今日ご紹介するのは、災害が起こった時に、サポートがないと自力での避難が困難な「災害時要援護者」への対応、また一般の避難所での避難生活が困難な人を受け入れる「福祉避難所」についての質問です。

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(かとうぎ桜子)
福祉の視点からの災害対策について伺います。

第一点目に、災害時要援護者名簿について伺います。
今年度、練馬区では災害時要援護者名簿にすでに登録している人の現状を確認し、内容を見直していくと伺いました。登録されている方がどのような障害を持ち、どのようなサポートを必要とするのかなどを記入していただくことによって、避難の際の役に立てる方針であると伺っていますが、具体的にはどのような内容にしていくのでしょうか。まずはそのお考えをお示しください。

国が示している「災害時要援護者の避難支援ガイドライン 」では、要援護者の避難支援に関する全体的な考え方と、ひとりひとりの個別計画を策定することが推奨されています。練馬区では地域防災計画の中に要援護者に対する考え方が書かれていますが、他自治体では、地域防災計画とは別に要援護者についての詳細な計画作りをしているところもあります。
たとえば東久留米市 では地域防災計画とは別に「災害時要援護者避難支援計画」という全体計画を作り、要援護者に特化した災害時の対策についてまとめたうえで、避難所の支援者と連携しながら要援護者一人ひとりの避難のための個別計画を定めるルールを作っています。

震災でがれき等が発生して、まちが普段と様変わりすれば、たとえば車いすを利用している方は道がふさがれた状態になるなど移動が困難になりますし、目の見えない方や知的障害のある方にとっても困難が生じると考えられます。このように、それぞれの障害の特性に配慮し、個別性を重視した備えが必要ですので、それぞれの障害の状態を確認するのみならず、今後、避難拠点と連携を図りながら個別計画をつくっていくことも必要と考えます。この点について、区の方針をお示しください。

また、東久留米市では、個別計画の中で、それぞれの障害別にどのような困難が想定されるかをまとめています。実際に災害が起きた時に、障害のある人等の困難を少しでも軽減するためには、こうした支援のためのマニュアル作りや、避難拠点のメンバー向けの研修が必要と考えます。今後どのように取り組まれるか、考えをお聞かせください。

次に福祉避難所について伺います。
現在、区は福祉園やデイサービスなど36ヶ所と協定を結び、1554人の受け入れの計画を立てていると伺いました。1月の健康福祉委員会では、福祉避難所の開設・運営や物資等についての基本的な考え方が示されました。しかし、実際にスムーズな運営を進めていくためには発災後の各施設の職員体制や施設の利用者と避難者のすみわけなど、詳細な想定とルール作りが必要です。

そこで、まず、職員体制について伺います。福祉避難所における職員体制は、区役所の業務継続計画で検討されたのと同様にそれぞれの施設で、発災後どのくらいの職員が駆けつけられるかなどの詳細な検討が必要と考えます。各福祉避難所での職員体制の想定とマニュアル整備についてどのように検討を進めているのか、考えをお聞かせください。

次に現場との協議の状況について伺います。
要援護者がどのような障害をお持ちになっているか、その特性によって災害時の困難は異なります。また、福祉避難所となる福祉施設についても、それぞれの施設の特性によって災害時の課題は異なると考えられます。福祉避難所のスムーズな開設と運営のためには、現場との十分な話し合いが必要ですが、現在の段階で当事者団体や施設からどのような聞き取りをしているのでしょうか。お聞かせください。

東日本大震災では一般の避難所のバリアフリー化が不十分なために障害者が避難をあきらめて、救援物資も十分に届かない自宅での生活を続けたケースもあったと聞きます。東京でもいつ大震災が起こるかわからないといわれている今、福祉避難所について早急な整備をする必要があります。詳細なマニュアルの策定や福祉避難所における震災訓練の実施など、今後の具体的なスケジュールをお示しください。


(福祉部長)
災害対策についてお答えします。
まず、災害時要援護者名簿の見直しについてです。
区では、大災害が発生した際に自力で避難することが困難な方を災害時要援護者の名簿に登録し、現在は3万人を超える方々が登録されています。
災害時の安否確認や避難誘導等の支援をより確実に行うためには、災害時要援護者一人一人の視覚、聴覚の身体的状況等、具体的な安否確認活動を行ううえで有用な情報が必要です。名簿の創設から6年が経過したことから、情報の更新とあわせた見直しを現在進めております。

次に高齢、障害等の特性に応じた個別計画についてです。現在、区では、災害に備えて平時から用意しておく事項等についてまとめた「災害にそなえて」という対応マニュアルを高齢者、障害者等それぞれの対象別に作成、配布し、災害時の備えとして周知・啓発に努めております。

今後、今年度実施する災害時要援護者名簿の見直しを契機として、防災会、民生・児童委員をはじめとする、支援の担い手となる地域の方々と共に、災害時における要援護者の支援について理解の共有を図ってまいります。

次に、福祉避難所については、基本的には、福祉避難所に指定されている福祉施設の職員がその運営を担うこととしております。大規模震災の発生時においては、初動対応マニュアルに基づき、各施設職員が自分や家族の安全等を確認したうえで参集し、福祉避難所の開設にあたることとしております。
福祉避難所の設置にあたっては、今後も、様々な機会において、当事者や施設職員の御意見を伺いながら準備を進めてまいります。

福祉避難所開設訓練については、毎年、区の防災訓練実施時にあわせ、施設を特定して行うとともに、運営マニュアルについては、その内容の見直しを訓練を踏まえて行っており、今後も、不断の見直しを進めてまいります。
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福祉避難所については、上記の内容だとなかなか具体的なことが見えてこないので、もう少し調査してまた報告したいと思います。