だいぶ前の話になってしまいますが、5月下旬に気仙沼に行ってきた時のことを改めてご報告したいと思います。

2016年5月28日(土)~30日(月)まで、宮城県気仙沼へ区民の皆さんと10名で出かけてきました。3日間の様子を、3回に分けてご報告します。

2011年8月に初めて私が気仙沼を訪れ、その地の人と知り合ってから、定期的に区民の皆さんをお誘いして出かけています。
震災から時間がたつごとに、震災の爪痕は見えづらくなってきます。でも、被災した人たちが心に抱えているつらい思いや大変だと思うことは消えるわけではありません。
時間がたつほど、応援の思いをこめて訪ねていきたい、そして知り合った友人たちと継続した交流を続けていきたいと思っています。


5月28日(土)

参加者の皆さんとの待ち合わせは一ノ関駅の改札です。
私は大宮から新幹線に乗って、10時過ぎに一ノ関に到着しました。
ここで10人乗りのレンタカーを借りて気仙沼へ向かいます。
一ノ関は岩手県で、内陸にある新幹線駅。ここから沿岸部に向かって1時間ほど走ると気仙沼に到着します。

この日はすぐにフェリーに乗って大島に向かう予定。フェリーの時刻表からすると、昼ご飯の時間の確保が難しそうです。
そこで、フェリー乗り場の近くにある、おなじみの仮設商店街・南町紫地市場のコロッケ屋さんにあらかじめ電話をして、10人分のコロッケパンを用意しておいてもらいました。
そしていざ、フェリーで大島へ。




気仙沼の港から大島まではフェリーで25分ほど。2018年度には橋がかかる予定だそうです。こちら




フェリーの中から見た、防潮堤。前回来た時にはまだありませんでした。

午後2時に、カキの養殖を中心に行なっている「ヤマヨ水産」さんにお邪魔する約束です。小松さんご一家で経営されているヤマヨ水産の見学をさせていただくのはこれで3度目です。






船に乗せてもらって牡蠣の養殖のしかたの説明を聞かせていただきました。昨年うかがったときは、私はホヤに気を取られて、携帯電話を海に落としてしまったのですが、今回は無事でした(>_<)



小松さんのお父さんに「今回は携帯電話を落とさないようにね」と言われて、覚えていてもらったのがうれしいやら悲しいやら…。


そして、蒸した牡蠣を味見させていただきます。
翌日からウニが解禁なのだということでした。
ヤマヨ水産のホームページは
こちら
ヤマヨ水産の復興の様子がわかるインタビューはこちら


小松さんたちとお別れして、次は大島の亀山に向かいます。亀山からは大島が見渡せます。10人の参加者のうちの半数が初参加でしたので、ここでまち全体を確認します。






大島での宿泊先は、民宿「海鳳」。




一昨年に一度泊まらせていただいたことがある宿です。おいしい食べ物をたくさん出してくれる民宿に、再びお世話になりました。

この日は夕方、大島在住のSさんと海鳳で落ち合ってお話を聞くことになっていました。Sさんは今年89歳の女性。Sさんにお会いするのも今回で3回目です。
Sさんはつい最近まで、中学校のグラウンドの仮設住宅に暮らしていました。地域のとりまとめ役で、仮設住宅でお会いしていた時は同じ仮設の方にも声をかけて、集会室で話を聞かせてくださっていました。

5月中旬にようやく公営住宅に移れたそうです。
公営住宅には仮設の時のような集会室がないので、地域の人が日常的に集まってお茶して話すという機会が減ってしまいそうで、気がかりでした。
仮設住宅の生活が長く続く中で、そこで構築されてきたコミュニティの日常が、公営住宅に入ることで変わってしまう部分もある。特にそれは、ご高齢の方にとって負担になる部分もあるのではないでしょうか。「復興が進んでよかったね」と単純に片づけられない面があるのではないかと感じたところです。

Sさんは、ほかのボランティア団体との集まりもあるということで、1時間半ほどお話をお聞きしてお別れし、私たちは夕食です。こちらが海鳳の夕食。





前回あまりにもご飯が豪華すぎたので、今回は一番安いプランでお願いしたのですが、こんなにたくさんです。海の幸がたくさんあって、気さくなおかみさんがお話を聞かせてくださいます。皆さんも気仙沼方面へ行かれるときは、ぜひ大島の海鳳にも泊まってみてください。