全款補充質疑で、教育費の時に聞くことができなかった、教職員研修―特に人権教育についての研修について聞きました。


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(かとうぎ桜子)

教職員研修経費について伺います。


練馬区教育委員会として職層研修、必修研修、リーダー養成研修、教育課題研修など、

さまざまな研修を企画されています。具体的にはどのように研修のテーマなどをお決めになっているのか。現場の声を反映する検討の場があるのかなど、研修の企画の仕組みを、まずはお聞きします。



(教育指導課長)

研修については、校長、副校長、主幹教諭等、そうした職層に対応した職層研修、また初任者、10年経験者など、年次に応じた必修研修、そうした悉皆の研修を行っております。それ以外にも、区では各主任、担当者等を対象とした研修、さらには教員自身が自己の課題に応じて申し込んで受講する教育課題研修を用意しています。

この教育課題研修については、各学校のニーズを把握するために、校長先生方から話を聞き、先生方の資質向上を図るような研修企画に役立てています。



(かとうぎ桜子)

ご説明いただいたように、さまざまな研修がありますが、その中で特に人権教育に関する研修について伺いたいと思います。


人権教育に関する研修は、校長、副校長、生活指導主任をはじめ、さまざまな立場の教職員への研修のほか、研究授業、視察研修などに取り組まれていますが、特にどのような観点を大切にされているかをお聞きします。



(教育指導課長)

人権教育研修については、平成23年度滋賀県大津市で、いじめを苦にした男子生徒がみずから命を絶つという事故が発生いたしました。

このことを受けまして、その後、区教育委員会におきましては、人権課題の中でも子どもの課題について取り上げ、特にいじめの未然防止を中心に研修を行っているところです。


(かとうぎ桜子)

こどもたち自身のこと、取り組みを進められているということですけれども、こどもたち自身であるとか身近な人に貧困や虐待など、生活の課題がある場合もあるかと思います。こうした身近な生活の課題について、人権の視点から理解していくことも必要だと思いますし、何か一つの具体的な課題を取り下げて掘り下げることによって、ほかの人権にも理解が広がっていく面もあると思います。


路上生活者支援をしている方から聞いた話ですけれども、ある地域で、若者によるホームレスの襲撃が起こってしまった。そこで、その自治体の全ての学校でホームレスについて考える機会をつくったら襲撃が減っていったということがあったそうです。


こうして、一つの問題を当事者の視点に立って深く学ぶことは、恐らくこどもたちにとってその問題を理解するだけではなくて、ほかの問題にも目を向けるきっかけになるのではないかと思います。

そうした実践をするためには、まず教職員がさまざまなテーマの人権の問題について具体的に知る機会を充実させる必要があると思います。研修についても、その年ごとにさまざまなテーマを取り扱いながら、問題意識の共有を進めていただければと思います。いかがでしょうか。


(教育指導課長)

人権教育研修会においては、人権教育の目標、また東京都人権施策推進指針、そして、今、子どもたちが置かれている社会状況を踏まえまして、内容について検討していくことが大切であると捉えております。教員の人権研修につきましても、教員の人権感覚の向上、また人権教育に関する理解、この二つの観点を中心に研修を企画しています。

今後も、子どもたちの人権感覚を高めるためにも、まず教員の人権教育に関する研修の内容の充実に努めてまいりたいと考えております。


(かとうぎ桜子)

ぜひさらに進めていっていただければと思います。