決算特別委員会の最後に、各会派から賛否とその理由を述べる「意見表明」をします。



経常収支比率のことは実は一般会計歳入の日に意見を言いかけて時間切れで完全に中途半端に終わってしまったので、改めてこの意見表明で述べました。


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市民ふくしフォーラムとして、2014年度一般会計、国民健康保険事業会計、介護保険会計および後期高齢者医療会計の決算の認定に反対し、意見を述べます。


2014年度決算は経常収支比率が86.1%で、目標としている70~80%を上回っており、財政の硬直化の傾向にあるとの説明がありました。

しかし、経常収支比率を上げる要因となる経常的な経費には区民に対する継続的な事業、特にソフトの面の事業にかかる費用が多く含まれています。

また、全国的に見て経常収支比率が80%以下の自治体は現状で多くはありません。そんな中でも経常収支比率を80%以下にするという観点から財政の判断をするために、相談窓口の充実や当然保障されるべき人権にかかわる事業までもコストの視点から判断されることにつながっているのではないかと考えます。単に経常収支比率が高いか否かで練馬区政を判断するのではなく、経常的な経費に含まれているソフトの面での区民への継続的な支援についての評価と検証の指標も設けて判断していくべきです。

以下、意見・要望を述べます。


・セクシュアルマイノリティーなど、区民の個別具体的な課題について相談を受けられる体制づくりをすること

・相談を受ける職員が二次被害を及ぼすことがないよう、人権に関する研修を充実させること

・ストレスチェックを行う際には、ストレスチェックそのものが職員の負担にならないよう配慮し、また区としての職場環境の改善に生かす方法についても職員の理解を得ながら進めること。

・男女共同参画センターの喫茶コーナーが使われないままになっているが、早急に活用についての方針を示すこと

・マイナンバー制度は個人情報の保護という観点で課題も大きいことから、区としてもコンビニ交付のあり方など改めて慎重に検証すること

・郵便局での住民票等証明書の発行は、当初の想定を大きく上回る利用がされており、現場への負担が懸念される。また、なりすましを防ぐために郵便局でできる業務が限定されているが、それが区民にとってわかりづらさのもとにもなっている。このように郵便局委託には課題があることから、再度出張所での対応に戻すなど、郵便局委託の実施状況と今後について改めて検証すること。

・高野台運動場の安全性については早急に利用者が話し合う場を設け、区として安全対策について誠意をもって対応すること。

・区民・産業プラザは、産業振興の視点だけではなく、区民が地域活動をするための拠点として有効活用できるようにすること。

・災害時の福祉避難所について、各施設でのマニュアル作りや当事者・地域住民が参画する訓練の体制の充実などを早急に図ること

・自殺予防対策は手をゆるめず進めること。若い人に対する自殺予防事業など、他の自治体の先駆的な事例を参考に工夫をすること

・生活保護への対応においては、生活保護バッシングに屈することなく、当事者に寄り添う視点に立って実施すること

・生活困窮者自立支援法にかかわる事業の実施は多機関で行われているが、連携をしながら当事者の視点に立ったサポート体制を作ること。

・鉄道駅バリアフリーについては大規模な工事を要するものだけではなく、案内表示の工夫といった点についても改善を進め、進捗状況を区民に分かりやすく周知すること。

・協働推進拠点事業について、より活用が図られるよう、ホームページ等の広報の工夫をすること。

・若年層の自殺が9月1日前後に多くなるという自殺対策白書の分析結果をふまえ、いじめの相談窓口を書いたクリアファイルの配布時期は夏休み前にするなど工夫すること。また、相談機関ではいじめ以外の相談も受けられることもこどもたちに伝えていくこと。

・インターネット上のいじめや犯罪の予防については、引き続き啓発に取り組むこと。また、こどもたちが困りごとを持った時にインターネット上に居場所を求めることもあることから、インターネットの危険を伝えるだけではなく、困ったときの相談機関についてもあわせて周知を図ること。

・障害のある子が納得できる進学先を選択できるよう、区立小中学校における重複や重度の障害などへの支援体制を充実させること。

・児童館の中高生の居場所づくり事業は重要なとりくみであることから、さらなる充実を図り、対象となる中高生に向けての情報発信もさらに進めること。

・青少年館において積極的に青少年からの相談を受ける工夫をするなど、区の青少年施策の拠点としてさらなる活用を図ること。

・在宅で子育てをしている保護者のレスパイトのため、体育館・図書館等での一時預かりなど、初めて子育て支援を利用する人に手の届きやすいサービスのあり方を検証すること。

・介護保険制度は改定のたびに複雑でわかりづらくなっている。利用者・家族に分かりやすい情報発信に努めること。

・国民健康保険は特に生活に困窮していると思われる世帯への支援のあり方について、区としても検証をすること。


以上で意見表明を終わります。