決算特別委員会・保健福祉費では、災害時の福祉避難所について質問しました。


東日本大震災以降、福祉避難所については機会があるたび繰り返し質問していますが、まだまだ十分な体制が取れているとは言えないため、今回も質問したというわけです。


-----------


(かとうぎ桜子)

災害時要援護者対策費に関連して、福祉避難所について伺います。



東日本大震災以降、福祉避難所の整備の課題については、折にふれ質問してきましたが、最近の状況について確認していきたいと思います。



災害が起こり、避難が必要になったときには小中学校の避難拠点に避難しますが、障害があったり高齢で一般の避難所生活が難しい事情がある場合、二次的な避難場所として福祉避難所が開設されます。



ふだんは福祉施設や特別支援学校として運営している施設が福祉避難所となりますので、開設に当たってはもとの施設利用者の安全確保が第一にあったうえで避難所としての受け入れ態勢を決める必要があるという特性があります。



また、災害時に福祉施設の職員がどれだけ迅速に参集できるかという問題もありますし、さまざまな種類の障害のある人が来られる中で、適切な対応をとれる体制づくりなど、課題が多くあるかと思います。



そのため、区としての考え方の整理をすること、施設ごとの状況に応じたマニュアルをつくること、実効性のある体制をとるための訓練の充実を求めてきました。



区としては、2013年の末に、区としての全体のガイドラインを策定し、2014年初めに、区から各施設に対してマニュアルを整備するよう説明会を開いたと聞いていましたが、しかしその後、まだ全ての施設でのマニュアル整備には至っていないようです。現段階ではどのような状況にあるかお聞かせください。



(管理課長)

福祉避難所です。現在、38か所指定しているところですが、そのうち9か所について個別のマニュアルが策定されているところです。


また、社会福祉事業団が管理する11の施設については、社会福祉事業団としてのガイドラインが策定されているところです。


今年度、福祉避難所に無線機を配備する予定になっていますので、その説明会などの機会を捉えまして、マニュアルの作成を促していきたいと考えています。



(かとうぎ桜子)

まだ整備の途中であるというご説明だったかと思いますけれども、マニュアルをつくることは、ただ書面としてマニュアルをつくることが目的というよりは、それぞれの施設がその施設ごとの物理的な制約や特徴、近隣の避難拠点との距離などの状況を踏まえて、災害時の体制について改めて考えていくきっかけになるという意義があるものだと考えます。


そういう意味では、ぜひ各施設に福祉避難所の体制整備について検討する時間を持つよう、引き続き働きかけをしていただきたいと思います。



あわせて、福祉避難所における震災訓練の状況について伺いたいと思います。


年に2回行っている区の一斉震災訓練のときにあわせて福祉避難所の訓練も実施されているかと思いますが、最近の実施の状況についてお聞かせください。



(管理課長)


平成26年度ですが、高齢者福祉施設、障害者福祉施設、あわせまして9施設において訓練を実施したところです。



(障害者施設推進課長)

私からは、障害者福祉施設におけますこれを例に、訓練内容についてお答えいたします。


避難所として運営できるような各種設営、あるいは発電機等の捜査の訓練、あるいは近くの避難拠点場所からの車椅子による利用者の搬送といったことを行ってまいりました。また、近隣の町会や商店街などからも参加いただきました。訓練ごとにさまざまな課題を設定し、実地の確認を行い、適切な対応ができるように努めております。



(かとうぎ桜子)

訓練を実際にやった状況をご説明いただきましたけれども、実際に避難スペースをつくるなど、行動してみることによって気づく課題もあるかと思います。


現在は全ての福祉避難所で実施しているわけではなくて、順番にやっている、区の担当の方もかかわりながら実施している状況かと思いますけれども、震災が実際に起こりますと、訓練のときのように手厚い職員体制で実施できないことを考えますと、訓練する際にも全ての福祉施設で一斉に訓練をやっても支障が出ないようにしていく必要があると思います。


また、こうした訓練をきっかけに、地域で暮らす障害のある方と障害のない方が知り合うことができるという意味でも、小中学校の避難拠点と合同で訓練をすることや、障害のある当事者の方が参加しての訓練なども実施する必要があると考えております。


今後に向けて、区としては福祉避難所の体制についてどのように課題を捉え、取り組んでいかれるかをお聞きいたします。



(管理課長)

避難所に係る訓練ですけれども、ご指摘のように、さまざまな形が考えられるところです。一方で、先ほどご答弁申し上げましたとおり、個別の施設のマニュアル策定もこれからという施設が多い中では、一足飛びに訓練内容をさまざまな形で充実を図っていくことは困難です。


既にマニュアルが策定されている施設において、それぞれの状況に応じて充実を図っていくとともに、今年度は、先ほども申し上げましたように、無線機の配備を予定してございますので、一斉通信訓練を実施したいと考えているところでございます。


また、マニュアル等が作成されていない施設においても、可能な訓練内容から実施するよう、機会を捉えて働きかけてまいります。



(かとうぎ桜子)

もう東日本大震災からは4年半の時間がたっておりますし、いつ大きな災害が起きてもわからないということがありますので、ぜひ早急に取り組んでいただきたいと思います。