ブログの更新の間があいてしまいましたが、今回から数回にわたって、いま開かれている議会で質問した内容をご紹介します。

まず、指定管理者の労務環境調査について。

今年の春の予算委員会のときにも質問した内容ですが、練馬区は地方自治法上に位置づけられた「指定管理者制度」を使って、多くの区立の施設の管理・運営を民間事業者に任せています。

区民の皆さんが利用されている施設の多くも、そこで対応する職員は公務員ではなくて民間事業者の従業員が増えているわけです。

そこで働く人は、非正規である場合も多いのですが、その労働環境の改善については区は、「事業者の責任」「管理・監督は国の責任」という姿勢です。

しかし、区の業務を任せているのに、現場で働く人がきわめて厳しい状況におかれているのは問題です。

春に質問した内容はこちら に載せていますので、まずはご覧いただきたいと思いますが、指定管理者に対する労務環境調査を行うようにはなったものの、その調査内容の情報公開が十分でないので、今回はその点について質問しました。


---------(以下、質問内容を要約したものです。※実際には行政側の答弁は語尾が「~でございます」となっているのですが、そのままだと読みづらいので「~です」という形に変えています。)--------

(かとうぎ桜子)
労務環境調査委託料のところから、指定管理者の労務環境調査について、伺いたいと思います。
以前、予算の際にも質問をしましたけれども、労務環境調査は、社会保険労務士会に委託して行っているということですが、この調査によって見えてきた課題を区としてはどう捉えて、そして、区として課題の解決についてどうかかわっているのか、まずは改めてお聞かせください。


(経理用地課長)
労務環境調査から出てきた課題ということですが、一定程度、労務環境については、きちんとした対応がされているということでありますけれども、いくつかの点で指摘があったということです。
それについては既に対応していただいているということです。

労務環境調査について、区としましては、区は直接、従業員の労働環境についての監督権限というのを有していないということがありますので、第一義的には事業者において結果を踏まえた改善をしていただくということで、区はその改善を促すということです。

そういったところから、実効性といったことについて若干の課題があると考えているところでございます。


(かとうぎ桜子) 
労務環境調査の結果、改善された内容も含めて、モニタリングの中で行政から公表するという形をとっているかと思いますけれども、労務環境調査で、指定管理者が適切な運営をして、改善すべき課題に対応しているかどうかを議会としてもチェックしていくためには、行政が内容を判断してモニタリングとして公表するというだけではなくて、より詳細な課題についての情報公開を進めるべきであると思います。
区として、この点についてはどうお考えでしょうか。


(経理用地課長) 
労務環境調査の調査結果については、公表すべきというご意見をいただいているところは承知しています。

ただ、この調査結果については、事業者の内部情報ですとか、従業員の個人情報といった内容も一部含まれているものです。
また、この調査のそもそもの趣旨ですけれども、事業者における労働環境の不備を摘発するといった目的ではなくて、調査結果を踏まえた事業者の自主的な改善努力を促して、施設の管理運営のさらなる向上を目指すといったことを主眼としておるものです。

そういったことから、調査結果そのものを公表するということについては控えさせていただいているところですので、ご理解いただければと思います。


(かとうぎ桜子)
事業者の情報の公開というのは、なかなか困難な点があるということですけれども、ただ、民間の事業者であっても、区の業務であるとか施設の管理を受けているということで、公的なお金を使って仕事をしていただいているという意識も、さらに業者にも高めていただく必要があるかと思います。
それから、労務環境調査でどういった調査を行うのか、どのような資料を必要とするのかということ、この数年間行ってきた調査の内容を検証して整理し、事業者と指定管理について協定を結ぶ際に、あらかじめ、「こういったことが必要だ」ということを示しながら理解を得て、さらに情報公開と透明性の確保を図っていっていただきたいと思いますけれども、今後についてのお考えをお聞かせください。


(経理用地課長)
労務環境調査は、平成22年度は12団体行いました。23年度は2団体ということで、今年度は12団体ということです。そういったこれまでの結果のある意味データベース的なものについては、まだまだ不足している部分があります。
たとえて申しますと、単体の事業者の場合は比較的簡単ですけれども、JVを組んでいる場合について、例えばどのような形で調査をしたらよいのかといったことも含めまして、本年度についても今、ちょうど調査をしているところではありますけれども、調査方法について、まだ一部試行錯誤でやっているという部分もございます。

もう少し案件を積み重ねまして、具体的にこういった調査をするとか、こういった場合に調査をするとか、あるいはこういった指摘が多かったということを、もう少し具体的に事業者のみなさんに、例えば公募の段階であらかじめお示しをするということができるかどうかということも含めて、今後検討していきたいと考えておるところです。


(かとうぎ桜子)
ぜひ調査の内容をどういう内容にしていくべきかということと、どういった形で情報公開していくかという点については、しっかり整理してルールとして明文化する方向で検討していただきたいと思います。