学校教育において、こどもや家庭の持っている課題を福祉の視点から見てサポートしていくために、スクールソーシャルワーカーの役割は大きいと考えています。

今回、教育費の質問の日に、これまでの練馬区のスクールソーシャルワークの取り組みと今後について聞きました。


-----------

(かとうぎ桜子)

教育相談運営経費に関連して、スクールソーシャルワーカーについて伺います。


スクールソーシャルワーカーは、今年度から非常勤の職を置いて実施されていると思いますが、どのような体制で学校との連携をとっているかなど、実施の状況をお聞きします。


(学校教育支援センター所長)

スクールソーシャルワーク事業は、今年度スクールソーシャルワーカーの職を非常勤として設置しまして、4人採用して当たっております。

学校支援係に配属している心理教育相談員もあわせて動いているとともに、総括指導主事がチームリーダーとなり、指導主事も加わった形で、チーム運営しています。


(かとうぎ桜子)

家庭とのかかわりの持ち方やほかの機関との連携など、学校だけだと対応が困難な部分にもスクールソーシャルワーカーがかかわっていくことができる意義があると思いますが、導入したことによる効果、また今後の課題をどう考えているか、お聞かせください。


(学校教育支援センター所長)

意義としては、不登校等の課題のあるお子さんに対して学校教育支援センターという、学校外部のセンターに所属するものが、客観的な立場で支援に当たることができたところが大きな意義だと思っております。

効果としても、学校でも課題解決に当たるという姿勢を持って取り組んでいただけるところが出てきていると思っております。


課題としては、関係機関との連携、例えば同じ教育委員会である子ども家庭支援センターとの連携、また福祉事務所等との連携をどう図っていくか、さらに密にしていく必要があると考えております。

またこの制度の学校への認識や認知が深まったことによって、同じ、例えばお子さんの状況によって支援の内容が変わるのですけれども、違う学校でこういうことをやってくれたのだから、うちでもやっていただけるのではないかというところで、ケースの違いを理解していただけないまま、同じ支援を求められることが生じています。


(かとうぎ桜子)

それから、スクールソーシャルワーカーの学校教育支援センターから派遣される形になると思いますけれども、外部から入ることによるメリットなど、今ご説明いただきましたが、そのワーカーの方々は地域割するような形になるのか、あるいはどのような分担されているのか、お聞きします。


(学校教育支援センター所長)

現在は地域割という形ではなくて、支援の内容に応じて、支援として必要な体制で、例えば男の子に対しては男性のスクールソーシャルワーカーが行くといった必要な形でやっております。

今後ビジョンに基づき、来年度は2名、平成29年度はさらに2名で、スクールソーシャルワーカー8名の体制になったときに、どういう形でやっていくか、今主体でのスクールソーシャルワーカー・ケース検討をやって、情報共有をやっておりますので、地域割するのがいいかどうかも踏まえて、慎重に地域割については検討していきたいと考えております。


(かとうぎ桜子)

それぞれの子の状況であるとか、家庭の状況などに応じて、それぞれのスクールソーシャルワーカーの専門性を生かして対応することは大切だと思いますし、また人と人の関係なので、相性もあると思いますので、そういった対応も必要と思います。ワーカーが個々に課題を抱え込まずに情報共有しながらチームで当たっていくことも大切であると思いますので、今後どういう実施体制が効果的かは検証しながら進めていただければと思います。


それで、スクールソーシャルワーカーが子ども家庭支援センター等との連携について、まだ課題があるいうお話もありましたけれども、こういった区内の社会資源を知ったり、専門性を高めるための研修はどう行なわれているのかという点と、あと個々のケース対応で課題をお感じになったときのスーパービジョンなど、バックアップの体制がどのようになっているか、お聞きします。


(学校教育支援センター所長)

スクールソーシャルワーク事業についてはスーパーバイザーからの研修を受けるほか、個々のケースについてもスーパービジョンを受けているところがあります。また学校教育支援センターは教職員向けの教育相談研修をやっておりまして、そちらも選んで出席することを可能としているところです。


(かとうぎ桜子)

その点もぜひまた進めていただければと思います。


それからご相談の内容として、先ほど不登校などを例に挙げていただきましたけれども、発達障害に関する相談も一定の数を占めているようですけれども、障害のある子への対応をどう進めて来られたか、お聞きします。


(学校教育支援センター所長)

まずお子さんに関しては学校からの依頼を受けて、お子さんを観察に行かせていただきます。そのうえでセンターに持ち帰って支援会議にかけて、支援方針を検討し、学校に提供しております。

基本的には学校教育支援センター、教育相談室も所管でございまして、そこにお子さんや家庭をつないで、対象者のお子さん適した支援や配慮について学校との情報共有ができるような形にします。スクールソーシャルワーク事業だけで、全部を対応する形ではなくやっております。