2015年度の決算特別委員会の質疑は前回のブログまでで終了。今回と次回は、10月5日に質疑をした、今年度の補正予算についてです。

補正予算全体としては、補正額が20億1000万余で、例年のこの時期の補正と比べると金額が少なかった(例えば昨年の同じ時期の補正と比べると半額くらい)、ということがひとつの特徴としてあり、多くの会派から「なぜそうなったのか?」という意見が出ていました。

内容的にはB型肝炎ワクチンの定期接種化や今回ご報告する介護ロボットなど、国の動向に応じてやったもの、保育園の待機児対策、あとは区内事業者の景気対策ということで備品の購入や工事などがあるということなのですが、ほかに補正で対応すべき緊急のものはなかったのか、という点は気になるところでもありました。

今回のブログでは、介護ロボットのことをご紹介します。

介護従事者の負担軽減策のひとつとして、国がお金を出して事業者が導入した介護ロボットの補助をするということなんですが…手を挙げた事業所数の少なさからして、どこまで効果があるのか、気になるところです。

中途半端なものになるなら介護従事者の直接的な処遇改善にお金を使ったほうが良いのでは…という感じがしてしまうためです。

ただ、やらないうちからあまりに否定的に見るのももったいないので、少なくとも、今回の実施についてどれだけの成果があったのか、きちんととらえて今後に活かす必要があるという観点で質問しました。

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(かとうぎ桜子)
高齢者福祉施設等の介護ロボット導入助成費について伺います。

介護ロボットは、1事業所92万7000円を上限として、購入費初期設定費の補助をされるということで、導入予定の事業所は、手を挙げた15事業所ということです。この補助は、介護事業所全てが対象になるものでしょうか。区内で対象となる事業所数をまずはお聞きします。

(介護保険課長)
今回、事業の対象となりました数ですけれども、区内福祉サービス事業者のうち、福祉貸与や販売事業者を除く約700を対象としています。

(かとうぎ桜子)
対象となる事業所数が約700であることを考えると、今回、導入の予定が15事業所とはあまり多くないように思います。補助金以外で事業所の持ち出しとなる費用はおよそどのくらいと見込まれるのでしょうか。

(介護保険課長)
補助額の超える部分は、事業者の負担となる制度ですけれども、現時点では、ほとんどが補助額上限の範囲内での申請となっていますが、高額の機器の場合、補助金額の差額分、あとはメンテナンス費用を含めますと、3年間で百数十万円が別途必要となることもございますが、今回、それを選んだ事業所もあったところです。

(かとうぎ桜子)
それから、先ほどの(他の会派の)質疑の中で、導入後の効果の検証を行うという答弁があったかと思いますけれども、その点は、区としてもフォローしていくという理解でよろしいでしょうか。

(介護保険課長)
今後の機器の活用について啓発、普及でございますけれども、もちろん単に事業者任せということではございません。
今回の補助事業では、区といたしましても介護補助機器の使用状況等につきまして、しっかりと把握し、介護環境の整備に向けて取り組みを進めていくところです。

(かとうぎ桜子)
こうした取り組みが、介護従事者の負担軽減に繋がるのであればいいわけですけれども、今まで聞いたお話では、費用負担が発生する場合もある。そういう状況であると、導入できる事業所も限られてくるようにも思いますし、1台導入して一定の事業所負担が生じるとなりますと、現状では、一人一人の従事者の負担軽減にどこまで繋がるのかという点は、課題があると感じます。

国の10分の10の補助ということですが、導入後の状況については区としてもしっかり現場の声を聞き、今後の介護現場の改善に生かしていただきたいと思います。