この質疑も、全款補充質疑を含めても中途半端になってしまったのですが…。


2014年度、練馬駅の北側、文化センターの隣に長年あいていたスペースに「coconeri」という8階建てのビルができました。区有地に民間が建物を建てたというもので、1,2階はスーパーやドラッグストア、ユニクロといった商業施設、3,4階が区の施設、5~8階が病院となっています。


その3階にあるのが区民産業プラザで、ホールや研修会場があります。それとあわせ、区民の活動をサポートする区民協働交流センターというものがあります。


区民との協働という意味では、まず昔から社会福祉協議会の中にボランティアセンターというのがある。

区としては出張所が地域活動の拠点となっていた部分もあるし、2006年度からはNPO活動支援センターもある(ただし、NPO活動支援センターに関してはセンターの事業内容を分割して民間に委託していて、それぞれ委託した事業者の拠点で実施されているので、「センター」の拠点となるハコがあるわけではない。)。

まちづくりという観点からの協働だったら環境まちづくり公社のまちづくりセンターもある。

このように区や外郭団体が関わる「協働」の拠点となる場や事業がいろいろとあります。


そんな中でさらに2014年度に区民協働交流センターができました。

外郭団体の活動は独自性があるとしておいておいても、少なくとも区がすでに行っているNPO活動支援センターは類似しているのではないか、どう役割分担するんだろうか。あるいは、NPO活動支援センターには今まで物理的な拠点がなかったので、区民協働交流センターがそれになるのだろうか、という問題がありました。こうした点は、区民協働交流センターを運営しながら整理していくと、当時の担当者は言っていました。


区民協働交流センターは、NPO活動支援センターを受託している事業者に手を挙げてもらって委託をする形をとり、2年間運営していました。

これを今回、直営に変えるという方針が示されました。


そのことについて、質問したのが以下です。


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【地域文化費の日の質疑】


(かとうぎ桜子)

区民協働交流センター運営費について伺います。


区民協働交流センターは、区民産業プラザの中にあって、2014年度から施設の利用の案内や相談、情報の受発信などの業務を委託してきたものですけれども、来年度(2016年度)から委託ではなく直営でやるという報告が委員会でありました。2年間で形態を見直すことになるわけです。

先ほどの他の会派からの質疑を聞いていて(←今後、協働についてさらに充実していくという議論があったので)、協働のしくみを築きなおしていく一貫なのかとも思ったのですが、改めてその経緯についてご説明ください。


(地域振興課長)

北口の区民協働交流センターについては、平成27年度(2015年度)から委託する事業者を選定するに当たりましては1年間に限った委託で進めてまいりました。メリット、デメリットなどを含め検討してきたところでございます。今回、業務が拡大する中で委託を見直して進めるものです。


(※委託そのものは2014年度から始まっているので、この答弁で課長が「2015年度」と言った理由というのは、私の推測なのですが…そもそも、2014年度に委託による運営を開始する際の区民生活委員会での説明では「NPO活動支援センターとの役割分担も含め検討が必要なため、まずは暫定的な形で1年間、NPO活動支援センターの受託事業者の中から1社選んで委託します」と説明されていました。その後、2015年度もひとまずあと1年はやってもらって、その間に協働のあり方や運営のしかたを検討しましょうということになった、という意味で、今回、「2015年度から委託するにあたって」という言い方をしたのかもしれないなぁ、と思います。)


【全款補充質疑の日の質疑】

(かとうぎ桜子)

区民協働交流センターを委託から直営へ、今回2年という比較的短い期間で運営形態の変更をされるということです。先日の質疑で当初契約していた委託期間は1年間であったこと、そしてメリット、デメリットなどを含め検討してきたというご答弁がありました。


それでお聞きしたいのは、運営方法を見直すことも含め、協働のあり方を区として検討しているということは、委託するときに事業者には説明していたのでしょうか、ということと、またメリット、デメリットを検討してきたというご答弁がありましたが、委託の形態で運営してきた状況についての評価はどのようにされ、運営の見直しに至るまでの検討状況はどのように整理されてこられたのか。

以上2点を、改めてお聞きします。


(地域振興課長)

現在の事業者に委託する際、最初の段階で1年間という限った形での委託を進めてまいりました。その際に、その事業者に対して1年間、直営でする云々については、その段階でお話してきたことではございません。


今般このような形で事業見直しを進める中で、委託がいいのか、直営が良いのか検討し、進めてまいり、その結果、直営ですることを決めたところです。


その中で、来年度に向けて現事業者と打ち合わせをする中で、今般、直営への見直しを

進めていくとのお話がありました。


(↑この答弁がわかりづらいですが、たぶん、「初めから、『先々直営にする可能性があるよ』と言ってはいなかった。センターのあり方を区として検討する中で直営でやろうと決定し、決定した後に事業者に『来年度からは直営にする』と話した」という意味だと思います。)


また、この間、見直しを進める中で、メリット、デメリットなどをあげて検討してまいったところです。

今回は、この新たな業務の中に相談支援のほかに協働のコーディネ-ト、ねりまビッグバンの支援、他所管、他事業との連携をさらに進めていく中で、現在の事業者の経験、力量など、そういうことを勘案すると…


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ここでまた時間切れあせる

個別に担当者から話を聞いたところから推測すると、新たな業務で他の所管との連携、他の事業との連携などを行なっていくには、現在の事業者の経験や力量では不十分だから、直営に変更するのだ、ということを言おうとしたのだと思われます。


まず、委託期間が1年と設定されているということでは、短いスパンで再公募があるなど、同じ事業者がずっと続けていけるとは限らないということはたしかにはじめからわかると思いますが、とはいえ一般的に言って、いったん委託で始めた事業を短期間で直営に変えるということはそうあることではないので、やっぱりこれだけの変更をすることは関係者に影響を与えることだし、なぜ方針転換をするのかをきちんと示す責任が区にはあると思います。


そして、直営に変更する理由を、委託した事業者の力量のせいにするというのもあまり好ましくないですね。

委託を始めるときに「なぜその事業者にしたんですか?」と聞いたら当時の担当者が「プレゼンテーションがとても素晴らしかったんですよ」と言っていた記憶があります。しかし、やってみたら力量が不足していたというのだったら、それは事業者の問題というよりもそもそもの区としての選定のしかたが悪かったんじゃないでしょうか?それも含めて区の責任なのではないでしょうか。

個別にヒアリングした時、「NPO活動支援センターの受託事業者はNPOとの協働はできても、町会とか企業とか、違う分野との協働というのを考えたときに難しいと思った」ということも聞いたのですが、それはどうかなぁ。違う分野に関わるにあたっては顔つなぎは必要かと思いますが、協働のノウハウそのものがそこまで違うとは思えないのですが…。
都合の悪いときは委託事業者のせいにして方針転換するやり方は改めた方が良いと思います。


ただ、区民協働交流センターの運営方法や委託についての総括のしかたという点だけが問題なのではなくて、区としての協働の政策のあり方に課題があるということだとも思います。

NPO活動支援センターが複数の事業者に分割して委託されているというのもわかりづらいやり方だし、区としての協働のあり方というものが、試行錯誤というか、右往左往というか、まだ筋道がしっかりしていないという印象を私はずっと持っています

NPO活動支援センターが開始されて10年にもなりますし、改めて区としての協働のあり方を見直すことは大切と思います。