現在練馬区は、ごみの収集の仕事の委託を進めていこうとしているのですが、本文中にもあるように、ごみの収集の仕事は、集積所の場所を知っていたり日々の状況を見ることができるために区民の皆さんの生活の課題が良く見える現場でもあります。

そのため、集積所までごみを出せない方に戸別に収集するといった対応や、福祉と連携しながら家を片付けられない方へのサポート、また災害時の対応を想定した訓練を日々行なうといった対応をされています。

ただ「ごみを回収する」ということだけやればいいという観点で委託を進めると、こうした日常の中の課題への対応ができなくなってしまいます。


練馬区はその点は配慮しながら委託を進めるということでありますが、定年退職する職員がいても新規採用はしない形で区職員を減らしながら委託を進めていくので、区職員の中にだんだん若い人がいなくなってノウハウやスキルの継承をしていくことが難しくなる課題もあります。

委託をする際に委託先の現場との連携を進めることに加え、現場職員の年齢バランスを考慮した計画が必要であるということ、それらを考えるとはじめから委託ありきで進めるのではなく、しっかりと検証しながらあり方を考えていく必要があるという観点で質問をしました。


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(かとうぎ桜子)

可不燃ごみ収集業務委託経費に関連して伺います。


可燃ごみ、不燃ごみの収集事業について、区は環境まちづくり公社に委託していくという方針を出していて、2014年度から委託化の準備をし、2015年度、今年度から開始されていると思います。どのような考え方で行なわれているか、改めてご説明ください。


(清掃リサイクル課長)

今回の委託は、まず可不燃ごみの収集部分、そこの部分のみ委託するものでございます。段階を経まして順次収集作業の部分を委託していくことで、初年度につきましては作業量の全体の3割程度委託しております。練馬地域、石神井地域、同数を委託しております。


委託の内容でございますが、収集作業員による収集作業のみでございます。その収集作業の最終形は6分の1が直営で残し、6分の5を委託で行うと考えているところでございます。


(かとうぎ桜子)

公社に雇用されている現場の方は、資源循環センターからの作業に向かっていらっしゃるのかどうかという状況であるとか、あと直営と現場レベルでどう連携しているのか、また今年度実施して見えている課題など、お感じになっていることをお聞きします。


(清掃リサイクル課長)

まず最初に資源循環センターから収集作業に向かっているのかですが、こちらは向かっておりません。具体的には桜台にございます桜台事業所から練馬地域は出向しております。また石神井地域につきましては、石神井清掃事務所内に石神井分室を持ってございまして、そこから収集作業に向かっている形態になっております。


委託による区の直営との連携の部分ですが、最初に収集作業を委託するに当たっては、区での収集のルール、安全作業の学習、違反排出物への対応で、さまざまな知識を習得していただきたいこともございましたので、公社で従事される職員の方々に、事前に現場の状況を含めた研修で、現場の作業の中でどういったことをやっているかで、情報提供したり実際に体験していただいたりで学んでいただくということでスタートしております。


41日以降、回収を始めまして、まだなれるまでは時間がかかるとか、細かなところでの相談ごとがあるところについては、区にご相談いただきましたときに、現場で実際に行なっているノウハウをお伝えしていくところで、遅滞なく練馬区全域を公社の部分、それから区の直営の部分、収集作業は遺漏のないように、安全作業で行えるようにということで配慮しているところです。


(かとうぎ桜子)

2014年度に委託の準備を始める前に、委員会でこの報告があったかと思いますが、その資料を見ていると、普及啓発や排出資料については区の直営として残していくという考え方があることや、あと6分の1は直営で残すことを、先ほどもご説明ありましたが、これは災害時の対応を想定していると資料には書かれておりました。

ごみの収集事業に当たる現場の方が集積所の状況など、区内の全体像を把握していることや、収集を通じて感じる課題を啓発に生かしていくこと、災害時の対応や高齢の方への対応など、果たす役割は大きいと思います。そういう意味で区としてのノウハウを積み重ねて、普及啓発などを充実させていくために職員の年齢バランスを保って、人材育成することも必要と思います。その点については区としてはどう捉え、取り組んでいかれるか、お聞かせください。


(清掃リサイクル課長)

一度に全て委託することではなく、順次そういった形の中で、指導、監督業務へシフトしていくことを考えております。

現在、この委託を契機に、清掃事業のあり方そのものについても、区として今後どういった形でやっていくことが、より区民サービスに広く対応ができるのかという視点で、検討を進めているところでございます。年齢バランスも含め、技術の継承、知識の継承のところも現在いる職員の中で現場の実際の作業の中で引き継がれていくものと思っております。ですので、そういった視点での研修も積極的に取り入れているところです。


(かとうぎ桜子)

現場での引き継ぎであるとか、研修というお話がありましたけれども、そういった研修と加えて、年齢バランスが偏らないようにしていくことも、きちんと取り組んでいただきたいと思います。