9月17日の決算特別委員会は、前回のブログでご紹介した「地域文化費」とあわせて、「区民費」についても質問をすることができる日でした。

とはいえ質問時間が全体で7分なので、この2問目の質問は途中で時間切れになってしまいがち…ここでは質問したかった趣旨も書き加えながらご紹介します。


住民票等の発行を昨年度から郵便局に委託しているということについて質問をしました。


練馬区では従来、地域の出張所(区内17カ所)に行くと引っ越しなどの手続きもできるし住民票等の発行も窓口でやることができていました。

それが2008年、行政職員の削減を目的にして再編がおこなわれて、区民事務所4か所・出張所13か所という形に分かれました。4か所の区民事務所では手続きもできるけれど、出張所ではできなくなった。そして出張所では発行しかできなくなりました。


できることが減ったので、2008年以降、出張所の利用者数は減ってきていました。そこでさらに行政改革だということで、昨年度から出張所での窓口での住民票等の発行はやめて、出張所では自動交付機での発行しかできなくなりました。(区民事務所は4か所から6カ所へと増やされました。)


ただし、出張所というハコがなくなるわけではないので、そこを開けている以上、少なくとも3人の職員体制をとらなくてはならない。今、出張所の役割の見直しは進められる一方、現状で出張所の職員がやっているのは、「ここでは住民票などの発行はできないんですよ」などの案内が中心ということになります。どうせ3人職員を置かなくてはならないなら、なんのために住民票等の発行をやめるんだろうか、という疑問もわきます。


自動交付機でもってなんでもできるならいいですが、たとえばご高齢の方の中には自動交付機の使い方自体が難しいという方もいらっしゃるかもしれない。


たとえば介護保険等、行政の手続きで税の証明の発行が必要だけど、具体的に何をもっていけばいいのかわからない、という方もいらっしゃるかもしれない。


相続の手続きで戸籍が必要だけど、具体的にどこまでの書類を入手すればいいのかわからない、と言う方もいらっしゃるかもしれない。


やはりそうした対応は窓口でないとできないのです。




でも、窓口での証明書発行は、区内6カ所の区民事務所に行かなければならない、ということでは、区民の負担が大きくなる。


そこで、出張所の近くの郵便局の窓口で申請すれば証明書を発行できるようにしましょう、という委託をしました。昨年(2014年)7月から始まった始まったサービスです。



区内にあるすべての郵便局でできるわけではなく、11カ所のみです。そして必ずしも出張所の直近の郵便局とは限らないというわかりづらさもあります。(郵便局側も、一定規模の郵便局でなければ新たな業務をすることが難しいという事情があるため。)


また、なりすましによる証明書の悪用を防ぐため、本人確認は厳密に行う必要があります。そのために郵便局で証明書をとれるのは本人または住民票に一緒に載っている家族だけです。委任状を持ってきた人や弁護士さんなど代理人は郵便局では発行できません。



まだこれが始まったばかりのころ、たまたま私が郵便局に行ったら、ちょうど証明書発行をしたいと思ってきていた区民の方がいらっしゃったのですが、その方がほしかったものは郵便局での発行の対象にならず、区民事務所に行かなければならないものだったようです。

何が郵便局でできて何ができないのか、一見してわかりやすいものではないので、その方はとても納得できない様子で、「なぜここでできないのか」「なぜわざわざここからバスに乗って区民事務所まで行かなくてはならないのか」「もし区民事務所に行ってもさらに〔ここでもできない〕と言われたらどうしてくれようか」とおっしゃっていました。

つまり、たらいまわしにされたような不信感をお持ちになったのだと思います。


申請窓口の役割は、単に申請を受けて発行をするという事務をやるだけではなく、区民にとってわかりづらいしくみを解きほぐしながら本人にとって本当に必要なものを提供するということがあると思います。郵便局委託をすることによって、しくみが複雑になり、その分かりづらい説明までを委託先である郵便局の職員に負担させているということは疑問に思いました。


しかも委託の仕組みは、委託料としてまとめて払うわけではなく、1通発行あたり160円+消費税の出来高払いです。受託をしたからといって郵便局側が新たな人の配置をできるわけではないしくみなのです。


さらに、始まって蓋を開けてみたら当初想定していたよりも2~4倍の利用があり、そういう意味でも郵便局側の負担は大きくなっているのではないかとも思います。


この1年の検証をし、今後の方針を明確にすべきと考えます。



-------


(かとうぎ桜子)


次に、再編関係経費の中の証明書交付等業務委託料に関して伺います。



郵便局での住民票等の発行件数について資料をいただきました。昨年、郵便局での住民票等の発行件数は、局によってばらつきがあるというお話が先ほど(ほかの会派の質疑の中で)ありましたけれども、全体としては、委託が始まる前に想定していたより、2倍から、多いときでは4倍ぐらいの件数になっている月もあるかと思います。郵便局では、発行できるものが限定的で、区民事務所に行ってもらうようにご案内する必要もあり、郵便局の職員の方の負担が大きかった部分もあるのではないかと思います。そして個人情報の取扱という課題もあるかと思います。


この間の状況をお聞かせいただきたいということが1点と、それから、状況の検証をして、改めて区議会や区民の皆さんに報告する機会を持っていただきたいと思いますが、その点について、お考えをお聞かせください。


(戸籍住民課長)

昨年7月から、郵便局の方に、私どもの証明書の発行業務を委託しております。委託を始めた平成26年7月当初については、郵便局側も区側もお互いになれない状況だったことから、長いところでは30分から40分お待たせした状況もございました。



現在は、双方もなれてスムーズにいっているところから、5分、長くても10分程度で発行している状況です。郵便局側でも、11局合計で月4,000件程度で対応ができていると考えております。また、6月が住民税の証明の切りかえの時期で、非常に証明の発行が多い時期です。それに合わせて、ファックスの回線等を増やして対応しているところです。



現在、そういった意味で検証を進めているところでございますが、必要に応じて議会にご報告していきたいと考えています。



(かとうぎ桜子)

私がたまたま郵便局に行っているときに、発行してほしいという区民の方がいらっしゃって、区民事務所でないとできないものだったので、わざわざ区民事務所に行かなければいけない理由であるとか、納得できない様子もあったりしたので、窓口の対応は丁寧に検証していただきたいと思います。