【かとうぎ桜子の質問】

がん検診の啓発についてうかがいます。

がんは、種類によっては検診で早期発見、早期治療をすることができるものですが、練馬区民の検診受診率は、一番受診率の高い大腸がん検診であっても22%程度というように、まだまだ低い状況にあるとうかがっています。

私自身、定期的な子宮頸がん検診を受けるようにしていましたが、昨年末に受けた検診でがんが見つかりました。子宮頸がんは9割がた、定期的な検診を受けていればがん化する前の異常の段階で発見することができるといわれていますが、私はがんにならないと見つかりづらいタイプのものでした。でも早期に発見できたため、比較的軽微な手術で治療が終わりました。

この経験を通じ、私は身近なところから啓発を進めなければと、周りの友人知人に検診の大切さについて話をしていますが、「検診を受けたほうがいいとわかってはいるけれど、仕事や子育てなどで忙しいからつい後回しにしてしまう」とか、「自分では健康のつもりでいるけれど、もし検診によって病気が見つかったとしたらショックだし後のことを考えると怖くて受けられない」などの声を聞きます。早期発見・早期治療が大切だということは頭では理解しているつもりでも、やはり自分の身には起こり得ないことであると考えがちなのではないかと思います。

しかし、病気になれば一定期間仕事を休まなければならなかったり、経済的な負担もあります。こうした普段の生活の延長上にがんという病気が起こってくることを実感の持てる形で啓発していくこと、また病気の有無にかかわらず自らの体について正確な知識を持ち、体を大切にすること、健康について向き合う習慣をつけることの大切さを感じます。

新聞報道によれば、豊島区では今年度から、小学校6年生と中学校3年生を対象にして、がんについての教育をすることによって、子どもたちがご家族とがんについて話し合うきっかけづくりをして、区民の検診受診率の向上を進めるとりくみをするということです。そこで質問します。

★がんになる人が増えているということは、親ががんと闘っているお子さんも多くいるということです。そうした子ども達が、がんの正しい知識を得るという意味でも、学校においてがんについての教育を行うことは有効であると考えます。練馬区でも取り組みをすすめるべきと考えますが、お考えをお聞かせください。

★豊島区のとりくみでは、教育のための資料を独自に作成し、実際にがんを体験した人の話を載せるといったことも行っているようです。自分自身にも起こりうるものとイメージするためには、実際の体験談を聞く機会は、子どもの教育のみならずおとなへの啓発の点からも必要と考えます。区としてどう取り組むか、お考えをお聞かせください。

★がんをはじめ、私たちが病気になったときに、突然ふりかかった病気に振り回されることなく、自らの体の状態を正確に知り、自ら主体的に治療方法を選択するためには、体について知る学習の機会が必要です。特に婦人科系の病気は子宮頸がんの他にも子宮筋腫や内膜症なども2,30代という比較的若い年齢でなる人が増えているとも伺います。
一方で若い年齢であるとなおさら「まだ健康である」という思いから自分の体と向き合うことをおろそかにしがちであるという傾向があると思いますので、婦人科系の病気のことや妊娠のことなどをわかりやすい形で学ぶ機会を充実させ、女性が自分の健康を自分で守るための教育が必要と考えます。区は、中学三年生に子宮頸がんワクチンを開始する際に、保健体育の授業で子宮頸がんについての学習もあわせて行っていくということでしたが、これまでどのような取り組みをされてきたのか、また今後どう充実させていくか、お考えをお聞かせください。


【教育長の答弁】

学校におけるがん教育についてであります。

日本人の死亡原因の中でトップを占めるがんについて学校教育で学ぶことは、がんについての正しい理解や予防に関する知識を身に付ける上で、重要であると認識しております。学習指導要領においては、がんの予防を含め、生涯を通じて自らの健康を適切に管理し、改善していく資質や能力の育成が求められています。

豊島区の取組は承知しておりますが、教育委員会といたしましては、学習指導要領の趣旨に即し、保健の授業において、小学校第6学年では、がんが喫煙などの生活習慣に深くかかわって起きること、中学校第3学年では、定期的な検査が疾病の予防において有効であることなどを重点に指導してまいります。なお、体験者の話を聞くなどの活動につきましては、豊島区の取組の効果なども見定めながら授業の中で工夫してまいります。

次に、子宮頸がんに関する指導についてであります。
教育委員会といたしましては、ワクチン接種の啓発に向け、保健体育の授業で性感染症等を取り扱う際に、子宮頸がんはウイルスによって感染すること、中学生期におけるワクチン接種が予防に有効であり、3回接種する必要があることについて重点的に指導してまいりました。今後も、定期的な検査による早期発見が疾病の治療に有効であることなど、自らの健康を適切に管理していけるよう健康教育の充実を図ってまいります。


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【コメント】

がんのことは今までにも何度かブログに書いていますが、検診の啓発をしていかなければならないということで、豊島区の例を出しながら質問しました。

がんのこと以外にも、体のことは学ぶ機会を充実させなければいけないと思います。


日程はまだ決まっていないのですが、9月末か10月に、婦人科のお医者さんをお呼びした勉強会を企画しています。私がせっかく(?)病気になったので、これを生かして啓発の機会を私も作ろうと思いまして・・・。

先日、打ち合わせのために、お医者さんとお会いしました。

いろいろ教えていただきましたが、本当に体の基本的なことを知らないんだなあと気付きました。

たとえば、排卵は左右の卵子が1ヶ月ごとに順番に出ると思い込んでいる人がいるとか。(私も思い込んでいました

排卵の際の痛みと生理痛は別物であるとか。

初潮が早かった人は閉経も早いのかと思いきや、そういうことではないとか。・・・むしろ、初潮が早ければ閉経は遅く、初潮が遅ければ閉経は早いのだそうです。ホルモンのバランスの影響だそうです。すべての女性が共通して、生涯で排卵できる卵子の数が決まっているわけではないんだそうです。(決まっているのかと思ってました

質問内容にも書きましたが、やはり2,30代での病気が増えていて、30代の2人に1人に子宮筋腫があるというような状況だそうです。
これは生活習慣の変化のほか、女性がはじめて子どもを産む時期が遅くなり、子どもの数も少なくなっていることも影響しているのではないかということでした。

生理の回数を繰り返すほど、子宮にかかる負荷が重くなるからです。(妊娠・授乳をしていれば生理が止まるので、子どもの数が少ないほど、女性が生涯で経験する生理の回数が増える。)

出産の時期が遅くなるほど、出産のリスクも、女性の健康にも影響してくるということを学ぶ機会を、子どもの頃から作っていかなくてはならないという話を、お医者さんはしてくれました。

こうした、体に関する基本的な知識を知ったうえで、女性が自分の人生設計を立てる必要があるだろうということです。

また、若いうちに出産できる環境づくりというのは、子育て支援の充実が必要であるという課題にもつながるかと思います。