殺菌処理を施して

半年弱熟成させたものです。

 

「この組み合わせは鉄板だね~」

「完璧なマリアージュ☆」

 

と言ってもらえたのも

何度もこのメニューを合わせたことがあったことや

前もって利き酒&利き食をしているからかもしれませんね。

 

―マリアージュのコメント―

ドライな白ワインのように

キレと鋭さがある吟風の後切れの良さが

香ばしいオマール海老の香りと香ばしさを引き立てて下支え。

骨組みを酒が造ることで

その上に建つオマール海老の身の甘みと

ソースの濃厚さがよりふくよかに。

輪郭は酒が最後まとめ上げてくれる。

 

キッシュに合わせた

④津島屋 信州産美山錦 純米 瓶囲い 26BY

では熟成感が強く出ていて

一口目はよかったんですが最後まではくどくなって重かった。

 

流れの中で選ぶことで

一口だけの利き酒や利き食では分からない

ストーリーや盛り上がりなども表現することができると

あらためて感じた今回のメインでした。

 

次回は

デザートとフロマージュ(チーズ)編です。