バリアフリー・ユニバーサルデザインを進めていく「福祉のまちづくり」の計画は、どちらかというとハードの面を中心にして建築の観点で進められていきます。一方で「地域福祉」はソフトの面中心に、福祉の観点で進められていきます。


議員になってから区民の皆さんと一緒にバリアフリーについて考える勉強会をしたこともありますが、必要とする当事者は福祉を必要とする当事者とほとんど同じであるはずなのに、その実現のために求められる専門性はまったく違うのだなということを感じてきました。福祉は福祉職の専門性、バリアフリーは建築士の専門性なのです。


それぞれの専門性を十分に発揮して実現させていくことは大切なのですが、でも一方で必要とする人の視点からすると別々に進むのはあまり良いことでもないとも感じていました。


今回練馬区の計画は、この両者が合体した形になります。


その中で、まちづくりを進めるにあたってのガイドラインづくりということが書かれています。

ただ、これもパッと見た時にどういうものを指すのかがわかりづらいので、今回の質問ではどのように進めていくのか、考え方を確認しました。


例えば「大泉学園駅前から図書館に行くまでのまちづくり」といったような、個別具体的な目標を設定してそれを実現するためのルールを作るということではなくて、もっと全般的に、「まちづくりを進めるにあたってどのような観点で進めていくか」ということを整理していくというのがこのガイドラインの目標であるということが分かりました。


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(かとうぎ桜子)

福祉のまちづくり関連経費のガイドライン策定支援業務委託料に関連して伺います。


このガイドライン策定は、「地域福祉・福祉のまちづくり総合計画」の中で位置づけられているもので、来年度から取り組むということですが、具体的にはどのようなものを考えているのかお聞かせください。


(建築課長)

現在策定中の「練馬区地域福祉・福祉のまちづくり総合計画―ずっと住みたいやさしいまちプラン」では、駅と周辺の主要の公共施設を結ぶ経路のユニバーサルデザイン化を進めるため、平成31年度末には整備や維持管理の基本的な考え方を定めたガイドラインを策定し、主要駅周辺の経路を指定することを目標とする予定です。


ガイドラインの具体の内容については、これからの検討となりますが、例えば、建築物、交通機関、道路、公園、それぞれが相互につながりを意識した整備や維持管理が行われるよう、連携の手法や具体的な配慮点を示していければと考えております。


(かとうぎ桜子)

計画自体は平成31年度までというお話が今ありましたけれども、その中で、ガイドラインについては来年度についてはどのように取り組まれるのか。ガイドラインができた後にはどういう活用が考えられているものなのかをご説明ください。


(建築課長)

来年度はこのガイドライン策定のため、主だった駅周辺や施設のバリアフリー化などの状況調査等を行っていく予定です。


活用に関しましては、利用者の視点から駅や施設、道路や公園などのつながりをより円滑にするうえで、配慮すべきポイントを整理して、各部署が連携して改善に取り組むための仕組みづくりといったものに活用してまいりたいと思っております。


(かとうぎ桜子)

このガイドラインをつくるに当たって、障害のある方など、配慮を要する当事者の声はどのように取り入れるのかをお聞きします。


(建築課長)

施設の整備や管理については、障害のある方や子育て世代の方など、さまざまな区民のご意見を取り入れていく必要があります。そうしたことがありますので、例えば、ワークショップの実施などについても、来年度の調査委託の中で検討してまいりたいと考えております。


(かとうぎ桜子)

今回つくられる予定のガイドラインは、具体的にどこかの駅を想定して、ここをどうするとか、そういうものというよりも、福祉のまちづくりを進めるにあたっての全体的な考え方の整理になると思いますが、取り組みが区民にも、また当事者である方々にもわかりやすい形で進めていただきたいと思います。