5月8日、練馬文化センターに「60万回のトライ」というドキュメンタリー映画を見に行きました。写真は、監督さんと撮っていただいたものです。





この映画は大阪朝鮮高校のラグビー部を追ったものです。
大会には出られなかった時代もあった朝鮮高校の子達が、決勝まで闘っていく様子を追っています。
日本の社会でつらい思いをしてきた在日の大人たちがどんな想いでキラキラ輝くこの子達を見守っているのかと考えると胸が熱くなる、良い映画でした。

映画の中で、橋下徹さんが朝鮮高校に視察に来る様子があり、これも心に残ったもののひとつです。
ふだんニュースで記者会見などの様子で見る橋下さんは冷たい印象でしたが、高校生に声をかける橋下さんは優しげな印象。
在日の人をはじめ、様々な立場にある人と言葉を交わす経験を積んできた人なのではないかと感じました。
なるほど、笑顔で語りかける橋下さんを知っている大阪の人たちは思わず応援したくなるのかもしれない、と初めて感じました。

ところが、笑顔で高校生と話した後に橋下さんは朝鮮高校への補助金をカットしているので、表情と行為が噛み合わないのです。
だから、その冷たい政治の対象となる当事者にならないかぎりは橋下さんの冷たさに気づきづらいかもしれません。

基本的に橋下さんは自分が努力して弁護士になれたのだから苦労してる人は努力が足りないんだと捉えるタイプの人なのかも。
でも、成功は自分の才能や努力だけではなく、周りの人的サポートや制度的サポート、そしてタイミングといった運も加わって成り立っているのではないかと、私は思います。

自分とは違う状況に置かれる人もいるのだ、という客観的な視点や想像力がないと、自分の経験だけでは他者に共感する感覚は育たないものかもしれないということを考えさせられたのです。

思い出すほどに良い映画でしたので、まだご覧になっていない皆さんもまた機会がありましたらぜひ見てみてください。
ホームページはこちら

それから、今回の上映会に視覚障害のある人が参加され、駅から会場までの案内をしてほしいという要望があったということで、スタッフという立場で私が案内役をやりました。

障害のある人と一緒に街を歩くと、ふだん一人で歩いているのでは気づかないことに気付けたりしてとても楽しいです。

ただ、今回の映画は字幕が結構あったので、それを読み上げる役割もやれば良かったと、あとから気づいて後悔(>_<)

音声ガイド付きの上映会っていうのを私も少し前に企画しましたが、音声ガイドは目が見える人にとっても分かりやすいので、もっともっと広がったらいいなと改めて思いました。