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ぺタ返しをしていた。
昨日の夕方に降っていた雨もあがり、少しひんやりする風を部屋に入れようと、ベランダの窓を全開にする。
ウチの愛犬“ナナスケ(♀)”が、窓の外をずーーーっと眺めている。
最近雨がちだった事もあり、散歩をサボっていた。
時々パソコンに向かっているさくらくんのところに来ては、クリクリした瞳で構ってもらいに来、また窓の方を眺めている。
そういや、ナナスケがウチに来てから、シゴト柄散歩はいつも夜中だったな。
もう7歳になるが、お日様が昇っている時に散歩をしたのは数える程しかない。
『ミニチュアピンシャ』
と言う犬種である。
ドーベルマンの小型犬である。
とても賢くて、他人には絶対なつかない、飼うのが難しい。
…と言うが、彼女はほとんど誰にでもフレンドリーで、決して吠えかかる事はない。
散歩中に仲良くなった犬連れのオバちゃんには大好評である。
いっつも何がしオヤツをせしめるのである。
ウチの中でも啼く事はない。
…まだ窓の外を見つめているので、
『散歩いこっか?』
と話しかける。
行く行くっ、早よイコ!!
散歩に出かける時と、シゴト以外で出かける時にだけ、彼女は声を上げる。
…。
彼女とは、さくらくんが人生で最低で最悪だった年に出逢った。
ミニチュアピンシャ=ミニピンのブリーダをしていたヒトが、あまりにいい子が生まれたので自分用にと手元に取っておいたコがナナスケだった。
ナナスケが生まれてすぐ、ブリーダーさんはガンで他界してしまった。
他のコたちは全員売りに出されたので誰もいなかったが、ナナスケだけが残ってしまった。
毎日、いろんなヒトのおうちを転々とする日が始まった。
さくらくんが働いていた店の店長が、子供の情操教育にと引き取った。
店に連れて来られた時、持ち運び用のハウスから、プルプル震えて出てこなかった。
彼女からすると、もう何度目かの光景なのだろうか??
かわいぃ~~!と取り囲んでいるオトナ達を震えながら見上げていた。
床にベタっと寝そべって、『おいで?』
と声を掛けると、そろそろっと出てきて、さくらくんに、ちゅ
とキスをして来た。
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…、でもな、ウチのコにはなられへんねんで?
と言って、ホネのカタチの笛の付いたおもちゃを買ってあげて、バイバイした。
連れて行かれた。
ディズニーの“何たら”言う名前が決まっていると言った。知るか!
次の日、息子が犬アレルギーで大変な事になった、飼う事ができないと言い出した。
ざまぁみろ!
と思いながら、犬が飼えるマンションを探し、一週間後に、新しいウチに彼女と二人で引っ越した。
たくさんの家を転々として、たくさんの源氏名を貰って、忘れられて。
そんなのは本当の名前じゃね~から、
『名無しのナナ』
と名づけた。
外面はびっくりするほどいいのだが、家の中ではあまりに傍若無人に悪さをするのでいつの間にか…
『ナナスケ』
になっていた…。
とっても甘えたで、なぜか腕枕が大好きだ。
悪さをした時、オラァ!!って怒るとオシッコをちゃ~~~~って漏らしながら逃げ惑う。
スイーツが大好きである。
アイスクリームとか食べてると手で、チョィチョィとおくれサインをする。
…。これで犬派も猫派もないでしょぉよ?愚問です。